←HOME  ←Back
過疎のお話

◆ I N D E X◆
1 「過疎」って、何だろう?
2 「過疎」とは、どんなところ?
3 「過疎市町村」特徴は?
4 どうして「過疎対策」が必要なの?
5 「過疎対策」はどのようなもの?
6 連盟の主張
                                              
 

1 「過疎」って、何だろう?

 昭和30年代以降、日本経済の高度成長の中で、農山漁村地域から都市地域に向けて、若者を中心に大幅な人口移動が起こりました。そのため、特に大都市地域では人口集中による「過密」問題が起こるようになりました。

 一方、農山漁村地域では、人口の減少により、例えば教育、医療、防災など、その地域における基礎的な生活条件の確保にも支障をきたすようになるとともに、産業の担い手不足などにより地域の生産機能が低下してまいりました。

 「過疎」というのは、このように地域の人口が減ってしまうことで、その地域で暮らす人の生活水準や生産機能の維持が困難になってしまう状態を言い、そのような状態になった地域が「過疎地域」です。
 「過疎対策」は、そのような地域における住民福祉の向上や働く場の創出を図り、更には豊かな自然環境や伝統文化などの地域資源を生かした個性のある魅力的な地域づくりを進め、森林や農地、農山漁村を適正に管理して美しい国土を保全し、過疎地域が国土の保全・水源のかん養・地球温暖化の防止などの多面的機能を発揮して、国民生活に重要な役割が果たせるようにするためのものです。

 法律による過疎対策は、これまで、昭和45〜54年度が「過疎地域対策緊急措置法」、昭和55〜平成元年度が「過疎地域振興特別措置法」、平成2〜11年度が「過疎地域活性化特別措置法」、平成12年度からは、「過疎地域自立促進特別措置法」により取り組まれてきました。この過疎地域自立促進特別措置法は、平成22年、平成24年、平成26年にそれぞれ「過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律」が制定され、平成32年度まで引き続き過疎対策が実施されます。

 (注)以下、過疎地域自立促進特別措置法は、「過疎法」と略します。




2 「過疎」とは、どんなところ?

◆過疎地域とは…

[過疎地域市町村]
 過疎地域市町村は、過疎法第2条第1項及び第32条の適用される要件に該当する市町村です。

[過疎地域とみなされる市町村]
 過疎地域市町村を含む合併による新市町村は、過疎地域市町村の要件に該当しなくても、一定の要件に該当する場合には過疎地域とみなされます。(過疎法第33条第1項)

[過疎地域とみなされる区域のある市町村]
 過疎地域市町村を含む合併による新市町村は、過疎地域市町村の要件・過疎地域とみなされる市町村の要件ともに該当しない場合でも、その新市町村のうち合併前に過疎地域であった旧市町村の区域は過疎地域とみなされます。(過疎法第33条第2項)

 これらの過疎地域市町村、過疎地域とみなされる市町村、過疎地域とみなされる区域について、過疎法による過疎対策が講じられています。


◆過疎地域の要件とは…

 次の人口要件・財政力要件ともに該当する市町村です。

 それぞれの要件で( )内は、過疎法第32条による場合で、合併による新市町村がこの要件に該当すれば過疎地域市町村となります。

人口要件
 次のA、B、C、Dのいずれかに該当

・昭和35年(40年)から平成7年(12年)までの35年間の人口減少率
   A 人口減少率が30%以上
   B 人口減少率が25%以上で、平成7年(12年)の高齢者比率が24%以上
   C 人口減少率が25%以上で、平成7年(12年)の若年者比率が15%以下

 (注)高齢者:65歳以上
    若年者:15歳以上30歳未満

  ただし、ABCの場合、昭和45年(50年)から平成7年(12年)までの25年間で10%以上人口が増加している市町村は除かれます。

 ・昭和45年(50年)から平成7年(12年)までの25年間の人口減少率
   D 人口減少率が19%以上

 財政力要件
  平成8年度(10年度)から平成10年度(12年度)の3か年平均の財政力指数が0.42以下

(注)財政力指数: その市町村の標準的な行政に必要な経費に対する税金などの自己財源の割合

 

 両要件に該当しても、その市町村に公営競技収入がある場合、平成10年度の売上金が13億円超の市町村は除かれます。

<平成22年4月改正による追加要件>

人口要件
 次のA、B、C、Dのいずれかに該当

 ・昭和35年から平成17年までの45年間の人口減少率
   A 人口減少率が33%以上
   B 人口減少率が28%以上で、平成17年の高齢者比率が29%以上
   C 人口減少率が28%以上で、平成17年の若年者比率が14%以下

 ただし、ABCの場合、昭和55年から平成17年までの25年間で10%以上人口が増加している市町村は除かれます。

 ・昭和55年から平成17年までの25年間の人口減少率
   D 人口減少率が17%以上

 財政力要件
  平成18年度から平成20年度までの平均の財政力指数が0.56以下

 両要件に該当しても、その市町村に公営競技収入がある場合、平成20年度の売上金が20億円超の市町村は除かれます。


<平成26年4月改正による追加要件>

人口要件
 次のA、B、C、Dのいずれかに該当

 ・昭和40年から平成22年までの45年間の人口減少率
   A 人口減少率が33%以上
   B 人口減少率が28%以上で、平成22年の高齢者比率が32%以上
   C 人口減少率が28%以上で、平成22年の若年者比率が12%以下

 ただし、ABCの場合、昭和60年から平成22年までの25年間で10%以上人口が増加している市町村は除かれます。

 ・昭和60年から平成22年までの25年間の人口減少率
   D 人口減少率が19%以上

 財政力要件
  平成22年度から平成24年度の3か年平均の財政力指数が0.49以下

 両要件に該当しても、その市町村に公営競技収入がある場合、平成24年度の売上金が40億円超の市町村は除かれます。

 


◆過疎地域とみなされる要件とは…

 過疎地域市町村を含む合併による(過疎地域市町村の要件に該当しない)新市町村で、人口要件、財政力要件、公共施設の整備状況、人口・面積の規模の各要件に該当する市町村です。(過疎法第33条第1項)

 この場合、財政力要件が上位にある市町村は、過疎地域市町村とみなされる期間が合併後5年間となります。この場合、5年間経過後も、合併前に過疎地域市町村であった区域は過疎法第33条第2項が適用されて過疎地域とみなされます。

 メ モ
 
 このホームページでは、過疎地域市町村、過疎地域とみなされる市町村、過疎地域とみなされる区域のある市町村を総称して「過疎市町村」と言います。
 
 このホームページの過疎市町村のMAP検索においては、すべての過疎市町村のホームページとリンクしています。

 個々の過疎市町村の区分、過疎市町村の数、人口・面積等のデータは、過疎地域のデータバンクをご覧ください。




3 「過疎市町村」の特徴は?

 過疎市町村の数は797、全国の1,718市町村の46%に当たります。(平成26年4月5日現在)
 過疎市町村の人口は約1,135万人余(平成22年国調人口)、全国の人口の8%余に過ぎませんが、その面積は日本国土の半分以上を占めています。
 過疎市町村は、大部分が農山漁村地域であるため、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保持、地球温暖化の防止などの多面的機能を発揮して、国民生活にとって重要な役割を果たしていま す。

過疎市町村の数、人口・面積
(平成26年4月5日現在)

区  分
過疎市町村
全 国
(全市町村)
市町村数
    全国に対する割合(%)
797
46.4
1,718
100.0
人口(平成22年国勢調査)千人
    全国に対する割合(%)
11,355
8.9
128,057
100.0
面積(平成22年国勢調査)km2
    全国に対する割合(%)
221,911
58.7
377,950
100.0
   
(注)1
 過疎市町村の数は、過疎地域市町村・過疎地域とみなされる市町村・過疎地域とみなされる区域のある市町村の合計です。
2
 過疎地域とみなされる区域のある市町村の人口・面積は、その市町村の全体の人口・面積でなく、過疎地域とみなされる区域の人口・面積を集計しています。
   
過疎市町村の数、人口・面積の詳細は、過疎地域のデータバンクをご覧ください。

 過疎市町村では、若者が流出するとともに高齢化が進んでいます。また、地域の主産業だった農林水産業の停滞や、商店や事業所などの閉鎖といった産業経済の停滞傾向が見られます。また、生活に必要な下水道や情報通信施設などの住民の生活基盤もまだ都市地域に比べ格差を残しているものが多く、厳しい状況は今なお続いています。

 その特徴をまとめて説明いたします。

1 引き続く人口減少と高齢化

 現在の過疎地域の人口減少は、高度成長期のような激しさは見られなくなったものの、引き続き若者が流出することによる社会減(転出者が転入者より多い。)に加え、自然減(死亡者が出生者より多い。)が重みを増してきています。同時に、全般的に、さらなる高齢化が進行しています。

2 地域産業経済の停滞

 かっての基幹産業であった農林水産業が著しく衰退した上に、最近の経済環境のもとでは、過疎地域への製造業など新たな事業所の立地はほとんど望めない状況にあります。

3 農村漁村の荒廃

 人口減少や高齢化、産業経済の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、更に最近の医師不足など、まさに住民の命にかかる問題も深刻化しています。また耕作放棄地が増加し、森林の荒廃が進み、多くの集落が消滅の危機に瀕している状況にあります。

4 社会資本整備に残る格差

 公共施設の整備も、道路など未だ不十分なものがあるほか、下水道、情報通信施設などのインフラ、医療・保健や住民の生活交通など、住民生活の基本的部分で都市地域との格差が残されています。




4 どうして「過疎対策」が必要なの?

 過疎地域は、人口は少ないけれど、その面積は国土の半分以上を占めており、上記のような厳しい条件の中にあっても、森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力しています。
 過疎地域が個性豊かで魅力のある地域づくりを進め、経済効率にまさる都市地域との健全な交流循環を活発にして、わが国のそれぞれの地域の自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生していくために、過疎地域を支援していくことがこれからの日本の在り方にとって極めて重要であります。

 過疎地域が果たしている役割のいくつかをご紹介しましょう。

1 美しい国土を形成し、未来の世代に引き継いでいくことに寄与します

 過疎地域における豊かな自然環境を保持するとともに、文化的に多様で、それぞれに個性的な地域社会が活力を持って維持され発展することが、美しい国土と環境を形成し、未来の世代に引き継いでいくことに不可欠なことです。

2 国土の保全、地球温暖化の防止などにより国民生活に重要な役割を担います

 過疎地域の森林や農地、農山漁村は、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、国民の保健、地球温暖化の防止などの多面的機能を発揮しています。これらの多面的機能を向上させ、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活のために過疎地域の重要な役割となっています。

3 国民全体の新たな生活空間として地域自立を目指します

 過疎地域が都市地域と相互に補完し合い、交流を進め、UJIターンなどにより多くの国民が過疎地域において多様な生活を営むことのできる場として整備していくことを通じて、自立的な地域社会を構築していくことが必要です。

4 高齢社会の先進モデル地域として貢献します

 過疎地域は、人口の高齢化が全国に約20年先行していると言われています。このため、高齢者が健康で生きがいをもって生活をすることのできる地域づくりの先進事例となる取り組みが期待されています。

 過疎市町村は、地域におけるナショナルミニマムの確保を図り、このような過疎地域の重要な役割を果たしつつ、地域の自立促進に向けた挑戦を続けていきます。




5 過疎対策はどのようなもの?

 過疎地域に対する施策の主な内容

1 過疎法に基づくもの

(1)国庫補助率のかさ上げ(過疎法10条、11条)
   ・公立小・中学校の統合に伴う校舎・屋内体育場の新増築(1/2→5.5/10)
   ・保育所の新設・改造等(1/2→公立5.5/10、民間2/3)
   ・消防施設(常備消防分)の整備(1/3→5.5/10)
   ・公立へき地小・中学校の統合に伴い必要となった教職員住宅の建築(5.5/10)

  (上記過疎法に基づくもののほか、予算措置によるもの)
   ・公立小・中学校等の施設の整備(危険建物改築・不適格建物改築)(1/3→5.5/10)
   ・公立へき地小・中学校の統合に伴う寄宿舎の新増築(1/2→5.5/10)
   ・消防施設(消防団分)の整備(1/2→5.5/10)

(2)過疎対策事業債の発行(過疎法12条)
   ・過疎市町村が作成した自立促進計画に基づいて実施される各種の事業の財源として
    過疎対策事業債を発行することができます。
   ・過疎対策事業債のうち総務大臣が指定したものに係る元利償還に要する経費
    の70%相当額が地方交付税の基準財政需要額に算入されます。

(3)都道府県代行制度(過疎法14条、15条)
   ・基幹道路(基幹的な市町村道、農道、林道、漁港関連道)
   ・公共下水道(幹線幹渠、終末処理場、ポンプ場)

(4)行政上の特別措置(過疎法16条〜25条)
   ・医療の確保
   ・高齢者の福祉の増進
   ・交通の確保についての配慮
   ・情報の流通の円滑化及び通信体系の充実についての配慮
   ・教育の充実についての配慮
   ・地域文化の振興等についての配慮
   ・農地法等による処分についての配慮
   ・国有林野の活用についての配慮

(5)金融措置(過疎法26条〜28条)
   ・農林漁業金融公庫等からの資金の貸付け等

(6)税制措置
   ・事業用資産の買換えの場合の課税の特例(過疎法29条)
   ・減価償却の特例(過疎法30条)

(7)地方税の課税免除・不均一課税に伴う地方交付税の減収補てん措置(法31条)

2 他の法令等に基づくもの
   ・過疎地域集落再編整備事業等の過疎地域であることを採択要件としている事業
   ・下水道事業等の採択基準の緩和
   ・特別土地保有税の非課税措置
   ・日本政策投資銀行、ふるさと財団等の融資制度

 




6 連盟の主張

 全国過疎地域自立促進連盟では、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りをもって守り抜き、過疎地域が国土の保全や地球温暖化の防止などの役割を充分に果たして美しい国土と環境を形成し、未来の世代に引き継いでいくことができるようにするため、このような過疎対策とともに、特に次の過疎地域に対する国の施策の充実強化を求めています。

1. 地方創生と人口減少の克服
 過疎地域において特に深刻な人口減少と高齢化に対処するため、産業振興、雇用拡大、子育て支援等の施策を積極的に推進する。

2. 過疎市町村の財政基盤の確立
 地方交付税を充実し過疎市町村の財政基盤を強化するとともに、過疎対策事業債の必要額を確保する

3. 住民が安心・安全に暮らせる生活基盤の確立
 医療の確保、交通の確保、雇用の確保、教育環境の整備等を、広域的な事業による対応も含めて積極的に推進し、住民が安心・安全に暮らせるための生活基盤を確立する

4. 高度情報通信等社会の恩恵を享受できるインフラの整備
 過疎地域においても高度情報通信等社会の恩恵を享受できるよう、高度情報通信基盤、高規格幹線道路等の道路網の整備を図り、地域社会の活性化を促進する

5. 地域資源を活用した産業の振興と雇用の創出
 森林の管理、農地の利用、地域資源を活用した観光及び地場産業の振興等過疎地域の環境と特性を活かした産業振興を支援し、新たな雇用を創出する

6. 集落対策の促進と地域の活性化
 集落対策、都市との交流、多様な主体の協働による地域社会の活性化と人材の育成・活用等による総合的な集落対策を積極的に推進する

 これら連盟の主張の詳細は、「平成28年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議・要望」をご覧ください。

 






←HOME  ←Back

© 2000-2014 全国過疎地域自立促進連盟 All rights reserved