|
地域の再生から町の発展へ
青森県鰺ヶ沢町長 長谷川 兼己 
鰺ヶ沢町は青森県の西方に位置し、町土は南北に細長く、北は日本海に面し、南は秋田県に接しています。総面積は342.99km2に及ぶものの、その約8割が山林で占められています。海岸線沿いに市街地が広がっているほか、町土を四分する形で流れる3河川の流域におよそ40もの集落が点在しています。その背後には、私たちの暮らしに豊かな自然の恩恵を与えてくれる雄大な白神山地が広がり、その奥地には世界自然遺産登録区域(平成5年)を擁しています。

▲ブナ林散策ゾーン「ミニ白神」
樹齢200年を超えるブナ天然林が鬱蒼と茂り、白神山地核心部の小宇宙を気軽に体感できる。(黒森地区)
|

▲光信公の館
津軽藩発祥の地「種里城址〜光信公の館」
|
また、金鮎で知られる赤石川、日本の滝百選「くろくまの滝」のほか、津軽藩発祥の地「種里城址〜光信公の館」、ブナ林散策ゾーン「ミニ白神」が整備されるなど、豊かな自然と歴史的資源に恵まれている町です。
鰺ヶ沢は、藩政時代、津軽藩の御用港として栄え、海上交通の門戸として重要な位置を占めていました。明治22年には市町村制施行に伴い町制をしき、昭和30年には鰺ヶ沢町、赤石村、中村、鳴沢村、舞戸村の1町4ヵ村が合併して現在の鰺ヶ沢町となっています。町は、農業や漁業を中心産業として発展を続けるとともに、津軽西部の政治・経済の中心地として歩みを続けてきました。

▲日本の滝百選「くろくまの滝」
高さ85メートル、荘厳な空気が漂う
|

▲かかしの里づくり
今では夏の風物詩として定着した住民の発想と手作りによるかかしの里づくり(中村地区)
|
しかし、近年の社会情勢の変化をはじめ、現在では長期にわたる地域経済の低迷、官公庁出先機関の相次ぐ廃止なども加わり、合併当時は23,000人を超えていた人口も減少を続け、現在ではおよそ12,700人と、この50年で1万人以上が減っています。鰺ヶ沢町でも、過疎化はもちろん少子高齢化が進み、地域コミュニティや農村集落の維持が課題となっています。
さらに、町の財政は逼迫し、ますます厳しい行財政運営を強いられている最中にあります。だからと言って、ただ手をこまねいているわけには行きませんが、行政が出来る部分には限界があります。
このため、我が町では、平成12年度から、町内5地区にある地区公民館を人づくり・地域づくりの拠点として位置づけ、そこに職員を配置して、公民館活動はもとより町内会や各種団体等の地域活動を支援しながら、住民とともに取り組む「協働のまちづくり」を進めています。各地区においては、町内会組織の強化を基本に、地域福祉・地域防災、学校と地域の連携のほか地域イベントの立ち上げ・伝統芸能の復興、地域の特産開発など、徐々にではありますが一応の成果を見るようになってきています。これからも、地域の自主性を促しながら、地域の特性を生かした住民が主役の協働のまちづくりを一層進めていきたいと考えています。

▲赤石渓流
金鮎で有名な赤石渓流(赤石地区)
|

▲担ぎ太鼓
住民の手で復活した伝統芸能の担ぎ太鼓
(鰺ヶ沢地区)
|
そこに人がいて、さらにヒト・モノ・情報が行き来すれば、必ずそこから何かが生まれるものと信じています。そのためには、行政は率先して地域に入り込んで行かなければならないと思います。地域が元気になれば町も賑わい、地域が再生することで町の発展につながる。その信念のもとに、行政の基本に立ち返り、町民とともに歩む「協働のまちづくり」に努めて参りたいと思います。
|