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過疎地域は主張します!!

 −過疎新法の制定・国土保全の施策などについて−

21.11.4 総会決定
新過疎法制定促進に関する決議
新過疎法制定に関する要望
   
21.6.17 理事会決定
新たな過疎対策法の制定に関する要望
   
21.4.23 自由民主党過疎対策特別委員会における要望
新たな過疎対策法の制定に関する要望
   
20.12.21 自由民主党過疎対策特別委員会における要望
平成21年度過疎対策関係政府予算に関する要望
   
20.11.25 総会決定
新たな過疎対策法の制定に関する決議
平成20年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議・要望
   
20.10.20 平成21年度税制改正に関する要望
   
20.8.28 自由民主党過疎対策特別委員会における要望
平成21年度過疎対策関係政府予算概算要求に関する要望
   
20.6.16 理事会決定
新たな過疎対策法の制定に関する要望
   
20.6.16 理事会決定
平成21年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望
   
20.2.6 理事会決定
過疎対策関係政府施策に関する要望
   
19.12.21 自由民主党過疎対策特別委員会における要望
平成20年度過疎対策関係政府予算に関する要望
   
19.11.29 総会決定
平成20年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議・要望
   
19. 8.30 自由民主党過疎対策特別委員会における要望
平成20年度過疎対策関係政府予算概算要求に関する要望
   
19. 6.20 理事会決定
平成20年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望
   
19. 2.8 理事会決定
過疎対策関係政府施策に関する要望
   
18.12.21 自由民主党過疎対策特別委員会における要望
平成19年度過疎対策関係政府予算に関する要望
   
18.11.30 総会決定
平成19年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議・要望
   
18.10.20 平成19年度税制改正に関する要望
   
18. 8.31 自由民主党過疎対策特別委員会における要望
平成19年度過疎対策関係政府予算概算要求に関する要望
   
18. 6.30 理事会決定
平成19年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望
   
18. 2.17 理事会決定
過疎対策関係政府施策に関する要望
   
18. 1.13 豪雪被害対策に関する緊急要望
   
17.12.21 自由民主党過疎対策特別委員会における要望
平成18年度過疎対策関係政府予算復活要求に関する要望
   
17.12.9  「過疎地域における補助割合の特例措置にかかる財政措置」についての緊急要望
   
17.11.28 総会決定
平成18年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議・要望
   
17.10.27 平成18年度税制改正に関する要望
   
17. 6.30 理事会決定
平成18年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望
   
17. 2.18 理事会決定
三位一体の改革に関して 過疎地域における財源の確保充実に関する要望
   
16.11.30 総会における決議・要望
平成17年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議・要望
新潟県中越地震及び台風災害に関する特別決議
   
16.10.29 自由民主党税制調査会に税制改正要望
   
16. 8.27 自由民主党過疎対策特別委員会における要望
   
16. 6.28 理事会における決議
過疎地域に光を当てる三位一体の改革
国の国土保全施策の充実強化
高規格幹線道路網の整備促進及び地方道路特定財源の充実強化
過疎地域における医師の確保対策の推進
市町村・住民の自主的・主体的な判断による市町村合併
   
16. 5.26 「過疎地域に光を当てる三位一体の改革について」 緊急要望
   
16. 2.20 理事会における決議
過疎地域を犠牲にしない三位一体の改革
市町村・住民の自主的・主体的な判断による市町村合併
   
15.12. 1 総会における決議
過疎地域を犠牲にしない三位一体の改革
自主的・主体的な市町村合併
高規格幹線道路網の整備促進
国の国土保全施策の充実強化
過疎対策事業債の確保
   
   



(21.11.4 総会決定)

新過疎法制定促進に関する決議

 過疎地域は、我が国の国土の過半を占め、豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域である。また、都市に対する食料・水・エネルギーの供給、国土・自然環境の保全、いやしの場の提供、災害の防止、森林による地球温暖化の防止などに多大な貢献をしている。
過疎地域が果たしているこのような多面的・公益的機能は国民共有の財産であり、それは過疎地域に住む住民によって支えられてきたものである。
 しかしながら、人口減少と少子・高齢化が急速に進んでいる今日、過疎地域は、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、極めて深刻な状況に直面している。
 これまで4次にわたる特別措置法により総合的な過疎対策事業が実施され、生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げてきたが、過疎地域の住民の安全、安心な暮らしを守っていくためには、なお一層の総合的な支援が必要である。
 国は、過疎地域が安心・安全に暮らせる地域として健全に維持されていくことが、多面的・公益的機能の維持につながり、ひいては都市も含めた国民全体の生活の向上につながる国家的な課題であることを認識し、引き続き過疎地域に対して総合的かつ積極的な支援を行い、住民の暮らしを支えていく政策を確立すべきである。
 我々は、過疎地域が安心・安全に暮らせる地域として再生されることによって、都市と過疎地域が相互に支え合う新しい「持続可能な共生社会」の形成の展望が開かれるものと確信するものである。
 よってここに、平成22年3月末をもって失効する「過疎地域自立促進特別措置法」の後の、新過疎法の制定を強く求めるものである。 
 なお、新過疎法においては、下記事項について特段の配慮を強く要請するものであり、我々は総力を結集して運動を展開し、その実現を期するものである。


 過疎地域が果たしている役割を正しく評価し、新しい過疎対策の理念を確立すること

 過疎地域の特性を的確に反映する指定要件と指定単位を設定し、現行過疎地域を指定対象とすること

 医療の確保、交通の確保、雇用の確保、教育環境の整備等を、広域的な事業による対応も含めて積極的に推進し安心・安全に暮らせるための生活基盤を確立すること

 産業活動の活性化に必要な高度情報通信基盤、高規格幹線道路等の道路網の整備を図るとともに、企業経営に対する税制等の優遇措置を強化すること

 森林の管理、農地の活用、地域資源の活用等過疎地域の環境と特性を活かした産業振興を支援し、新たな雇用を創出すること

 過疎市町村に過疎対策基金を創設し、集落対策、都市との交流、人材の育成、多様な主体の協働による地域づくり等のソフト事業を積極的に支援すること

 地方交付税の充実・強化により過疎市町村の財政基盤を確立するとともに、過疎対策事業債の対象を拡大すること




(21. 11. 4 総会決定)

新過疎法制定に関する要望


 

1 新たな過疎対策の理念の確立

 過疎地域は、全国の1割足らずの人口で、広大な国土の過半を支えている。これらの地域は、森林・農地の維持・管理を通じ、土砂災害の防止、水源の涵養、食料・エネルギーの供給、二酸化炭素の吸収、自然環境や景観の保全といった重要な役割を果たし、国民全体の社会経済活動を支えてきた。
 しかしながら、過疎問題の一層の深刻化により、これらの多面的・公益的機能の維持が困難な状況に陥っている。
 過疎地域を守ることは、国土の保全と国民全体の暮らしを支えるものであることを、都市住民を含めた国民全体が再認識すべきである。
 新しい過疎対策においては、都市地域と過疎地域が相互に支え合う共生社会の形成を目指す必要がある。
 よって、こうした考えが新たな過疎対策の理念として実現されるよう、次のことを強く要望するものである。

 新過疎法において、過疎地域の持つ多面的・公益的機能を積極的に評価し、国土づくりにおける過疎地域の意義と役割を明記すること。



2 適切な指定要件・指定単位の設定


 これまでの指定要件は、人口減少率や財政力指数などを中心としたものであったが、これに加え、人口希薄地域で広大な森林資源を有するという過疎地域の自然的社会的特性を十分に反映させる必要がある。
 平成の大合併により、新しい市町村の一部となった多くの旧過疎市町村の地域では条件不利性は改善されておらず、合併後の市町村においても、過疎対策のための財源を確保することが困難な状況になっている。
 このため、指定要件・指定単位の設定に当たっては、次の内容が考慮されるよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域の自然的社会的特性を反映した新たな指標として、「人口密度」や「林野率」などを加えること。

(2)  過疎地域の指定単位は、市町村単位とし、平成の大合併前の旧市町村を単位とした「一部過疎」指定を設けること。

(3)  現行過疎地域は、新法においても引き続き過疎地域に指定されるよう、最大限の配慮をすること。

 


3 安心・安全な生活基盤の確立

 過疎地域の生活基盤整備は、4次にわたる過疎対策法によって一定の進展を見たが、多くの過疎市町村において、道路、下水道等の社会的インフラ整備は、未だ全国水準より低位にある。
 また、医師や看護師の不足、住民の足である路線バスの廃止など、新たな深刻な課題に直面しているが、医療の確保、雇用の場の確保、交通の確保などの問題は、市町村単独で解決するのは困難であり、中心都市を含む周辺地域及び都道府県との連携を図り、広域的に取り組む必要がある。
 このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1)  道路、下水道等全国水準より大きく遅れている生活環境施設の整備を促進するとともに、その整備に要する経費等については、必要額が確保されるなどの措置を講じること。

(2)  医師・看護師等の確保、遠隔医療システムや医療用多目的ヘリコプターの整備、へき地医療拠点病院への支援などにより、地域医療の確保を図ること。
 また、都道府県や中心都市が行うこれらの事業を広域過疎対策事業と位置づけ、過疎対策事業債の対象とするなどの支援を行うこと。

(3)  住民の生活交通を確保するため、地域交通の維持・確保に要する経費の助成措置を強化すること。
 また、自家用有償旅客運送を積極的に活用するため、道路運送に関する規制の緩和を行うこと。

(4)  離島航路・空路の維持存続のため助成制度の拡充を図るとともに、離島の経済不利性を緩和するため、離島航路を国道とみなし、船舶整備に対する支援制度の拡充を図ること。

(5)  過疎地域の雇用確保を目的として都道府県等が行う企業用地造成事業などを広域過疎対策事業と位置づけ、過疎対策事業債の対象とするなどの支援を行うこと。

(6)  小規模校における教育水準を確保するため、教職員の適切な配置、複式学級の解消など必要な措置を講じること。

(7)  遠距離通学や寄宿舎生活を余儀なくされている児童・生徒の家庭負担軽減のため、スクールバス運営に対する支援、通学費・居住費の支援等の充実を図ること。

(8)  住民を災害から守るための治山・治水事業や消防・防災施設の整備を推進するとともに、住民の避難施設や学校などの耐震化に対する支援を強化すること。

 

4 高度情報通信等社会基盤の整備

 過疎地域における雇用の確保は引き続き重要な課題であり、企業の過疎地域への進出及び過疎地域での経営の発展をより一層推し進める必要がある。ブロードバンド整備や地上放送デジタル化など情報基盤の整備は、地域産業の活性化や生活情報の伝達などにおいても、最も重要なツールとして期待されているが、過疎地域においては、自治体において整備せざるを得ない地域が多くある。
 過疎地域の活性化、都市との交流の促進、製品・生産物の短時間輸送のために、高速交通ネットワークの整備を促進するとともに、過疎地域の経済不利性を緩和する税制等の優遇措置を一段と強化する必要がある。
このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域の高度情報通信ネットワークを確保するため、ブロードバンド環境整備、移動通信用鉄塔等の整備に対する支援を強化するとともに、これらの維持・管理に対する支援措置を新設すること。

(2)  地上デジタル放送移行にあたり、過疎地域全域で受信ができるよう適切な対策を早急に講じること。

(3)  過疎地域の活性化、中心都市との交流の促進を図るため、高規格幹線道路網等を整備すること。

(4)  過疎地域への企業の進出を推し進めるため、税制等の優遇措置を拡充・強化するとともに、対象業種の範囲を拡大すること。また、税制の優遇措置に伴う減収分については、地方交付税により補てんすること。



5 地域資源の活用による産業の振興・雇用の創出


 森林や農地等が持つ公益的機能は、そこに人が住み、適切な管理・保全を行うことによって保たれているが、農林漁業従事者が減少し続けており、農林漁業への新規参入者の確保が大きな課題である。
また、地域資源を活用した振興策として、地域生産物のブランド化、地産地消の推進、バイオマスの利用拡大などに大きな期待が寄せられているが、そのためには外部の人的・経済的資源を過疎地域に積極的に導入する必要があり、意欲ある若者や企業を新たな担い手として過疎地域に誘導するための環境を早急に整備する必要がある。
このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1)  個人や企業の農業への新規参入を促進し、雇用・就業機会の拡大を図るため、経営の面積、農地の取得などの規制を緩和すること。

(2)  耕作放棄地や放置林などの管理を市町村・企業・NPO等が主体的に行えるよう支援措置を講じること。

(3)  農林漁業への新規就労を促進するため、技術習得期間中の生活支援及び初期投資に要する費用に対する助成措置を充実・強化すること。

(4)  国産材による住宅建設を促進するため、国税及び地方税における優遇制度を充実・強化すること。

(5)  企業が社会活動として行う森林育成事業等に対し、税制上の優遇を行うこと。

(6)  地域循環型社会の形成のため、地産地消、バイオマスエネルギーの活用等の取組に対し支援を行うこと。

(7)  中山間地域等直接支払制度を継続するとともに、所得補償制度の導入などにより農業者に対する支援の充実・強化を図ること。

(8)  森林の管理を推進するための財源として森林環境税等の導入を図ること。

 

6 高度情報通信等社会基盤の整備

 これまでの過疎対策事業は、生活基盤整備などのハード事業が中心であった。昨今の過疎対策においては、これらハード事業への支援に加え、集落対策、都市との交流、地域住民の交通の確保、人材の確保などが課題になっていることから、ソフト事業への支援も強く求められている。
 このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1)  集落対策、都市との交流、人材の育成、生活交通確保、コミュニティ活動支援などの幅広いソフト事業を支援するため、過疎対策事業債等を活用し、過疎市町村に「過疎対策基金」を創設すること。

(2)  集落支援員の設置や集落再編など集落対策を推進するための支援措置を強化・拡充すること。

 

7 地方交付税の充実・強化及び過疎対策事業債対象事業の拡大

 三位一体改革等により地方交付税が大幅に削減された結果、過疎市町村においては一般財源が激減し、住民に対する行政サービスの十分な提供が難しくなっている。
 財政基盤が脆弱な過疎市町村は、地方交付税による十分な財源保障なくしては行政運営が難しく、地方交付税を強化し、安定的な財源を確保するための政策的な配慮が必要である。
過疎対策事業債については、過疎地域にとって命綱というべき重要な財政支援策であり、過疎対策事業債制度の存続は過疎市町村共通の願いである。
 また、過疎地域においてはこれまで整備してきた道路、橋りょうなどの施設の修繕が必要になっており、このような施設の維持・修繕を過疎対策事業債の対象にするほか要件を緩和するなど、制度の改正が強く求められている。
 このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域における地域社会や地域住民の生活に必要なサービスを行うための財源を安定的に確保するため、地方交付税による財源保障機能の更なる充実・強化を図ること。

(2)  現行過疎対策事業債の制度を存続すること。道路・橋りょうの維持・補修に係る経費、図書館の建設、廃校舎の解体・再活用や小中一貫校の整備に要する経費、ソフト事業に要する経費を対象とするなど、対象事業を拡大するほか、従来の対象事業の要件を緩和し、弾力的運用を図ること。

(3)  過疎対策事業債の元利償還に係る交付税算入率の拡大を図ること。

 




(21.6.17 理事会決定)

新たな過疎対策法の制定に関する要望

 過疎対策については、4次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げたところである。
 しかしながら、人口減少と少子・高齢化が急速に進んでいる過疎地域は、これまで以上に極めて深刻な状況に直面している。
 過疎地域は、豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域である。また、都市に対して、食料・水資源・エネルギーを供給し、自然環境の保全といやしの場を提供するとともに、森林による地球温暖化の防止に貢献するなど多面的・公益的機能を担っている。
 過疎地域が、そこに住み続ける住民にとって安心・安全に暮らせる地域として健全に維持されていくことが、多面的・公益的機能の維持につながり、都市も含めた国民全体の安心・安全な生活に寄与するものであることから、国は、引き続き過疎地域に対して総合的かつ積極的な支援を行うべきである。
 よってここに、平成22年3月をもって失効する「過疎地域自立促進特別措置法」の後の、新たな過疎対策法の制定を強く求めるものである。
新たな過疎対策法においては、別紙事項について特段の配慮を強く要請する。

1 新たな過疎対策の理念の確立

過疎地域が果たしている役割を正しく評価し、新しい過疎対策の理念を確立すること

 過疎地域は、全国の1割足らずの人口で、広大な国土の過半を支えている。これらの地域は、森林・農地の維持・管理を通じ、土砂災害の防止、水源の涵養、食料の供給、二酸化炭素の吸収、自然環境や景観の保全といった重要な役割を果たし、国民全体の社会経済活動を支えてきた。
しかしながら、過疎問題の一層の深刻化により、これらの多面的・公益的機能の維持が困難な状況に陥っている。
 過疎地域を守ることは、国土の保全と国民全体の暮らしを支えることであることについて、都市住民を含めた国民全体が再認識する必要がある。
 新しい過疎対策においては、都市地域と過疎地域が相互に支え合う共生社会の形成を目指す必要がある。
 よって、こうした考えが新たな過疎対策の理念として実現されるよう、次のことを強く要望するものである。
 新過疎対策法において、過疎地域の持つ多面的・公益的機能を積極的に評価し、国土づくりにおける過疎地域の意義と役割を明記すること。

 

2 適切な指定要件・指定単位の設定

過疎地域の特性を的確に反映する指定要件と指定単位を設定し、現行過疎地域を指定対象とすること

 これまでの指定要件は、人口減少率や財政力指数などを中心とした指定要件であったが、これに加え、人口希薄地域で広大な森林資源を有するという過疎地域の自然的社会的特性を十分に反映させる必要がある。
 また、平成の大合併により、新しい市町村の一部となった多くの旧過疎市町村では条件不利性は改善されていないし、合併後の市町村においても、過疎対策のための財源を確保することが困難な状況になっている。
 このため、指定要件・指定単位の設定に当たっては、次の内容が考慮されるよう強く要望するものである。

(1) 過疎地域の自然的社会的特性を反映した新たな指標として、「人口密度」や「林野率」などを加えること。

(2) 過疎地域の指定単位は、市町村単位とし、平成の大合併前の旧市町村を単位とした「一部過疎」指定を設けること。

(3) 現行過疎地域は、新法においても引き続き過疎地域に指定されるよう、最大限の配慮をすること。

 

3 安心・安全な生活基盤の確立

医療の確保、交通の確保、雇用の確保、教育環境の整備等を、広域的な事業による対応も含めて積極的に推進し、安心・安全に暮らせるための生活基盤を確立すること

過疎地域の生活基盤整備は、4次にわたる過疎対策法によって一定の進展を見たが、多くの過疎市町村において、道路、下水道等の社会的インフラ整備は、未だ全国水準より低位にある。
また、医師や看護師の不足、住民の足である路線バスの廃止など、新たな深刻な課題に直面しているが、医療の確保、雇用の場の確保、交通の確保などの問題は、市町村単独で解決するのは困難であり、中心都市を含む周辺地域及び都道府県との連携を図り、広域的に取り組む必要がある。
このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1) 道路、下水道等全国水準より大きく遅れている生活環境施設の整備を促進すること。また、補助率の嵩上げ措置及び都道府県代行制度については存続すること。

(2) 医師・看護師等の確保、遠隔医療システムや医療用多目的ヘリコプターの整備、へき地医療拠点病院への支援などにより、地域医療の確保を図ること。
また、都道府県や中心都市が行うこれらの事業を広域的過疎対策事業と位置づけ、過疎対策事業債の対象とするなどの支援を行うこと。

(3) 住民の生活交通を確保するため、地域交通の維持・確保に要する経費の助成措置を強化すること。
また、自家用有償旅客運送を積極的に活用するため、道路運送に関する規制の緩和を行うこと。

(4) 離島航路・空路の維持存続のため助成制度の拡充を図るとともに、離島の経済不利性を緩和するため、離島航路を国道とみなし、自治体が行う船舶整備に対する補助制度を創設すること。

(5) 都道府県や中心都市が行う企業用地造成事業など、過疎地域の雇用確保に資する事業を広域的過疎対策事業と位置づけ、過疎対策事業債の対象とするなどの支援を行うこと。

(6) 小規模校における教育水準を確保するため、教職員の適切な配置、複式学級の解消など必要な措置を講じること。

(7) 遠距離通学や寄宿舎生活を余儀なくされている児童・生徒の家庭負担軽減のため、スクールバス運営に対する支援、通学費・居住費の支援等の充実を図ること。

(8) 住民を災害から守るための治山・治水事業や消防・防災施設の整備を推進するとともに、学校などの耐震化に対する支援を強化すること。


4 高度情報通信等社会基盤の整備

産業活動の活性化に必要な高度情報通信基盤、高規格幹線道路等の道路網の整備を図るとともに、企業経営に対する税制等の優遇措置を強化すること

 過疎地域における雇用の確保は引き続き重要な課題であり、企業の過疎地域への進出及び過疎地域での経営の発展をより一層推し進める必要がある。ブロードバンド整備や地上放送デジタル化など情報基盤の整備は、地域産業の活性化や生活情報の伝達などにおいても、最も重要なツールとして期待されているが、過疎地域においては、自治体において整備せざるを得ない地域が多くある。
 過疎地域の活性化、都市との交流の促進、製品・生産物の短時間輸送のために、高速交通ネットワークの整備を促進するとともに、過疎地域の経済不利性を緩和する税制等の優遇措置を一段と強化する必要がある。
 このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1) 過疎地域の高度情報通信ネットワークを確保するため、ブロードバンド環境整備、移動通信用鉄塔等の整備に対する支援を強化するとともに、これらの維持・管理に対する支援措置を新設すること。

(2) 地上デジタル放送移行にあたり、過疎地域全域で受信ができるよう適切な対策を早急に講じること。

(3) 過疎地域の活性化、中心都市との交流の促進を図るため、高規格幹線道路網等を整備すること。

(4) 過疎地域への企業の進出を推し進めるため、税制等の措置を拡充・強化するとともに、対象業種の範囲を拡大すること。

 

5 地域資源の活用による産業の振興・雇用の創出

森林の管理、農地の活用、地域資源の活用等過疎地域の環境と特性を活かした産業振興を支援し、新たな雇用を創出すること

 森林や農地等が持つ公益的機能は、そこに人が住み、適切な管理・保全を行うことによって保たれているが、農林漁業従事者が減少し続けており、農林漁業への新規参入者の確保が大きな課題である。
 また、地域資源を活用した振興策として、地域生産物のブランド化、地産地消の推進、バイオマスの利用拡大などに大きな期待が寄せられているが、そのためには外部の人的・経済的資源を過疎地域に積極的に導入する必要があり、意欲ある若者や企業を新たな担い手として過疎地域に誘導するための環境を早急に整備する必要がある。
 このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1) 個人や企業の農業への新規参入を促進し、雇用・就業機会の拡大を図るため、経営の面積、農地の取得などの規制を緩和すること。

(2) 耕作放棄地や放置林などの管理を市町村・企業・NPO等が主体的に行えるよう支援措置を講じること。

(3) 農林漁業への新規就労を促進するため、技術習得期間中の生活支援及び初期投資に要する費用に対する助成措置を充実・強化すること。

(4) 国産材による住宅建設を促進するため、国税及び地方税における優遇制度を充実・強化すること。

(5) 企業が社会活動として行う森林育成事業等に対し、税制上の優遇を行うこと。

(6) 地域循環型社会の形成のため、地産地消、バイオマスエネルギーの活用等の取組に対し支援を行うこと。

(7) 中山間地域等直接支払制度を継続し、内容の充実・強化を図ること。

(8) 森林の管理を推進するための財源として森林環境税等の導入を図ること。


6 過疎対策基金の創設

過疎市町村に過疎対策基金を創設し、集落対策、都市との交流、人材の育成、多様な主体の協働による地域づくり等のソフト事業を積極的に支援すること

 これまでの過疎対策事業は、生活基盤整備などのハード事業が中心であった。昨今の過疎対策においては、これらハード事業への支援に加え、集落対策、都市との交流、地域住民の交通の確保、人材の確保などが課題になっていることから、ソフト事業への支援も強く求められている。
 このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1) 集落対策、都市との交流、人材の育成、生活交通確保、コミュニティ活動支援などの幅広いソフト事業を支援するため、過疎対策事業債等を活用し、過疎市町村に「過疎対策基金」を創設すること。

(2) 集落支援員の設置や集落再編など集落対策を推進するための支援措置を強化・拡充すること。


7 地方交付税の充実・強化及び過疎対策事業債対象事業の拡大

地方交付税の充実・強化により過疎市町村の財政基盤を確立するとともに、過疎対策事業債の対象事業を拡大すること

 三位一体改革等により地方交付税が大幅に削減された結果、過疎市町村においては一般財源が激減し、住民に対する行政サービスの十分な提供が難しくなっている。
 財政基盤が脆弱な過疎市町村は、地方交付税による十分な財源保障なくしては行政運営が難しく、地方交付税を強化し、安定的な財源を確保するための政策的な配慮が必要である。
 過疎対策事業債については、過疎地域にとって命綱というべき重要な財政支援策であり、過疎対策事業債制度の存続は過疎市町村共通の願いである。
 また、過疎地域においてはこれまで整備してきた道路、橋りょうなどの施設の修繕が必要になっており、このような施設の維持・修繕を過疎対策事業債の対象にするほか要件を緩和するなど、制度の改正が強く求められている。
 このため、次の施策が実現されるよう強く要望するものである。

(1) 過疎地域における地域社会や地域住民の生活に必要なサービスを行うための財源を安定的に確保するため、地方交付税による財源保障機能の更なる充実・強化を図ること。

(2)

現行過疎対策事業債の制度を存続すること。道路・橋りょうの維持・補修に係る経費、廃校舎の解体・再活用に要する経費、ソフト事業に要する経費を対象とするなど、対象事業を拡大するほか、従来の対象事業の要件を緩和し、弾力的運用を図ること。なお、元利償還に係る交付税算入率の拡大を図ること。

 




(21.4.23 自由民主党過疎対策特別委員会における要望)

新たな過疎対策法の制定に関する要望

 全国過疎地域自立促進連盟会長の長野県知事 村井仁でございます。
 玉澤委員長をはじめ過疎対策特別委員会の先生方には、日頃から過疎地域のために格別のご尽力を賜り、誠に有り難うございます。
 特に、昨年度の補正予算におきましては「地域活性化・生活対策臨時交付金」で格別の御配慮をいただき、また今年度の補正予算では「地域活性化・経済危機対策臨時交付金(仮称)」を盛り込んでいただくと聞き及んでおりますが、過疎地域の振興に並々ならぬ御配慮いただいておりますことにつきまして、この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。

 平成22年3月末の「過疎地域自立促進特別措置法」の失効まで、いよいよ1年を切りました。
 過疎対策特別委員会の先生方には、お忙しい中、これまで15ヶ所21道府県の過疎関係市町村長さん、地域住民の方々と意見交換会をもたれ、現場の声や要望などを直接お聞きいただきまして、大変有難く思っております。

 過疎連盟といたしましては、昨年11月に新過疎法制定実現総決起大会を開催し、「新たな過疎対策法の制定に関する決議」を採択し、先生方に要望させていただきました。現地ヒアリングと併せて是非とも私ども過疎地域の総意をお汲み取りいただき、新法に反映していただきますよう、心からお願い申し上げる次第であります。

 さて、本日は、新しい過疎法の制定に対して過疎連盟の要望をお聞きいただく機会を設けていただきましたので、少々お時間をとらせますが、昨年11月の総決起大会の決議内容を御説明して、要望といたしたいと存じます。

 決議の第1は、過疎地域が果たしている役割を正しく評価し、新しい過疎対策の理念を確立してもらいたいということでございます。
 過疎地域は、全国の1割足らずの人口で、国土の54%を支えております。
 これらの地域は、森林・農地の維持・管理を通じ、土砂災害の防止、水源の涵養、食糧の供給、二酸化炭素の吸収といった重要な役割を果たし、国民全体の社会経済活動を支えてまいりました。
しかしながら、過疎問題の一層の深刻化により、これらの多面的・公益的機能の維持が困難な状況に陥っております。
 過疎地域を守ることは、とりもなおさず国土の保全と国民全体の暮らしを支えることであることについて、都市住民を含めた国民全体で考えていただきたいということであります。
 新しい過疎対策においては、これまでのように格差是正だけを強調するのではなく、都市地域と過疎地域が相互に支え合う「持続可能な共生社会」を形成するという、国土づくりの新たな理念を確立する必要があると考えております。過疎地域の持つ多面的・公益的機能を評価し、国土づくりにおける過疎地域の意義と役割を明確にしていただきますようお願いいたします。

 第2は、過疎地域の特性を的確に反映する指定要件と指定単位の設定でございます。
 これまでの指定要件は、人口減少率や財政力指数などを中心とした指定要件でありましたが、過疎地域の自然的社会的特性を反映した新たな指標として、「人口密度」や「林野率」を検討していただくようお願いいたします。
 また、平成の大合併により、新しい市町村の一部と化した旧過疎市町村の過疎の動向が見えにくくなっている状況に鑑み、「一部過疎地域」の指定を引き続き設けていただきますようお願いしますとともに、現行過疎地域は可能な限り指定地域としていただきますよう最大限の配慮をお願いする次第であります。

 第3に、安心・安全に暮らせるための生活基盤の確立でございます。
 多くの過疎市町村において、道路、下水道等の社会的インフラ整備は、未だ全国水準より低位にあります。引き続き生活環境施設の整備に対する支援をお願いする次第であります。
また、医師や看護師の不足、住民の足である路線バスの廃止など、新たな深刻な課題に直面しておりますが、医療の確保、雇用の場の確保、交通の確保、教育環境の整備の問題は、市町村単独で解決するのはなかなか困難な問題であり、中心都市を含む周辺地域及び都道府県との連携を図り、広域的に取り組む必要があると考えでおります。
 新しい過疎法において、こうした事業を広域過疎対策事業として位置づけ、是非支援をお願いいたします。

 第4は、高度情報通信基盤、高規格幹線道路等の道路網の整備の推進でございます。
ブロードバンド整備や地上放送デジタル化など情報基盤の整備は、地域産業の活性化や生活情報の伝達などにおいて最も重要なツールとして期待されております。
 過疎地域においては、採算の面から民間事業者が進出せず、自治体において整備せざるを得ない地域が多くありますので、国の助成措置の拡充強化をお願いする次第であります。
 過疎地域において若者が定住しない大きな理由の一つは雇用の場が少ないことです。
 過疎地域への企業の進出をより一層推し進めるため、そのインセンティブとなるよう、税制・金融上の優遇措置を拡充・強化し、併せてこれらの優遇措置が全ての業種に適用されるようお願いします。

 第5は、過疎地域の環境と特性を活かした産業振興と新たな雇用の創出への支援でございます。
森林や農地が持つ公益的機能は、そこに人が住み、適切な管理・保全を行うことによって保たれておりますが、農林業従事者が減少し続けており、農林業への新規参入者を確保して多面的・公益的機能を維持していく必要があります。
 個人及び一般法人の農業への新規参入を促進し、雇用・就業機会の確保をするため、経営規模の面積、経営主体の要件などの規制を緩和していただきますようお願いします。
 また、併せて、新規参入者に対して耕作放棄地などの農地の貸付を容易にするため、市町村による耕作放棄地の保有等を認めていただきますようお願いします。

 第6は、過疎対策基金の創設による、ソフト事業への積極的な支援でございます。
 これまでの過疎対策事業は、生活基盤整備などのハード事業が中心でありました。
 しかし、昨今の過疎対策においては、集落、地域住民の交通の確保などが大きな課題になっており、ソフト事業への対応が必要となっております。
 そこで、ソフト事業を支援する一つの手法として、市町村に過疎債を活用した「過疎対策基金」を創設し、移住交流施策、集落対策、人材の育成、更には、自治会やNPOなどの地域づくり活動への支援の財源の確保が図られるよう是非お願いしたいと思います。

 最後に、地方交付税の充実・強化と、過疎対策事業債の対象の拡大でございます。
 財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税に依存している過疎市町村は、引き続き厳しい財政運営を余儀なくされております。
 過疎地域における地域社会や地域住民の生活に必要なサービスを行うための財源を安定的に確保するため、地方交付税による財源保障機能の更なる強化をお願いいたします。
 過疎債につきましては、過疎地域にとって命綱というべき重要な財政支援策でありますし、離島法、半島法に指定された市町村の多くが過疎地域として過疎債を有効に活用し、その振興を図っております。過疎債制度を維持していただくよう強くお願いいたします。また、過疎地域におきましてはこの40年間に整備してきた道路、橋りょうなどの施設の修繕が必要になってきています。このような施設の維持・修繕を過疎債の対象にするなど、より活用しやすい制度への改正をお願いします。

 少し長くなりましたが、決起大会の決議に沿って、過疎連盟の要望を述べさせていただきました。過疎対策特別委員会の先生方の格別なる御理解・御協力をお願い申し上げる次第でございます。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 



(20.12.21 自由民主党過疎対策特別委員会における要望)

平成21年度過疎対策関係政府予算に関する要望

 島根県知事の溝口善兵衛でございます。よろしくお願い申し上げます。
 玉澤先生、谷先生はじめ過疎対策特別委員会の先生方には、日頃から過疎地域のために格別のご尽力を賜り、誠に有り難うございます。この場をお借りいたしまして、厚く御礼を申し上げます。
 さて、過疎対策につきましては、これまで4次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、一定の成果を上げてきたところでございますが、過疎地域の現状は一段と厳しさを増しております。
 島根県では、21市町村のうち19市町村が過疎市町村でございます。これらの地域では、少子・高齢化が進行し、地域社会の担い手であります若者が流出し、集落の維持が困難になるなど、地域活力が大幅に低下をしておるわけでございます。
 最近では、医師や看護師の不足が深刻化し、さらに住民の足であります路線バスの廃止により高齢者が交通弱者化するといったこと、それから、住民の安心・安全な暮らしがおびやかされるなど、いろいろな深刻な問題に直面しております。
 こうした中、現行過疎法が、御承知のとおり、平成22年3月末をもって失効するわけでございます。過疎地域の振興を図り、そこに暮らす人々の生活を支えていくためには、引き続き総合的な過疎対策を充実強化していくことが必要であります。過疎新法の制定につきまして、この特別委員会の皆様方にはご支援を賜っているわけでございますが、さらに来年にかけまして正念場でございますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 さて、平成21年度の政府予算の内示がございました。
 「生活防衛のための緊急対策」で地方交付税が1兆円増額され、そしてまた、道路財源の扱いに関連いたしまして「地域活力基盤創造交付金」約1兆円が創設されました。
 地方として感謝申し上げるところでございます。
 一昨日、全国知事会もございましたが、こうした動きを高く評価しているところでございまして、自民党の先生方のご努力に、改めまして深く感謝を申し上げるところでございます。
 こうした中で、過疎市町村は財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税に依存しておりますので、地方交付税及び交付金の配分にあたりましては、過疎市町村への特段の配慮をお願いする次第でございます。
 過疎市町村にとりましては特に重要な財源であります過疎対策事業債につきまして、投資的経費が抑制されている中で、格別の御配慮を賜っていることに関しましても、深く感謝を申し上げる次第でございます。
 医師・看護師等確保対策の推進、森林管理等国土保全施策の充実強化、高規格幹線道路等の道路網の整備促進、情報通信基盤の整備促進などの施策につきましても積極的にご支援いただいておりますけれども、さらにご支援をお願いする次第であります。
 また、自由民主党の税制改正大綱におきまして、過疎地域における製造業、ソフトウェア業及び旅館業に係る減価償却の適用期間の延長が認められました。これにつきましては、玉澤先生をはじめ委員の先生方の御尽力でございまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 最後になりますが、私ども過疎連盟会員一同、今後とも、過疎地域の自立・活性化の促進、安全・安心な国土づくりについて重要な役割を担うべく、努力を続けてまいる所存でございます。委員の先生方におかれましては、私どもの要望を御理解いただき、格段の御尽力を賜りますようお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
 よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

 




(20.11.25 総会決定)

新たな過疎対策法の制定に関する決議

 過疎対策については、4次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げたところである。
 しかしながら、人口減少と少子・高齢化が急速に進んでいる過疎地域は、病院の休廃止や診療科目の制限、路線バスの廃止、耕作放棄地の増加、森林の荒廃など生活・生産基盤の弱体化や国土の荒廃が進み、また多くの集落が消滅の危機に晒されるなど、極めて深刻な状況に直面している。
 過疎地域は、豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域である。また、都市に対して、食料・水資源・エネルギーを供給し、自然環境の保全といやしの場を提供するとともに、森林による地球温暖化の防止に貢献するなど多面的・公益的機能を担っている。
 過疎地域は、国民共通の財産であり、国民の心のより所となる美しい国土と豊かな環境を、未来の世代に引き継ぐ努力をしている地域である。
これからの国土づくりにおいては、過疎地域が果たしている役割を正しく評価し、そこに暮らす人々の生活を支えていくことが重要である。
過疎地域が、そこに住み続ける住民にとって安心・安全に暮らせる地域として健全に維持されていくことが、多面的・公益的機能の維持につながり、都市も含めた国民全体の安心・安全な生活に寄与するものであることから、国は、引き続き過疎地域に対して総合的かつ積極的な支援を行うべきである。
我々は、過疎地域が安心・安全に暮らせる地域として再生されることによって、都市と過疎地域が相互に支え合う新しい「持続可能な共生社会」の形成の展望が開かれるものと確信するものである。
よってここに、平成22年3月をもって失効する「過疎地域自立促進特別措置法」の後の、新たな過疎対策法の制定を強く求めるものである。
なお、新たな過疎対策法においては、下記事項について特段の配慮を強く要請するものであり、我々は総力を結集して運動を展開し、その実現を期するものである。


 過疎地域が果たしている役割を正しく評価し、新しい過疎対策の理念を確立すること

 過疎地域の特性を的確に反映する指定要件と指定単位を設定し、現行過疎地域を指定対象とすること

 医療の確保、交通の確保、雇用の確保、教育環境の整備等を、広域的な事業による対応も含めて積極的に推進し安心・安全に暮らせるための生活基盤を確立すること

 産業活動の活性化に必要な高度情報通信基盤、高規格幹線道路等の道路網の整備を図るとともに、企業経営に対する税制等の優遇措置を強化すること

 森林の管理、農地の活用、地域資源の活用等過疎地域の環境と特性を活かした産業振興を支援し、新たな雇用を創出すること

 過疎市町村に過疎対策基金を創設し、集落対策、都市との交流、人材の育成、多様な主体の協働による地域づくり等のソフト事業を積極的に支援すること

 地方交付税の充実・強化により過疎市町村の財政基盤を確立するとともに、過疎対策事業債の対象を拡大すること




(20. 11. 25 総会決定)

平成21年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議



1 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を図ること

2 過疎対策事業債の所要額を確保すること

3 医師・看護師等の確保対策を推進すること

4 森林の管理等の国土保全施策の充実強化を図ること

5 高規格幹線道路等道路網の整備を促進すること

6 情報通信基盤の整備を促進すること




平成21年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

目   次

1 地方交付税による財政基盤の充実強化及び
  過疎対策事業債の確保
2 国の国土保全施策の充実強化
3 医師等の確保対策の推進
4 高規格幹線道路等道路網の整備促進
5 過疎対策諸施策の充実強化

 

1 地方交付税による財政基盤の充実強化及び過疎対策事業債の確保

 我が国は、経済効率に勝る大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流を通じて、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるためには、それぞれの地域が多様性と個性を持って発展することが必要である。
 「骨太方針2008」では、地方再生の具体的手段として、地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源の総額を確保すること、地方交付税を財政の厳しい地域に重点的に配分することなどが明示されたところであるが、税源に乏しい過疎市町村は引き続き厳しい財政運営を余儀なくされており、過疎地域の住民がその生活と文化に誇りを持って生きていけるよう、地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を図り、過疎市町村の財政基盤の充実強化が図られるよう強く要望するものである。

(1)財源保障・財源調整機能の充実強化

@  過疎地域における地域社会や地域住民の生活に必要なサービスを行うための財源を安定的に確保するため、過疎市町村に対する地方交付税による必要な財源保障を行い、その財政基盤の充実強化を図ること。

A  道路特定財源の一般財源化の検討に当たっては、過疎地域の財政に影響を及ぼさないように措置すること。


(2)過疎対策事業債の確保

  活力が低下している過疎地域において、住民に最も身近な市町村が主体となって、地域の自立・活性化のための取組が展開できるよう、特に重要な財源となっている過疎対策事業債について、必要額の確保とともに柔軟な適用を図ること。



2 国の国土保全施策の充実強化


 過疎地域の農山漁村は、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、地球温暖化の防止等の多面的・公益的機能を発揮している。しかし、近年、過疎地域においては、引き続く若年者の流出、高齢化の更なる進行等により、農林業が衰退し、国土の維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的・公益的機能が衰え弱体化して、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 過疎地域の多面的・公益的機能を向上させ、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 国民生活や国民経済の安定した成熟社会にふさわしい国土の形成を図るためには、過疎地域が国土保全に果たす役割の重要性について国民共通の価値観を創出し、都市と農山漁村が相互に補完・共生する関係を構築していくことが必要である。
 このため、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の管理等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。 
 また、政府が地球温暖化対策の財源として検討を進める環境税を導入する場合には、その一部を地方譲与税とし、二酸化炭素の吸収源である森林の管理等を推進するための財源とすること。

(2)  森林や農地の適正な管理の推進、農山漁村の未利用資源の活用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること。

(3)  UJIターン者など意欲ある若者等を対象とし、技術高度化研修を含む「緑の雇用担い手対策事業」等を活用し、森林整備の担い手の育成・就業を図り、地域への定住を促進すること。

 


3 医師等の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等においては、医師や看護師等の医療従事者の不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、過疎地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、臨床研修義務化等制度の変更により、小児科、産科等の特定診療科における医師不足も、地域の中核病院を中心に深刻なものとなっている。              
昨年5月には「緊急医師確保対策について」が、また、本年6月には、医師養成数を増加させることなどが明記された「安心と希望の医療確保ビジョン」が示され、国としての動きが具体化してきたところであるが、国におかれては、今後とも、次の医師等の確保対策を早急に推進され、地域医療に対する支援の充実を図るよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域の医師不足を解消するため、医学部の入学定員を増員し、医師の養成・確保を図ること。

(2)  医師不足地域の医師確保対策を支援する全国的なシステムを更に充実させること。

(3)  医学部の地域枠の拡大及び将来地域医療に従事する意志を有する者を対象とした入学枠の設定を推進すること。

(4)  臨床研修については、過疎地域での医療について理解を深めるため、地域保健・医療の研修の中で、医師不足地域における病院での研修が積極的に行われるようにすること。

(5)  医学部教育における地域医療に関する教育の充実など、へき地勤務等の地域医療を志向する医療従事者の養成に努めること。

 

4 高規格幹線道路等道路網の整備促進

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として
自立促進を図っていくためには、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の維持・整備が不可欠の課題である。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、次の事項の実現について強く要望するものである。

(1)  高規格幹線道路網の整備は、整備計画区間においては、事業の促進・早期着手を図り、整備計画区間以外においても早期に整備方針を決定する等、国の責任において着実に促進すること。

(2)  過疎地域と中心都市を結ぶ国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の整備促進を図ること。

(3)  過疎地域等の道路整備については、過疎地域等の道路整備状況を勘案して、道路整備のための必要な財源を確保すること。



5 過疎対策諸施策の充実強化


(1)産業の振興

 過疎地域における次の課税特例措置及び減収補てん措置については、平成21年度以降においても継続すること。

@  製造業・ソフトウェア業・旅館業の用に供する設備を新増設した者の当該償却資産の特別償却(過疎地域自立促進特別措置法第30条関係)

A  製造業・ソフトウェア業・旅館業の用に供する設備を新増設した者又は畜産業・水産業を行う個人に対する地方税の課税免除又は不均一課税に伴う減収補てん措置(過疎地域自立促進特別措置法第31条関係)

(2)情報インフラの整備

@  過疎地域において携帯電話不感地域等を解消し高度情報通信ネットワーク社会の形成を図るため、FTTH、ケーブルテレビ等のブロードバンド・アクセス環境の整備及び移動通信用鉄塔施設等の情報通信基盤の整備に対する助成措置を拡充強化し、情報通信格差の是正を積極的に図ること。

A  地上デジタルテレビ放送については、平成23年には完全移行する計画であるが、地上デジタルテレビ放送への移行においては、新たに視聴できない地域が発生することのないよう、また地方に新たな負担が生じないよう国において適切な対策を講じること。

(3)生活交通の確保

@  過疎地域における住民の生活交通の確保を図るため、路線バスの維持、行政やNPOによるバスやタクシーなどの運行、車両購入等による生活交通の確保や第三セクター鉄道等に対する助成措置を拡充強化するとともに、廃止された路線の代替交通事業を行うにあたっての規制等を緩和すること。

A  離島航路の維持改善を図るため、離島航路補助制度を拡充強化し、増便や大型化・高速化を促進するとともに、不採算の離島生活航路の存続について特別の配慮をすること。
 また、離島空路については、離島空路補助制度を拡充強化するとともに、離島空路の整備等離島空路に関する施策を積極的に推進すること。

(4)へき地教育の充実

 スクールバス・ボートの購入・運営、遠距離通学費、寄宿舎居住費等のへき地児童生徒援助費補助制度を充実するなど、へき地教育の充実を図ること。

(5)集落対策と交流居住の推進

 維持継続が困難な状況にある集落に対する市町村の集落対策の取組に対して積極的に支援措置を講ずること。
また、交流居住を求める国民の新たなライフスタイルに対応した地域の活性化を図るため、廃校や空き家等の活用などの交流居住条件の整備を支援すること。

(6)経済対策の強化

 最近の世界的な金融危機とこれに伴う経済不況は、輸出の減少、受注の減少等を通じて過疎地域にも経済的に大きな影響を及ぼしていることに鑑み、断固たる経済対策を実施するとともに、経済的に脆弱な過疎地域に対して格段の配慮をすること。

 




(20. 10.20)

     平成21年度 税制改正に関する要望

過疎地域における製造業、ソフトウェア業及び旅館業
に係る特別償却の適用期間の延長

根拠法 過疎地域自立促進特別措置法第30条
租税特別措置法第12条及び第45条

 過疎地域において、個人又は法人が製造業、ソフトウェア業及び旅館業の用に供する設備を新増設した場合において、当該新増設にかかる機械・装置、建物・その他附属設備についての特別償却の適用期間を1年間延長すること。


(要望理由)
 過疎地域においては、地域資源や情報化等を活用して総合的な産業の振興等を図ることにより、地域の活性化、自立促進のための積極的な取組みがなされているところであります。
 しかしながら、過疎地域では依然として高齢化の進行、若年者の流出がみられるところであり、課税特例措置を継続することにより、引き続き過疎地域内に企業を誘致し、所得水準の向上と雇用の増大を図るとともに、地域資源の活用による総合的な産業振興による地域の活性化さらには地域の自立促進を図ることが必要であります。
 また、自然に恵まれた生活空間の中での就業機会を拡大することにより、UJIターン等を通じて都市住民を含め国民一般にとっても多様な居住を選択することができる豊かな社会の実現にも資するものであります。

 

新たな過疎対策法の制定に関する要望

 過疎対策については、昭和45年の「過疎地域対策緊急措置法」制定以来、3次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げたところであります。
 しかしながら、人口減少と高齢化は特に過疎地域において顕著であり、路線バスなど公共交通機関の廃止、医師及び看護師等の不足、耕作放棄地の増加、森林の荒廃など生活・生産基盤の弱体化が進むなかで、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、過疎地域は極めて深刻な状況に直面しております。
 過疎地域は、我が国の豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域であり、また、都市に対して、食糧の供給・水資源の供給、自然環境の保全といやしの場を提供するとともに、森林による地球温暖化の防止に貢献するなどの多面的・公益的機能を担っております。
 過疎地域は、国民共通の財産であり、国民の心のより所となる美しい国土と豊かな環境を未来の世代に引き継ぐ努力をしている地域であります。
現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は平成22年3月末をもって失効することとなりますが、過疎地域が果たしている多面的・公益的機能を今後も維持していくためには、引き続き、過疎地域の振興を図り、そこに暮らす人々の生活を支えていくことが重要であります。
 過疎地域が、そこに住み続ける住民にとって安心・安全に暮らせる地域として健全に維持されることは、同時に、都市をも含めた国民全体の安心・安全な生活に寄与するものであることから、引き続き総合的な過疎対策を充実強化することが必要であります。
よって、新たな過疎対策法の制定を強く要望するものであります。

 

平成21年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

 我が国は、経済効率に勝る大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流循環を取り戻して、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきであります。成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるためには、それぞれの地域が多様性と個性を持って発展することが必要です。
 「骨太方針2008」では、地域再生の具体的手段として、地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源の総額を確保すること、地方交付税を財政の厳しい地域に重点的に配分することなどが明示されましたが、税源に乏しい過疎市町村は引き続き厳しい財政運営を余儀なくされております。
 平成21年度の政府予算・施策につきまして、過疎地域の住民がその生活と文化に誇りを持って生きていけるよう、特に次の事項の実現について強く要望するものであります。

 過疎地域が、安全・安心に暮らせる地域として健全に維持されるために必要な財源が確保されるよう、財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税に依存している過疎市町村に対する地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を図ること。
 また、道路特定財源の一般財源化の検討にあたっては、過疎地域の財政に影響を及ぼさないように措置すること。

 活力が低下している過疎地域において、住民に最も身近な市町村が主体となって、地域の自立・活性化のための取組が展開できるよう、特に重要な財源となっている過疎対策事業債について、必要額の確保とともに柔軟な適用を図ること。

 製造業・ソフトウェア業・旅館業の用に供する設備を新増設した者又は畜産業・水産業を行う個人に対する地方税の課税免除又は不均一課税に伴う減収補てん措置を1年間延長すること。(過疎地域自立促進特別措置法第31条関係)

 本年6月に示された「安心と希望の医療確保ビジョン」の早期実現等を図り、過疎地域の医療を確保すること。

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立促進を図っていくため、高規格幹線道路等の道路網の整備促進及びブロードバンド・アクセス環境の整備等を図ること。

 森林の管理等の国土保全施策の充実強化、過疎地域における住民の生活交通の確保、へき地教育の充実、集落対策の推進、原油等の高騰対策などの過疎対策の諸施策について積極的に推進すること。




(20.8.28 自由民主党過疎対策特別委員会における要望)

平成21年度過疎対策関係政府予算概算要求に関する要望

 全国過疎地域自立促進連盟理事の 秋田県東成瀬村長 佐々木 哲男でございます。
 全国過疎地域自立促進連盟を代表して平成21年度政府予算概算要求に対する要望を申し上げます。
 山口俊一先生をはじめ過疎対策特別委員会の皆様方には、日頃から過疎地域のために格別のご尽力をいただき有り難うございます。この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。
また、本年はお忙しい中、全国各地で過疎市町村長、あるいは地域住民との懇談会を開いていただき、現場の声を直接お聞きいただいておりますことに深く感謝申し上げる次第であります。

 さて、過疎対策につきましては、昭和45年の「過疎地域対策緊急措置法」以来、3次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、一定の成果を上げてきたところではございますが、過疎地域の現状は一段と厳しさを増しております。地域住民の足ともいうべき路線バス等公共交通機関の廃止が相次ぎ、また、医師及び看護師等の不在による病院の閉鎖や診療科目の削減、高齢化や後継者不足による耕作放棄地の増加、森林の荒廃など過疎地域の生活・生産基盤の弱体化が大きく進んでおります。また多くの集落が住民の高齢化により消滅の危機に瀕するなど、従前にも増して深刻な状況に直面しております。
 御承知のように過疎地域は、豊かな自然と文化を有する我が国のふるさとともいうべき地域であります。都市に対して、食料を供給し、水を供給し、いやしの場を提供するとともに、自然環境を保全し、森林を育成・管理することによって地球温暖化の防止に貢献するなど、多面的・公益的機能を果たしている地域であり、国民共通の財産として誇るべき地域であります。
 過疎地域が果たしているこのような多面的・公益的機能を今後とも維持していくためには、引き続き過疎地域の振興を図り、そこに暮らす人々の生活を支えていく必要があります。
 過疎地域に人々が住み続けることが重要なのであり、過疎地域が安心・安全に暮らせる地域として健全に維持されることが、都市をも含めた国民全体の安心・安全な生活に寄与するものと確信いたしております。
 現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は平成22年3月末をもって失効いたしますが、引き続き総合的な過疎対策を充実強化していただく必要があり、過疎新法の制定につきまして、この場をお借りいたしまして、強く要望する次第であります。

 さて、平成21年度の政府予算の編成につきまして、いくつかご要望をさせていただきます。まず第一に地方交付税による財政基盤の充実強化をお願いいたします。
 「骨太方針2008」では、地方再生の具体的手段として、地方団体の安定的な財政運営に必要となる地方税、地方交付税等の一般財源の総額を確保すること、地方交付税を財政の厳しい地域に重点的に配分することなどが明示されたところであります。
 先ほども申し上げましたとおり、過疎地域は、極めて深刻な状況となっています。
過疎地域が、安全・安心に暮らせる地域として健全に維持されるために必要な財源が確保されるよう、財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税に依存している過疎市町村に対する地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を強くお願いする次第であります。
 また、過疎市町村にとって特に重要な財源であります過疎対策事業債につきまして、所要額の確保とともに柔軟な適用について格別の御配慮をお願いいたします。
なお、道路特定財源につきましては、平成21年度から一般財源化されることが閣議決定されておりますが、この検討にあたっては、過疎市町村の財政に影響を及ぼさないよう措置されることを強く要望いたします。
 
 次に、過疎地域における医療の確保であります。
 医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力の増進にとって重要課題であります。
委員の皆様方のお力添えもあり、本年6月、厚労省より医師養成数を増加させることなどが明記された「安心と希望の医療確保ビジョン」が示されたところですが、今後とも、地方医療の実情を御理解の上、ビジョンの早期実現等を図るなど過疎地域の医療の確保について特段の御配慮をいただきますようお願い申し上げます。

 第三は、道路交通網等社会的インフラの整備であります。
 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立促進を図っていくためには、若者の定住や企業の経済活動の基盤となる、高速道路等の交通基盤及び携帯電話やパソコンの利用に必要な情報基盤等の社会的インフラを整備していくことが不可欠であります。従って、特に高規格幹線道路網の整備促進及びブロードバンド・アクセス環境の整備等について強く要望する次第であります。

 第四は、本年度で期限切れとなる過疎地域における製造業等の減価償却の特例措置及び減収補てん措置の継続につきまして、格別の御配慮をお願いいたします。

 最後に、森林の管理等の国土保全施策の充実強化、過疎地域における住民の生活交通の確保、へき地教育の充実、集落対策の推進、原油高騰対策などの過疎対策の諸施策につきましても積極的に推進していただくよう強く要望する次第であります。

 以上、平成21年度政府予算概算要求に対する要望を申し上げましたが、私ども過疎地域の市町村は、今後とも、過疎地域の自立・活性化を促進し、美しく豊かで、安全・安心な国土づくりについて重要な役割を担うべく、渾身の努力を続けてまいる所存でありますので、委員の皆様方におかれましては、私ども過疎地域の要望を御理解いただき、新法制定及び平成21年度の予算要望の実現につきまして、格段の御尽力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。

以上、宜しくお願いいたします。

 




(20. 6.16 理事会決定)

新たな過疎対策法の制定に関する要望

 過疎対策については、昭和45年の「過疎地域対策緊急措置法」制定以来、3次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げたところである。
 しかしながら、人口減少と高齢化は特に過疎地域において顕著であり、路線バスなど公共交通機関の廃止、医師及び看護師等の不足、耕作放棄地の増加、森林の荒廃など生活・生産基盤の弱体化が進むなかで、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、過疎地域は極めて深刻な状況に直面している。
 過疎地域は、我が国の豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域であり、また、都市に対して、食糧の供給・水資源の供給、自然環境の保全といやしの場を提供するとともに、森林による地球温暖化の防止に貢献するなどの多面的・公共的機能を担っている。
 過疎地域は、国民共通の財産であり、国民の心のより所となる美しい国土と豊かな環境を未来の世代に引き継ぐ努力をしている地域である。
 現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は平成22年3月末をもって失効することとなるが、過疎地域が果たしている多面的・公共的機能を今後も維持していくためには、引き続き、過疎地域の振興を図り、そこに暮らす人々の生活を支えていくことが重要である。
 過疎地域が、そこに住み続ける住民にとって安心・安全に暮らせる地域として健全に維持されることは、同時に、都市をも含めた国民全体の安心・安全な生活に寄与するものであることから、引き続き総合的な過疎対策を充実強化することが必要である。
 よって、新たな過疎対策法の制定を強く要望するものである。






(20. 6. 16 理事会決定)


平成21年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

目   次

1 地方交付税による財政基盤の充実強化及び
  過疎対策事業債の確保
2 国の国土保全施策の充実強化
3 医師等の確保対策の推進
4 高規格幹線道路網の整備促進
5 過疎対策諸施策の充実強化


1 地方交付税による財政基盤の充実強化及び過疎対策事業債の確保

 我が国は、経済効率に勝る大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流循環を取り戻して、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるためには、それぞれの地域が多様性と個性を持って発展することが必要である。
 平成20年度の地方財政対策においては、地方交付税の特別枠として「地方再生対策費」が創設され、平成19年度を上回る一般財源総額が確保され、特に財政状況の厳しい市町村に対し重点的に配分されたことは評価するところであるが、税源に乏しい過疎市町村は引き続き厳しい財政運営を余儀なくされている。
過疎地域の住民がその生活と文化に誇りを持って生きていけるよう、地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を図り、過疎市町村の財政基盤の充実強化が図られるよう強く要望するものである。

(1)財源保障・財源調整機能の充実強化

@  過疎地域における地域社会や地域住民の生活に必要なサービスを行うための財源を安定的に確保するため、過疎市町村に対する地方交付税による必要な財源保障を行い、その財政基盤の充実強化を図ること。

A  道路特定財源の一般財源化の検討に当たっては、過疎地域の財政に影響を及ぼさないように措置すること。


(2)過疎対策事業債の確保

 活力が低下している過疎地域において、住民に最も身近な市町村が主体となって、地域の自立・活性化のための取組が展開できるよう、特に重要な財源となっている過疎対策事業債について、必要額の確保とともに柔軟な適用を図ること。


2 国の国土保全施策の充実強化

 過疎地域の農山漁村は、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮している。しかし、近年、過疎地域においては、引き続く若年者の流出、高齢化の更なる進行等により、農林業が衰退し、国土の維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化して、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 過疎地域の多面的機能を向上させ、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 国民生活や国民経済の安定した成熟社会にふさわしい国土の形成を図るためには、過疎地域が国土保全に果たす役割の重要性について国民共通の価値観を創出し、都市と農山漁村が相互に補完・共生する関係を構築していくことが必要である。
 このため、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の管理等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。 
 また、政府が地球温暖化対策の財源として検討を進める環境税を導入する場合には、その一部を地方譲与税とし、二酸化炭素の吸収源である森林の管理等を推進するための財源とすること。

(2)  森林や農地の適正な管理の推進、農山漁村の未利用資源の活用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること

(3)  UJIターン者など意欲ある若者等を対象とし、技術高度化研修を含む「緑の雇用担い手対策事業」等を活用し、森林整備の担い手の育成・就業を図り、地域への定住を促進すること。

(4)  現在策定が進められている「国土形成計画」において、過疎地域の存在意義と総合的な過疎対策の必要性を明確に位置付け、国において総合的な施策を推進すること。


3 医師等の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等においては、医師や看護師等の医療従事者の不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、過疎地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、臨床研修義務化等制度の変更により、小児科、産科等の特定診療科における医師不足も、地域の中核病院を中心に深刻なものとなっている。              
 平成19年5月には「緊急医師確保対策について」が決定され、国としての動きが具体化してきたところであるが、国におかれては、今後とも、次の医師等の確保対策を早急に推進され、地域医療に対する支援の充実を図るよう強く要望するものである 。

(1)  過疎地域の医師不足を解消するため、医学部の入学定員を増員し、医師の養成・確保を図ること。

(2)  医師不足地域の医師確保対策を支援する全国的なシステムを更に充実させること。

(3)  医学部の地域枠の拡大及び将来地域医療に従事する意志を有する者を対象とした入学枠の設定を推進すること。

(4)  臨床研修については、過疎地域での医療について理解を深めるため、地域保健・医療の研修の中で、医師不足地域における病院での研修が積極的に行われるようにすること。

(5)  医学部教育における地域医療に関する教育の充実など、へき地勤務等の地域医療を志向する医療従事者の養成に努めること。


4 高規格幹線道路網の整備促進等

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立促進を図っていくためには、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の維持・整備が不可欠の課題である。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、次の事項の実現について強く要望するものである。

(1)  高規格幹線道路網の整備は、整備計画区間においては、事業の促進・早期着手を図り、整備計画区間以外においても早期に整備方針を決定する等、国の責任において着実に促進すること。

(2)  過疎地域と中心都市を結ぶ国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の整備促進を図ること。

(3)  過疎地域等の道路整備については、過疎地域等の道路整備状況を勘案して、道路整備のための必要な財源を確保すること。

 

5 過疎対策諸施策の充実強化

(1)産業の振興
 過疎地域における次の課税特例措置及び減収補てん措置については、平成21年度以降においても継続すること。

@  製造業・ソフトウェア業・旅館業の用に供する設備を新増設した者の当該償却資産の特別償却(過疎地域自立促進特別措置法第30条関係)

A  製造業・ソフトウェア業・旅館業の用に供する設備を新増設した者又は畜産業・水産業を行う個人に対する地方税の課税免除又は不均一課税に伴う減収補てん措置(過疎地域自立促進特別措置法第31条関係)

(2)情報通信インフラの整備

@  過疎地域において携帯電話不感地域等を解消し高度情報通信ネットワーク社会の形成を図るため、FTTH、ケーブルテレビ等のブロードバンド・アクセス環境の整備及び移動通信用鉄塔施設等の情報通信基盤の整備に対する助成措置を拡充強化し、情報通信格差の是正を積極的に図ること。

A  地上デジタルテレビ放送については、平成23年には完全移行する計画であるが、地上デジタルテレビ放送への移行においては、新たに視聴できない地域が発生することのないよう、また地方に新たな負担が生じないよう国において適切な対策を講じること。

(3)生活交通の確保

@  過疎地域における住民の生活交通の確保を図るため、路線バスの維持、行政やNPOによるバスやタクシーなどの運行、車両購入等による生活交通の確保や第三セクター鉄道等に対する助成措置を拡充強化するとともに、廃止された路線の代替交通事業を行うにあたっての規制等を緩和すること。

A  離島航路の維持改善を図るため、離島航路補助制度を拡充強化し、増便や大型化・高速化を促進するとともに、不採算の離島生活航路の存続について特別の配慮をすること。
 また、離島空路については、離島空路補助制度を拡充強化するとともに、離島空路の整備等離島空路に関する施策を積極的に推進すること。

(4)へき地教育の充実

 スクールバス・ボートの購入・運営、遠距離通学費、寄宿舎
居住費等のへき地児童生徒援助費補助制度を充実するなど、へき地教育の充実を図ること。

(5)集落対策と交流居住の推進

 維持継続が困難な状況にある集落に対する市町村の集落対策の取組に対して積極的に支援措置を講ずること。
また、交流居住を求める国民の新たなライフスタイルに対応した地域の活性化を図るため、廃校や空き家等の活用などの交流居住条件の整備を支援すること。

(6)原油高騰対策

 最近における原油等の高騰が、過疎地域の脆弱な住民生活及び経済基盤に大きな打撃を与えていることに鑑み、住民生活の維持の観点から特別の配慮をすること。


要望活動については、
 「過疎地域をめぐる動き」ページ中
 20.6.16 平成21年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

 




(20.2.6 理事会決定)

過疎対策関係政府施策に関する要望

目   次

1 新たな過疎対策法の制定
2 地方交付税による財政基盤の充実強化
3 道路特定財源の確保
4 国土形成計画における過疎地域の位置付け

 

1 新たな過疎対策法の制定

 過疎対策については、昭和45年に「過疎地域対策緊急措置法」が制定されて以来、3次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げたところである。
 しかしながら、全国的な人口減少と高齢化は特に過疎地域において顕著であり、路線バスなどの公共交通機関の廃止、医師及び看護師の不在、耕作放棄地の増加、森林の荒廃など生活・生産基盤の弱体化が進むなかで、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、過疎地域の問題は極めて深刻な状況に直面している。
 過疎地域は、我が国の豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域であり、また、都市に対して、食糧の供給、水資源の供給、自然環境の保全といやしの場を提供するとともに、森林による地球温暖化の防止に貢献するなどの多面的な機能を担っている。
 過疎地域は、国民共通の財産であり、国民の心のより所となる美しい国土と豊かな環境を未来の世代に引き継ぐ努力をしている地域である。
 現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は、平成22年3月末をもって失効することとなるが、引き続き総合的な過疎対策を充実強化し、過疎地域の振興が図られるよう新たな過疎対策法の制定を強く要望するものである。


2 地方交付税による財政基盤の充実強化

 我が国は、経済効率に勝る大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流循環を取り戻して、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるためには、それぞれの地域が多様性と個性を持って発展することが必要である。
 平成20年度の地方財政対策においては、地方交付税の特別枠として「地方再生対策費」が創設され、昨年度を上回る一般財源総額が確保されたところであるが、税源に乏しい過疎市町村は引き続き厳しい財政運営を余儀なくされている。
 過疎地域の住民がその生活と文化に誇りを持って生きていけるよう、地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を図り、過疎市町村の財政基盤の充実強化が図られるよう強く要望するものである。

 過疎地域における地域社会や地域住民の生活に必要なサービスを行うための財源を安定的に確保するため、過疎市町村に対する地方交付税による必要な財源保障を行い、その財政基盤の充実強化を図ること。

3 道路特定財源の確保

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立促進を図っていくためには、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の維持・整備が不可欠の課題である。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路等の道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、道路特定財源については、過疎地域等の道路整備状況を勘案して、道路整備のために必要な財源として確保し、地方公共団体への配分割合を高める等、地方公共団体における道路整備財源を充実強化することを強く要望するものである。

4 国土形成計画における過疎地域の位置付け

 過疎地域の農山漁村は、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮している。しかし、近年、過疎地域においては、引き続く若年者の流出、高齢化の更なる進行等により、農林業が衰退し、国土の維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化して、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 過疎地域の多面的機能を向上させ、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 国民生活や国民経済の安定した成熟社会にふさわしい国土の形成を図るためには、過疎地域が国土保全に果たす役割の重要性について国民共通の価値観を創出し、都市と農山漁村が相互に補完・共生する関係を構築していくことが必要である。
 現在策定が進められている「国土形成計画」において、過疎地域の存在意義と総合的な過疎対策の必要性を明確に位置付け、国において総合的な施策を推進されることを強く要望するものである。

 




(19. 12.21 自由民主党過疎対策特別委員会における要望)

平成20年度過疎対策関係政府予算に関する要望

 全国過疎地域自立促進連盟副会長をしております島根県議会議長の福田正明でございます。
 山口俊一先生をはじめ各先生方には、日頃から過疎地域のために格別の御尽力を賜り有り難うございます。この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 過疎という言葉は、昭和42〜3年頃に島根県で生まれた言葉でございます。
 そこで、島根県が提唱いたしまして、過疎法の制定に努力したという経緯がございます。以来37年間にわたって過疎法を適用していただいて、私どももずいぶんその恩恵を受けて参りました。
 しかし、社会あるいは経済構造の変化によって、都市と地域、特に過疎地域との格差が更に拡大をしているという厳しい状況でございまして、いわゆる限界集落という言葉に表されるように過疎地域が危機的な状況に陥っているということでございます。また、地方交付税の大幅な削減によりまして、過疎市町村の財政は深刻な状況に陥っており、過疎対策の推進ということにも影響が出ております。
 こうした中、先ほど山口先生からごあいさつがございましたが、平成22年3月に現行の過疎法が失効するということになっております。私どもの過疎地域を守り抜いていくためにも、引き続いて総合的な過疎対策を実施していただきたいということでございます。新たな過疎の新法、ポスト過疎法と言っていいかもしれません。わたしどもも独自でハードばかりではなく、ソフト事業も含めて検討して参っております。提言も発表していこうと思っておりますので、新たな法律の制定につきまして、強く要望を申し上げる次第でございます。
 さて、平成20年度の政府予算の編成にあたり自由民主党においては「地域活性化緊急対策」を取りまとめられましたが、山口先生をはじめ各先生方の御尽力で過疎地域の振興に御配慮いただきましたことにつきまして、まずは厚く御礼を申し上げます。
 平成20年度の政府予算につきましては、過疎連盟といたしましては、復活要求される過疎対策関係予算につきまして、すべて満額確保を要望いたすものでありますが、この機会をお借りしまして、過疎対策関係の重要施策につきまして特に御配慮をお願いする次第であります。
 まず、平成20年度の地方税財源の充実確保につきましては、地方交付税が5年ぶりに増額確保されたこと、特別枠として地方再生対策費が創設され、大変感謝をしておりますが、地方交付税の具体的な配分につきましては、財政力の弱い団体、特に過疎地域でございますので、特段のご配慮をいただいて対策が講じられるように、お願いを申し上げたいと思っております。
 また、過疎対策事業債につきましては、投資的経費が抑制されている中、格別の御配慮を賜っておりますことに、深く感謝を申し上げる次第であります。
 また、過疎連盟がかねてから強く要望しております、森林の管理等の国土保全施策、医師及び看護師の確保対策、高規格幹線道路等の道路網の整備、情報通信インフラの整備、有害鳥獣対策を強力に推進されるよう要望する次第であります。
 最後になりましたが、私ども過疎連盟といたしましては、過疎地域の存在意義ということについて、国民が認識できるような活動を一致結束して働きかけて参る所存でございますので、先生方におかれましては、一層のご尽力を賜りますようにお願い申し上げて要望に代えさせていただきます。
お世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。




(19. 11. 29 総会決定)

平成20年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議・要望

要望活動については
「過疎地域をめぐる動き」ページ中
19.11.29 総会において平成20年度の政府予算・施策に関する決議・要望を採択、要望活動を実施



平成20年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議

1 現行過疎法の失効に伴う新たな法律を制定すること

2 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を図ること

3 過疎対策事業債の所要額を確保すること

4 森林の管理等の国土保全施策の充実強化を図ること

5 医師の確保対策を推進すること

6 高規格幹線道路等道路網の整備を促進すること




平成20年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

目   次

1 現行過疎法の失効に伴う新たな法律の制定
2 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化及び
   過疎対策事業債の確保
3 国の国土保全施策の充実強化
4 医師の確保対策の推進
5 高規格幹線道路等道路網の整備促進
6 過疎対策諸施策の充実強化

 

1 現行過疎法の失効に伴う新たな法律の制定

 過疎対策については、昭和45年に「過疎地域対策緊急措置法」が制定されて以来、3次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げたところである。
しかしながら、全国的な人口減少と高齢化は特に過疎地域において顕著であり、路線バスなどの公共交通機関の廃止、医師不在、耕作放棄地の増加、森林の荒廃など生活・生産基盤の弱体化が進むなかで、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、過疎地域の問題は極めて深刻な状況に直面している。
 過疎地域は、我が国の豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域であり、また、都市に対して、食糧の供給、水資源の供給、自然環境の保全といやしの場を提供するとともに、森林による地球温暖化の防止に貢献するなどの多面的な機能をになっている。
過疎地域は国民共通の財産であり、国民の心のより所となる美しい国土と豊かな環境を未来の世代に引き継ぐ努力をしている地域である。
 現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は、平成22年3月末をもって失効することになるが、引き続き総合的な過疎対策を充実強化し、過疎地域の振興が図られるよう新たな法律の制定を強く要望する。



2 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化及び過疎対策事業債の確保


 我が国は、今、東京への一極集中と地域格差の拡大に象徴されるように地方都市の衰退や農山漁村荒廃が進んでいるが、なかでも人口減少と急激な高齢化に見舞われている過疎地域の問題は極めて深刻な状況となっている。経済効率に勝る大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流循環を取り戻して、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国造りを目指すべきである。
 成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性を持って発展し、過疎地域の住民がその生活と文化に誇りを持って生きていけるよう、財政基盤が弱く財源の多くを地方交付税に依存している過疎地域に対する地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化について強く要望するものである。

(1)財源保障・財源調整機能の充実強化

@  過疎地域における地域社会や地域住民の生活に必要なサービスを行うための財源を安定的に確保するため、過疎地域に対する地方交付税の特別枠の創設等によって地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、その充実強化を図ること。

A  国から地方への税源移譲は税源の偏在があることから、過疎地域と都市地域など自治体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。


(2)新型交付税における財源保障

  地方交付税への依存度の高い過疎地域において、新型交付税の導入により交付税配分額が従前に比べ減少することになれば、財政運営に深刻な影響を及ぼすことになるので、新型交付税の配分にあたっては、過疎地域が国土の保全など国民生活に果たす役割を重視し、地域住民の生活に必要なサービスを提供するために必要な財源を保障すること。

(3)過疎対策事業債の確保

  荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民に最も身近な市町村が主体となって、地域の自立・活性化のための取組が展開できるよう、特に重要な財源となっている過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。


3 国の国土保全施策の充実強化

 過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、国民の保健、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮している。しかし、近年、過疎地域においては、引き続く若年者の流出、高齢化のさらなる進行等により、農林業が衰退し、国土の維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化して、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 過疎地域の多面的機能を向上させ、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 また、過疎地域において森林や農地の適正な管理等を積極的に展開して、新たな雇用を生み出し、定住を促進していくことは、地域の活性化に大きく資するもので、過疎地域自立促進特別措置法が目的とする美しく風格ある国土の形成に寄与するものである。
 国民生活や国民経済の安定を実現する成熟社会にふさわしい国土の形成を図るためには、過疎地域が国土保全に果たす役割の重要性について国民共通の価値観を創出し、都市と農山漁村が相互に補完・共生する関係を構築することが必要である。
 このため、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである。

@  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の管理等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
 また、政府が地球温暖化対策の財源として検討を進める環境税を導入する場合には、その一部を地方譲与税とし、二酸化炭素の吸収源である森林の管理等を推進するための財源とすること。

A  森林や農地の適正な管理の推進、農山漁村の未利用資源のバイオマスエネルギーへの利用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること。

B  UJIターン者など意欲のある若者等を対象とし、技術高度化研修を含む「緑の雇用担い手対策事業」等を活用し、森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進すること。

C  現在策定が進められている「国土形成計画」において、過疎地域の存在意義と総合的な地域対策の必要性について明確に位置付け、国において総合的な施策を推進すること。


4 医師の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等において地域医療に従事する医師及び看護師の不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、臨床研修義務化等制度の変更により、小児科、産科等の特定診療科における医師不足も、地域の中核病院を中心に深刻なものとなっている。
昨年8月末には「新医師確保総合対策」が、本年5月には「緊急医師確保対策について」が決定され、国としての動きが具体化してきたところであるが、国におかれては、今後とも、次の医師等の確保対策を早急に推進され、地域医療に対する支援の充実を図るよう強く要望するものである。

@  国において、医師不足地域の医師確保対策を支援する全国的なシステムを構築すること。

A  臨床研修については、へき地医療等の地域医療確保の観点に立った臨床研修プログラムとすること。

B  医学部の地域枠の拡大及び将来地域医療に従事する意志を有する者を対象とした入学枠の設定を推進すること。

C  医師不足が特に深刻な県の医学部における入学定員を増員する対象県を拡大すること。

D  医学部教育における地域医療に関する教育の充実など、へき地勤務等の地域医療を志向する医師及び看護師を養成するための具体的方策を推進すること。


5 高規格幹線道路等道路網の整備促進

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立促進を図っていくためには、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の維持・整備が不可欠の課題である。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路等の道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、次の事項の実現について強く要望するものである。

(1)  高規格幹線道路網の整備は、整備計画区間においては、事業の促進・早期着手を図り、整備計画区間以外においても早期に整備方針を決定する等、国の責任において着実に促進すること。

(2)  整備の不充分な国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の整備促進を図ること。

(3)  道路特定財源については、地方の道路整備状況を勘案して、道路整備のための財源として確保し、地方公共団体への配分割合を高める等、地方公共団体における道路整備財源を充実強化すること。


6 過疎対策諸施策の充実強化


(1)情報通信インフラの整備

@  過疎地域において携帯電話不感地域等を解消し高度情報通信ネットワーク社会の形成を図るため、FTTH、ケーブルテレビ等のブロードバンド・アクセス環境の整備及び移動通信用鉄塔施設等の情報通信基盤の整備に対する助成措置を拡充強化し、情報通信格差の是正を積極的に図ること。

A  地上デジタルテレビ放送については、平成23年には完全移行する計画であるが、地上デジタルテレビ放送への移行においては、新たに視聴できない地域が発生することのないよう、また地方に新たな負担が生じないよう国において適切な対策を講じること。

(2)生活交通の確保

@  過疎地域における住民の生活交通の確保を図るため、路線バスの維持、行政やNPOによるバスやタクシーなどの運行、車両購入等による生活交通の確保や第三セクター鉄道等に対する助成措置を拡充強化すること。

A  離島航路の維持改善を図るため、離島航路補助制度を拡充強化し、増便や大型化・高速化を促進するとともに、不採算の離島生活航路の存続について特別の配慮をすること。

 また、離島空路については、離島空路補助制度を拡充強化するとともに、離島空路の整備等離島空路に関する施策を積極的に推進すること。

(3)有害鳥獣対策の強化
   近年、野生鳥獣の棲息分布の拡大・増加に伴い野生鳥獣による農林水産業被害は極めて深刻な状況になっている。この被害の深刻化・広域化に対応した、捕獲に関する規制緩和、広域的な被害防止対策、市町村の財政負担の軽減措置など有害鳥獣対策の抜本的な強化を図ること。

(4)へき地教育の充実
スクールバス・ボートの購入・運営、遠距離通学費、寄宿舎居住費等のへき地児童生徒援護費補助制度を充実するなど、へき地教育の充実を図ること。

(5)交流居住の推進
 団塊の世代のふるさと回帰の動き等交流居住を求める国民の新たなライフスタイルに対応した地域の活性化を図るため、廃校や空き家等未利用資源を活用するなどの交流居住条件の整備が必要であり、国において施設整備や体制づくりを支援すること。

 




(19. 8.30 自由民主党過疎対策特別委員会における要望)

平成20年度過疎対策関係政府予算概算要求に関する要望

 岐阜県 白川村長 谷口 尚 でございます。
 全国過疎地域自立促進連盟を代表して要望を申し上げます。

 山口俊一先生をはじめ委員の皆様方には、日頃から過疎地域のために格別の御尽力をいただき有り難うございます。この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。

 さて、御承知のように、過疎対策につきましては、昭和45年に「過疎地域対策緊急措置法」が施行されて以来、37年間にわたり総合的な過疎対策事業が実施され、生活環境の整備や産業の振興などが図られてまいりました。

 過疎地域は、我が国の豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域であり、また、都市に対して、食糧や水資源の供給、自然環境の保全といやしの場を提供するとともに、森林による地球温暖化の防止に貢献するなど、多面的な機能をになっている地域であります。

 過疎地域は、国民共通の財産であり、国民の心のより所となる美しい国土と豊かな環境を、未来の世代に引き継ぐ努力をしている地域であります。

 しかしながら、過疎地域の状況は一段と厳しさを増しており、公共交通機関の廃止、医師の不在、耕作放棄地の増加、森林の荒廃など生活・生産基盤の弱体化が進み、また多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、過疎地域の問題は従前にも増して深刻な状況に直面しております。

 このような中、現行の「過疎地域自立促進特別措置法」が、平成22年3月31日に失効することになりますが、引き続き総合的な過疎対策を充実強化し、過疎地域の振興が図られるよう、新たな制度の創設を強く要望する次第であります。

 さて、平成20年度の政府予算の編成でありますが、まず第一に地方交付税による財源確保を強く要望する次第であります。御承知のように、我が国は、今、東京への一極集中と地域格差の拡大に象徴されるように地方都市の衰退や農山漁村の荒廃が進んでいますが、取り分け、人口減少と急激な高齢化に見舞われている過疎地域の問題は極めて深刻な状況となっています。

 このため、過疎地域における地域社会の維持や地域住民生活の向上に必要な財源が確保されるよう、財政基盤が弱く財源の多くを地方交付税に依存している過疎地域に対する地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を強くお願いする次第であります。

 また、過疎地域にとって特に重要な財源であります過疎対策事業債の所要額の確保につきまして、格別の御配慮をお願いいたします。

 次に、過疎地域における医療の確保であります。医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であります。

 委員の皆様方のお力添えもあり、昨年8月末に「新医師確保総合対策」が、本年5月末に「緊急医師確保対策について」が決定され、国としての動きが具体化してきたところでありますが、今後とも、地方の実情を御理解の上、過疎地域の医療の確保について特段の御配慮いただきますようお願い申し上げます。

 第三は、道路交通網等社会的インフラの整備であります。過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立促進を図っていくためには、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の維持・整備が不可欠の課題であり、特に高規格幹線道路網の整備促進等をお願いする次第であります。

 また、森林の整備等の国土保全施策の充実強化や過疎地域における住民の生活交通の確保、情報通信インフラの整備、へき地教育の充実、交流居住の推進などの過疎対策の諸施策につきましても積極的に推進されるよう強く要望する次第であります。

 なお、現在策定が進められています「国土形成計画」においては、農山漁村の存在意義と総合的な地域対策の必要性について明確に位置付け、国において総合的な施策を推進する内容となるよう十分な配慮をお願い致します。

 最後になりますが、私ども連盟会員一同は、今後とも、過疎地域の自立・活性化を促進し、美しい国土と豊かな環境づくりについて重要な役割を担うべく、渾身の努力を続けてまいる所存でありますので、委員の皆様方におかれましては、私ども過疎地域の要望を御理解いただきまして、より一層の御尽力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。





(19. 6. 20 理事会決定)


平成20年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

目   次

1 現行過疎法の失効に伴う新たな制度の創設
2 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化及び
   過疎対策事業債の確保
3 国の国土保全施策の充実強化
4 医師の確保対策の推進
5 高規格幹線道路網の整備促進等
6 過疎対策諸施策の充実強化


1 現行過疎法の失効に伴う新たな制度の創設

 過疎対策については、昭和45年に「過疎地域対策緊急措置法」が制定されて以来、3次にわたる特別措置法の制定により、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げたところである。

 しかしながら、全国的な人口減少と高齢化は特に過疎地域において顕著であり、路線バスなどの交通機関の廃止、医師不在、耕作放棄地の増加、森林の荒廃など生活・生産基盤の弱体化が進むなかで、多くの集落が消滅の危機に瀕するなど、過疎地域の問題は極めて深刻な状況に直面している。
 過疎地域は、我が国の豊かな自然や歴史・文化を有するふるさとの地域であり、また、都市に対して、食糧の供給、水資源の供給、自然環境の保全といやしの場を提供するとともに、森林による地球温暖化の防止に貢献するなどの多面的な機能をになっている。
 過疎地域は国民共通の財産であり、国民の心のより所となる美しい国土と豊かな環境を未来の世代に引き継ぐ努力をしている地域である。

 現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は、平成22年3月末をもって失効することになるが、引き続き総合的な過疎対策を充実強化し、過疎地域の振興が図られるよう新たな制度の創設を強く要望する。


2 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化及び過疎対策事業債の確保

 我が国は、今、東京への一極集中と地域格差の拡大に象徴されるように地方都市の衰退や農山漁村荒廃が進んでいるが、就中、人口減少と急激な高齢化に見舞われている過疎地域の問題は極めて深刻な状況となっている。経済効率に勝る大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流循環を取り戻して、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国造りを目指すべきである。
 成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性を持って発展し、過疎地域の住民がその生活と文化に誇りを持って生きていけるよう、財政基盤が弱く財源の多くを地方交付税に依存している過疎地域に対する地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化について強く要望するものである。

(1)財源保障・財源調整機能の充実強化

@  地方交付税は、セーフティネットとしての性格を持つ地方共有の固有財源であることを踏まえ、地方6団体が提唱している「地方共有税」構想に沿って改革されるべきであり、地方交付税総額については、住民生活に必要なサービスを行うための財源が安定的に確保されること。

A  過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

B  国から地方への税源移譲は税源の偏在があることから、過疎地域と都市地域など自治体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

(2)新型交付税における財源保障

 地方交付税への依存度の高い過疎地域において、新型交付税により交付税配分額が従前に比べ減少することになれば、財政運営に深刻な影響を及ぼすことになるので、新型交付税の配分にあたっては、過疎地域が国土の保全など国民生活に果たす役割を重視し、地域の教育・福祉・医療など、基本的な行政サービスを提供するために必要な財源を保障すること。

(3)過疎対策事業債の確保

 荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民に最も身近な市町村が主体となって、地域の自立・活性化のための取組が展開できるよう、特に重要な財源となっている過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。


3 国の国土保全施策の充実強化

 過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成、国民の保健、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮しているが、過疎地域においては、引き続く若年者の流出、高齢化のさらなる進行等により、農林業が衰退し、国土の維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化して、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 過疎地域の多面的機能を向上させ、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 また、過疎地域において森林や農地の適正な整備等を積極的に展開して、新たな雇用を生み出し、定住を促進していくことは、地域の活性化に大きく資するもので、過疎地域自立促進特別措置法が目的とする美しく風格ある国土の形成に寄与するものである。
 国民生活や国民経済の安定を実現する成熟社会にふさわしい国土の形成を図るためには、過疎地域が国土保全に果たす役割の重要性について国民共通の価値観を創出し、都市と農山漁村が相互に補完・共生する関係を構築することが必要である。
 このため、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。 
 また、政府が地球温暖化対策の財源として検討を進める環境税を導入する場合には、その一部を地方譲与税とし、二酸化炭素の吸収源である森林の整備等を推進するための財源とすること。

(2)  森林や農地の適正な整備の推進、農山漁村の未利用資源のバイオマスエネルギーへの利用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること。

(3)  UJIターン者など意欲のある若者等を対象とし、技術高度化研修を含む「緑の雇用担い手対策事業」等を活用し、森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進すること。

(4)  現在策定が進められている「国土形成計画」において、農山漁村の存在意義と総合的な地域対策の必要性について明確に位置付け、国において総合的な施策を推進すること。


4 医師の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等において地域医療に従事する医師不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、臨床研修義務化等制度の変更により、小児科、産科等の特定診療科における医師不足も、地域の中核病院を中心に深刻なものとなっている。              
 昨年8月末には「新医師確保総合対策」が決定され、国としての動きが具体化してきたところであるが、国におかれては、今後とも、次の医師の確保対策を早急に推進され、地域医療に対する支援の充実を図るよう強く要望するものである。

(1)  国において、医師不足地域の医師確保対策を支援する全国的なシステムを構築すること。

(2)  臨床研修については、へき地医療等の地域医療確保の観点に立った臨床研修プログラムとすること。

(3)  医学部の地域枠の拡大及び将来地域医療に従事する意志を有する者を対象とした入学枠の設定を推進すること。

(4)  医師不足が特に深刻な県の医学部における入学定員を増員する対象県を拡大すること。

(5)  医学部教育における地域医療に関する教育の充実など、へき地勤務等の地域医療を志向する医師を養成するための具体的方策を推進すること。


5 高規格幹線道路網の整備促進等

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立の促進が図られていくために、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の維持・整備が不可欠の課題である。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路等の道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、次の事項の実現について強く要望するものである。

(1)  高規格幹線道路網の整備は、整備計画区間においては、事業の促進・早期着手を図り、整備計画区間以外においても早期に整備方針を決定する等、国の責任において着実に促進すること。

(2)  整備の不充分な国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の整備促進を図ること。

(3)  道路特定財源については、地方の道路整備状況を勘案して、道路整備のための財源として確保し、地方公共団体への配分割合を高める等、地方公共団体における道路整備財源を充実強化すること。

 

6 過疎対策諸施策の充実強化

(1)生活交通の確保

@  過疎地域における住民の生活交通の確保を図るため、路線バスの維持、行政やNPOによるバスやタクシーなどの運行、車両購入等による生活交通の確保や第三セクター鉄道等に対する助成措置を拡充強化すること。

A  離島航路の維持改善を図るため、離島航路補助制度を拡充強化し、増便や大型化・高速化を促進するとともに、不採算の離島生活航路の存続について特別の配慮をすること。
 また、離島空路については、離島空路補助制度を拡充強化するとともに、離島空路の整備等離島空路に関する施策を積極的に推進すること。

(2)情報通信インフラの整備

@  過疎地域における高度情報通信ネットワーク社会形成のため、FTTH、ケーブルテレビ等のブロードバンド・アクセス環境、移動通信用鉄塔施設等の情報通信基盤の整備に対する助成措置を拡充強化し、情報通信格差の是正を積極的に図ること。

A  地上デジタルテレビ放送については、平成23年には完全移行する計画であるが、地上デジタルテレビ放送への移行においては、新たに視聴できない地域が発生することのないよう、また地方に新たな負担が生じないよう国において適切な対策を講じること。

(3)へき地教育の充実

 スクールバス・ボートの購入・運営、遠距離通学費、寄宿舎居住費等のへき地児童生徒援護費補助制度を充実するなど、へき地教育の充実を図ること。

(4)交流居住の推進

 団塊の世代のふるさと回帰の動き等交流居住を求める国民の新たなライフスタイルに対応した地域の活性化を図るため、廃校や空き家等未利用資源を活用するなどの交流居住条件の整備が必要であり、国において施設整備や体制づくりを支援すること。


要望活動については、
 「過疎地域をめぐる動き」ページ中
 19.6.20 平成20年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

 




(19.2.8 理事会決定)

過疎対策関係政府施策に関する要望

目   次

1 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化
2 新型交付税における財源保障
3 農山漁村を評価する国土形成計画の策定

 

1 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化

 平成19年度の地方財政対策においては、地方交付税の法定率分が確保され、昨年度水準を上回る一般財源総額が確保されたところであるが、出口ベースの地方交付税総額は削減されており、税源に乏しい過疎地域においては厳しい財政運営を余儀なくされるものである。
過疎地域は、人、食料、水、エネルギーを都市に供給し、国の発展のために貢献してきたばかりか、二酸化炭素の吸収源としての森林を整備するなど、国土の保全や地球温暖化の防止にも寄与している。
 過疎地域は今、高齢化や産業の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、さらに医師不足など、まさに命に係る問題も深刻化している。また耕作放棄地が増加し、森林の荒廃が進み、多くの集落が消滅の危機にも瀕している状況にある。
 こうした中にあっても、過疎地域は、森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
 今後とも、このような過疎地域の努力と役割を重視し、過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。
我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山村の荒廃が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっている。経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村 など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流循環を取りもどして、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、今後とも過疎地域における財源の確保、特に、財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税に依存している過疎地域においては、地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化について強く要望するものである。

(1) 過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。
(2) 国から地方への税源移譲により、税源の偏在があることから過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。


2 新型交付税における財源保障

 新型交付税の導入に伴う算定基準の見直しにおいては、自治体の人口構成や地理的・社会経済的条件等の違いを勘案して、特に過疎地域など条件不利地域における行政サービスの需要を的確に把握すべきである。
 地方交付税への依存度の高い過疎地域において、新型交付税の導入により交付税配分額が従前に比べ減少することになれば、財政運営に深刻な影響を及ぼすものであり、不安感も広がっている。
 交付税算定の見直しにおいては、過疎地域が国土の保全など国民生活に果たす役割を重視し、地域の教育・福祉・医療など、基本的な行政サービスを提供するために必要な財源が保障されるよう強く要望するものである。


3 農山漁村を評価する国土形成計画の策定

 国土形成計画については、本年中ごろの閣議決定を目指し、内容の検討が行われているところであり、今後の過疎地域の振興に大きな影響を及ぼすものと考えられる。
 過疎地域の農山漁村は、国土の保全、食料の供給、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮しており、国民生活や国民経済の安定を実現するために重要な役割を果たしている。
 わが国が真に豊かな国土の形成を図るためには、このような農山漁村地域の重要性について国民共通の価値観を創出し、都市と農山漁村が相互に補完・共生する関係を構築することが必要である。
 国土形成計画においては、農山漁村の果たす役割を積極的に評価し、その存在意義と地域対策の必要性について明確に位置付け、国において総合的な施策を推進する内容となるよう十分な配慮を要望するものである。

 




(18.12.21 自由民主党過疎対策特別委員会における要望)

平成19年度過疎対策関係政府予算に関する要望

 全国過疎地域自立促進連盟会長の島根県知事澄田信義でございます。
 玉澤委員長をはじめ委員の皆様方には、日ごろ格別のご尽力を賜っており、深く感謝を申し上げます。
 さて、皆様十分ご承知のとおり、過疎地域は、人、食料、水、エネルギーを都市に供給し、国の発展に貢献してきたばかりか、二酸化炭素の吸収源としての森林を整備する など、国土の保全や地球温暖化の防止にも寄与しております。
 しかし、過疎地域は今、過疎などという生やさしい状況ではなく、高齢化や産業の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、耕作放棄地が増加し、森林の荒廃も進み、多くの集落が今まさに消滅の危機にも瀕している状況に あります。
さらに医師不足という、まさに命に関わる問題も深刻化しておりますが、玉澤委員長をはじめ委員の皆様方のお力添えもあり、政府の「新医師確保総合対策」には、医師   不足が特に深刻な県の医学部や自治医科大学の定員増が 盛り込まれるなど、ようやく国の動きが具体化してきたところであり、今後とも地方の実情をご理解のうえ、一層  ご配慮いただくようお願い申し上げます。
 さて、平成19年度の政府予算の編成でありますが、まず、自由民主党の税制改正大綱におきまして、過疎地域における減価償却の特例の延長が認められ、玉澤委員長をはじめ委員の皆様方のご尽力に対しまして、厚く御礼を申し上げるものであります。
 政府予算の当初内示でありますが、過疎対策事業債につきましては、投資的経費が大きく抑制されている中、格別のご配慮を賜っており、深く感謝を申し上げる次第であります。
また、復活要求される過疎対策関係予算につきましては、すべての満額確保を要望するものであります。
 さらに、この機会をお借りして、過疎対策関係の重要施策につきまして特に申し上げます。
 このたびの地方財政対策におきましては、地方交付税の法定率分が確保され、昨年度水準を上回る一般財源総額が確保されたところでありますが、出口ベースの地方交付税総額は減額となっておりますので、税源に乏しい過疎地域において、地域社会や地域住民の生命・生活の維持に必要な財源が確実に確保されるよう、地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化について特にお願い申し上げます。
 なお、新型交付税の導入に伴う算定基準の見直しにおいては、過疎地域が国土の保全など国民生活に果たす役割を重視し、基本的な行政サービスを提供するために必要な 財源が保障されるよう、あわせて強く要望するものであります。
 また、当連盟がかねてから強く要望しております森林の整備等の国土保全施策や高規格幹線道路網の早期整備を 強力に推進されるよう要望する次第であります。
最後になりますが、国土形成計画につきましては、来年中ごろの閣議決定を目指し、内容の検討が行われておりますが、現行の過疎地域自立促進特別措置法が平成21年度をもって10年間の期限を迎え失効するという状況もあり、今後の過疎地域の振興に大きな影響を及ぼすと思われます。
国土形成計画においては、農山漁村の果たす役割を積極的に評価し、その存在意義と地域対策の必要性について 明確に位置付け、国において総合的な施策を推進する内容となるよう十分な配慮をお願いいたします。
 私ども連盟会員一同、今後とも、地域の自立・活性化を促進し、引き続き国土保全など過疎地域の重要な役割を担うべく、渾身の努力を続けてまいる所存でありますので、委員の皆様方におかれましては、私どもの要望をご理解いただきまして、より一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げ、連盟としての要望とさせていただきます。




(18. 11. 30 総会決定)


平成19年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議・要望

要望活動については
「過疎地域をめぐる動き」ページ中
18.11.30 総会において政府予算・施策に関する決議・要望を採択、要望活動を実施



平成19年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議


1 過疎地域に光を当てる地方分権改革

(1) 地方交付税総額を安定的に確保すること。
(2) 地方交付税の財源保障・財源調整機能を充実強化すること。
(3) 地方交付税の算定基準の見直しに当たっては、過疎地域に対する財源保障の仕組みを確保すること。

2 過疎対策事業債の所要額の確保

3 森林の整備等の国土保全施策の充実強化

4 医師の確保対策の推進

5 高規格幹線道路網の整備促進等

(1) 高規格幹線道路網の整備を促進すること。
(2) 道路特定財源は道路整備のための財源として確保し、地方の道路整備財源を充実強化すること。




平成19年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

目   次

1 過疎地域に光を当てる地方分権改革
2 国の国土保全施策の充実強化
3 医師の確保対策の推進
4 高規格幹線道路網の整備促進等
5 過疎対策事業債の確保及び過疎対策諸施策の充実強化


1 過疎地域に光を当てる地方分権改革

 「骨太の方針2006」の歳出歳入一体改革においては、地方交付税や地方分権にかかる制度改革等の方向が示され、地方交付税については、現行法定率を堅持すること、地方が安心感を持って財政運営を行えるよう適切に対処することなどが明示されたところである。
 しかし、地方六団体が提言している地方交付税のあり方についての議論は先送りされ、また地方財政に対する不信感を煽るような議論も根強いものがあり、今後の政府予算の編成に向け予断を許さない状況にある。

過疎地域は、これまでに、人、食料、水、エネルギーを都市に供給し、国の発展のために貢献してきたばかりか、二酸化炭素の吸収源としての森林を整備するなど、国土の保全や地球温暖化の防止にも寄与している。
 過疎地域は今、高齢化や産業の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、さらに医師不足など、まさに命に係る問題も深刻化している。また耕作放棄地が増加し、森林の荒廃が進み、多くの集落が消滅の危機にも瀕している状況にある。
 こうした中にあっても、過疎地域は、森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
 これからの地方分権改革においては、このような過疎地域の努力と役割を重視し、過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。

 我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山漁村の荒廃が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっている。経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流循環を取りもどして、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、これからの地方分権改革の基盤となる税財政改革、特に財政基盤が弱い過疎地域においては、地方交付税に関して強く要望するものである。

(1)  地方交付税は、セーフティネットとしての性格を持つ地方共有の固有財源であることを踏まえ、新地方分権構想検討委員会の中間報告で提言された「地方共有税」構想に沿って改革されるべきであり、地方交付税総額については、住民生活に必要なサービスを行うための財源が安定的に確保されること。

(2)  過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

(3)  国から地方への税源移譲により、税源に偏在があることから過疎地域と都市地域など自治体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

(4)  地方交付税の算定基準は、自治体の人口構成や地理的・社会経済的条件等の違いを勘案して、行政サービスの需要を的確に把握すべきものであり、算定基準の見直しに当たっては、過疎など条件不利地域において、教育、福祉、医療など、住民に身近な行政サービスを提供するために必要な財源を保障する仕組みが確保されること。



2 国の国土保全施策の充実強化


 過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、公衆の保健、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮しており、これらの多面的機能は、その供給に対して支払いがなされることがない「公共財」としての性格を有するものである。
 しかしながら、過疎地域においては、依然として人口減少に歯止めがかからず、高齢化のさらなる進行、引き続く若年者の流出、農林業の衰退により、維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化しており、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 これらの多面的機能を向上させるとともに、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 また、過疎地域において森林や農地の適正な整備等を積極的に展開して、新たな雇用を生み出し、定住を促進していくことは、地域の活性化に大きく資するものであり、過疎地域自立促進特別措置法が目的とする美しく風格ある国土の形成に寄与するものである。
 更に、国民生活や国民経済の安定を実現する成熟社会にふさわしい国土の形成を図るためには、農山漁村地域の重要性について国民共通の価値観を創出し、都市と農山漁村が相互に補完・共生する関係を構築することが必要である。
 このために、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
 なお、政府が地球温暖化対策の財源として検討を進める環境税を導入する場合には、その多くを地方譲与税とし、二酸化炭素の吸収源である森林の整備等を推進するための財源とすること。

(2)  森林や農地の適正な整備の推進、農山漁村の未利用資源のバイオマスエネルギーへの利用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること。

(3)  UJIターン者など意欲のある若者等を対象とし、技術高度化研修を含む「緑の雇用担い手対策事業」等を活用し、森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進すること。

(4)  森林所有者等による森林整備に不可欠な地域活動を支援するなどの施策の充実を図ること。

(5)  現在検討が進められている「国土形成計画」において、農山漁村地域の果たす役割を積極的に評価し、農山漁村の存在意義と総合的な地域対策の必要性について明確に位置付け、国において総合的な施策を推進すること。


3 医師の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等において地域医療に従事する医師不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、独立行政法人化、臨床研修義務化等の大学を取り巻く環境の変化により、小児科、産科等の特定診療科における医師不足も、地域の中核病院を中心に深刻なものとなっている。
 当連盟としては国に対して医師の確保対策について強く要望してきたところであるが、去る8月末には「新医師確保総合対策」が決定し、ようやく国としての動きが具体化してきたところである。
 国におかれては、今後とも、次の医師の確保対策を早急に推進され、地域医療に対する支援の充実を図るよう強く要望するものである。

(1)  医師不足が特に深刻な県の医学部及び自治医科大学の入学定員を増加すること。

(2)  医学部の地域枠の拡大及び将来地域医療に従事する意志を有する者を対象とした入学枠の設定を推進すること。

(3)  医学部教育における地域医療に関する教育の充実など、へき地勤務等の地域医療を志向する医師を養成するための具体的方策を推進すること。

(4)  臨床研修については、地域医療確保の観点に立った臨床研修プログラムの改善を検討すること。

(5)  国において、医師不足地域の医師確保対策を支援する全国的なシステムを構築すること。

 

4 高規格幹線道路網の整備促進等

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立の促進が図られていくために、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の整備が緊急の課題となっている。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路などの道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、次の事項の実現について強く要望するものである。

(1)  整備の不充分な国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の整備促進を図ること。

(2)  高規格幹線道路網の整備は、整備手法が決定された整備計画区間においては、事業の促進・早期着手を図り、整備計画区間以外においても早期に整備方針を決定する等、国の責任において着実に促進すること。
 また、高規格幹線道路へのアクセス道路の整備促進を図ること。

(3)  道路特定財源については、地方の道路整備状況を勘案して、道路整備のための財源として確保し、地方公共団体への配分割合を高めるなど、地方公共団体における道路整備財源を充実強化すること。


5 過疎対策事業債の確保及び過疎対策諸施策の充実強化

(1)過疎対策事業債の確保

 荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民や住民に最も身近な市町村が主体となって、過疎地域の自立・活性化のための取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。

(2)過疎対策諸施策の充実強化

〔産業の振興〕

   過疎地域における次の課税特例措置及び減収補てん措置については、平成19年度以降においても継続すること。

 製造業・ソフトウエア業・旅館業の用に供する設備を新増設した者の当該減価償却資産の特別償却
(過疎地域自立促進特別措置法第30条関係)

 製造業・ソフトウエア業・旅館業の用に供する設備を新増設した者又は畜産業・水産業を行う個人に対する地方税の課税免除又は不均一課税にかかる減収補てん措置
(過疎地域自立促進特別措置法第31条関係)


〔生活交通の確保〕

1. 過疎地域における住民の生活交通の確保を図るため、地域協議会の協議結果に基づく路線バスの維持、行政バスの運行、車両購入等のバスによる生活交通確保や第三セクター鉄道等の中小鉄道に対する助成措置を拡充強化すること。

2. 離島航路の維持改善を図るため、離島航路補助制度を拡充強化し、増便や大型化・高速化を促進するとともに、不採算の離島生活航路の存続について特別の配慮をすること。
また、離島空路については、離島空路補助制度を拡充強化するとともに、離島空港の整備など離島空路に関する施策を積極的に推進すること。

〔情報通信インフラの整備〕

1. 過疎地域における高度情報通信ネットワーク社会形成のため、地域イントラネット・ケーブルテレビ等の地域公共ネットワーク、移動通信用鉄塔施設等の情報通信基盤の整備に対する助成措置を拡充強化し、情報通信格差の是正を積極的に図ること。

2. 地上デジタルテレビ放送については平成18年末までに全国で実施され、平成23年には完全移行(アナログテレビ放送が終了)する計画であるが、地上デジタルテレビ放送への移行においては、新たに視聴できない地域が発生することのないよう国において適切な対策を講じること。

〔へき地教育の充実〕

 スクールバス・ボートの購入・運営、遠距離通学費、寄宿舎居住費等のへき地児童生徒援護費補助制度を充実するなど、へき地教育の充実を図ること。

〔交流居住の推進〕

 団塊の世代のふるさと回帰の動きなど交流居住を求める都市住民や国民の新たなライフスタイルに対応するとともに、地域の活性化を図るため、廃校や空き家など未利用資源の活用を含む多様なニーズに対応した交流居住条件の整備が必要であり、国において施設整備や体制づくりを支援すること。




(18.10.20 平成19年度税制改正に関する要望)

過疎地域における製造業、ソフトウエア業及び旅館業に係る
特別償却の適用期間の延長

根拠法 過疎地域自立促進特別措置法第30条
租税特別措置法第12条及び第45条

 過疎地域において、個人又は法人が、製造業、ソフトウエア業及び旅館業の用に供する設備を新増設した場合において、当該新増設にかかる機械・装置、建物・その附属設備についての特別償却の適用期間を3年間延長すること。

(要望理由)
 過疎地域においては、地域資源や情報化等を活用して総合的な産業の振興等を図ることにより、地域の活性化、自立促進のための積極的な取組みがなされているところであります。
 しかしながら、過疎地域では依然として高齢化の進行、若年者の流出がみられるところであり、課税特例措置を継続することにより引き続き過疎地域内に企業を誘致し、所得水準の向上と雇用の増大を図るとともに、地域資源の活用による総合的な産業振興による地域の活性化、更には地域の自立促進を図ることが必要であります。
 また、自然に恵まれた生活空間の中での就業機会を拡大することにより、UJIターン等を通じて都市住民を含め国民一般にとっても多様な居住を選択することができる豊かな社会の実現にも資するものであります。

過疎対策関係政府予算・施策について

 過疎地域は、これまでに、人、食料、水、エネルギーを都市に供給し、国の発展に貢献してきたばかりか、二酸化炭素の吸収源としての森林を整備するなど、国土の保全や地球温暖化の防止にも寄与しております。
 しかし、過疎地域は今、過疎などという生やさしい状況ではなく、高齢化や産業の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、耕作放棄地が増加し、森林の荒廃が進み、多くの集落が消滅の危機にも瀕している状況にあります。
 さらに医師不足という、まさに命に係る問題も深刻化しており、国に対して強く要望してまいりました。国会議員各位のお力添えもあり、去る8月31日に決定された政府の「新医師確保総合対策」には、医師不足が特に深刻な県の医学部や自治医科大学の定員増が盛り込まれるなど、ようやく国としての動きが具体化してきたところであり、今後とも、是非地方の実情を御理解のうえ、一層御配慮いただくようお願い申し上げます。
 平成19年度の政府予算・施策につきましては、過疎地域の役割と努力を重視し、地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、特に次の事項の実現について強く要望するものであります。

 過疎地域における教育、社会保障、医療など地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、特に地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を図ること。

 住民に最も身近な市町村が主体となって過疎地域の自立・活性化のための取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。
 また、過疎地域自立促進特別措置法第31条に定める減収補てん措置を継続すること 。

 森林の整備等の国土保全施策の充実強化を図ること。

 過疎地域が持つ潜在力を活かす上で必要不可欠な高規格幹線道路網の早期整備を強力に推進すること。また、そのアクセス道路の整備促進を図ること。

国土形成計画について

 国土形成計画については、来年中ごろの閣議決定を目指し、内容の検討が行われておりますが、現行の過疎地域自立促進特別措置法が平成21年度をもって10年間の期限を迎え失効するという状況もあり、今後の過疎地域の振興に大きな影響を及ぼすものと考えられます。
 国土形成計画においては、農山漁村地域の果たす役割を積極的に評価し、その存在意義と総合的な地域対策の必要性について明確に位置付け、国において総合的な施策を推進する内容となるよう十分な配慮を強く要望いたします。

 要望活動については
 「過疎地域をめぐる動き」ページ中
 2006.10.20 自由民主党税制調査会に税制改正要望




(18. 8.31 自由民主党過疎対策特別委員会における要望)

平成19年度過疎対策関係政府予算概算要求に関する要望

 岐阜県白川村長 谷口 尚 でございます。
 全国過疎地域自立促進連盟を代表して要望を申し上げます。

 玉澤委員長をはじめ委員の皆様方には、日ごろ過疎地域のために格別の御尽力を賜っており、深く感謝を申し上げる次第であります。

 さて、皆様十分御承知のとおり、過疎地域は、人、食料、水、エネルギーを都市に供給し、国の発展に貢献してきたばかりか、二酸化炭素の吸収源としての森林を整備するなど、国土の保全や地球温暖化の防止にも寄与しております。

 しかし、過疎地域は今、過疎などという生やさしい状況ではなく、高齢化や産業の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、仕事はもとより、買い物、交通など日常生活そのものが成り立たず、全国で2,000もの集落が今まさに消滅の危機に瀕しております。また、耕作放棄地が増え、森林の荒廃も進み、例えば棚田の耕作放棄により地すべりが多発するなどの 国土保全上放置できない事例も報告されております。

 さらに医師不足という、まさに命に関わる問題も深刻化しており、過疎連盟としても厚生労働大臣などに機会をとらえて 直接要望してまいりました。
 玉澤委員長をはじめ委員の皆様方のお力添えもあり、本日決定された政府の「新医師確保総合対策」には、医師不足が特に深刻な県の医学部や自治医科大学の定員増が盛り込まれるなど、ようやく国としての動きが具体化してきたところであり、今後とも、是非地方の実情を御理解の上、一層御配慮いただくようお願い申し上げます。

 さて、平成19年度の政府予算の編成でありますが、「骨太方針2006」においては、地方交付税について、現行法定率を堅持すること、地方が安心感を持って財政運営が行えるよう適切に対処することなどが明示されたところであります。
 しかし、地方六団体が提言している地方交付税のあり方についての議論は先送りされ、また地方財政に対する不信感を煽るような議論も根強いものがあり、今後とも予断を許さない状況にあります。地方の実態や交付税制度の本旨を無視した地方 交付税の削減が進められるならば、地方財政、特に過疎地域の財政は危機的な状況に陥るものであります。
 このため、今後とも、過疎地域における教育、社会保障、医療など地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、特に地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化を強く要望するものであります。

 また、過疎地域にとって特に重要な財源であります過疎対策事業債の所要額の確保、過疎地域自立促進特別措置法に定める課税特例措置及び減収補てん措置の継続につきまして、格別の御配慮をお願いいたします。

 森林については、京都議定書における二酸化炭素6%削減を履行するため、3.9%程度の吸収量の確保が求められており、それには年間約2,200億円もの予算が新たに必要とされています。
このため、当連盟がかねてから強く要望しております森林の整備等の国土保全施策の充実強化が特に必要であります。

 さらに、過疎地域が持つ潜在力を活かす上で必要不可欠な 高規格幹線道路網の早期整備を強力に推進されるよう、あわせて強く要望する次第であります。

 最後になりますが、国土形成計画については、来年中ごろの閣議決定を目指し、内容の検討が行われておりますが、現行の過疎地域自立促進特別措置法が平成21年度をもって10年間の期限を迎え失効するという状況もあり、今後の過疎地域の振興に大きな影響を及ぼすと思われます。農山漁村の果たす役割を積極的に評価し、その存在意義と地域対策の必要性について明確に位置付け、総合的な施策を推進する内容となるよう十分な配慮をお願いいたします。

 私ども連盟会員一同、「地域間の共生」こそ、我が国のグランドデザインの大きな柱とすべきであるとの考えの下、今後とも、地域の自立・活性化を促進し、引き続き重要な役割を担うべく、渾身の努力を続けてまいる所存でありますので、委員の皆様方におかれましては、私どもの要望を御理解いただきまして、より一層の御尽力を賜りますようお願い申し上げ、連盟としての要望とさせていただきます。




(18. 6. 30 理事会決定)


平成19年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

目   次

1 過疎地域に光を当てる地方分権改革
2 国の国土保全施策の充実強化
3 医師の確保対策の推進
4 高規格幹線道路網の整備促進等
5 過疎対策事業債の確保及び過疎対策諸施策の充実強化


1 過疎地域に光を当てる地方分権改革

 政府・与党間で合意された「歳出・歳入一体改革に向けた取り組み方針」においては、地方交付税の現行法定率の堅持、地方交付税等について地方が安心感を持って中期的に予見可能性のある財政運営を行える適切な対処などが記載されたところであり、過疎地域の不安や懸念にも一定の理解が示されたものと評価している。
 今後とも、国と地方の信頼関係を維持しつつ、真の分権型社会を目指す分権改革が進められるよう、歳出・歳入一体改革はその基盤となる税財政改革とすべきである。

 過疎地域は、これまでに、人、食料、水、エネルギーを都市に供給し、国の発展のために貢献してきたばかりか、二酸化炭素の吸収源としての森林を整備するなど、国土の保全や地球温暖化の防止にも寄与している。
 過疎地域は今、高齢化や産業の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、さらに医師不足など、まさに命に係る問題も深刻化している。また耕作放棄地が増加し、森林の荒廃が進み、多くの集落が消滅の危機にも瀕している状況にある。
 こうした中にあっても、過疎地域は、森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
 これからの地方分権改革においては、このような過疎地域の努力と役割を重視し、過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。
我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山漁村の荒廃が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっている。経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流循環を取りもどして、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、これからの地方分権改革の基盤となる税財政改革、特に財政基盤が弱い過疎地域においては、地方交付税改革に関して強く要望するものである。

(1)  地方交付税は、セーフティネットとしての性格を持つ地方固有の財源であることを踏まえ、新地方分権構想検討委員会の中間報告で提言された「地方共有税」構想に沿って改革されるべきであり、法令等による歳出や国による事務・事業の義務付けの見直しの無いままで、これら事務・事業の財源保障・財源調整を行っている地方交付税全体の圧縮を行わないこと。

(2)  過疎地域における教育、社会保障、医療など地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

(3)  国から地方への税源移譲により、税源に偏在があることから過疎地域と都市地域など自治体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

(4)  地方交付税の算定基準は、自治体の人口構成や地理的・社会経済的条件等の違いを勘案して、行政サービスの需要を的確に把握すべきものであることから、人口と面積のみを算定基準とするような極端な単純化は行わないこと。




2 国の国土保全施策の充実強化

 過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、公衆の保健、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮しており、これらの多面的機能は、その供給に対して支払いがなされることがない「公共財」としての性格を有するものである。
 しかしながら、過疎地域においては、依然として人口減少に歯止めがかからず、高齢化のさらなる進行、引き続く若年者の流出、農林業の衰退により、維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化しており、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 これらの多面的機能を向上させるとともに、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 また、過疎地域において森林や農地の適正な整備等を積極的に展開して、新たな雇用を生み出し、定住を促進していくことは、地域の活性化に大きく資するものであり、過疎地域自立促進特別措置法が目的とする美しく風格ある国土の形成に寄与するものである。
 更に、国民生活や国民経済の安定を実現する成熟社会にふさわしい国土の形成を図るためには、農山漁村地域の重要性について国民共通の価値観を創出し、都市と農山漁村が相互に補完・共生する関係を構築することが必要である。
 このために、国において次の事項が実現するよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
 なお、政府が地球温暖化対策の財源として検討を進める環境税を導入する場合には、その多くを地方譲与税とし、二酸化炭素の吸収源である森林の整備等を推進するための財源とすること。

(2)  森林や農地の適正な整備の推進、農山漁村の未利用資源のバイオマスエネルギーへの利用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること。

(3)  UJIターン者など意欲のある若者等を対象とし、技術高度化研修を含む「緑の雇用担い手対策事業」等を活用し、森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進すること。

(4)  森林所有者等による森林整備に不可欠な地域活動を支援するなどの施策の充実を図ること。

(5)  現在検討が進められている「国土形成計画」において、農山漁村地域の果たす役割を積極的に評価し、農山漁村の存在意義と総合的な地域対策の必要性について明確に位置付け、国において総合的な施策を推進すること。


3 医師の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等において地域医療に従事する医師不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、独立行政法人化、臨床研修義務化等の大学を取り巻く環境の変化により、小児科、産科等の特定診療科における医師不足も、地域の中核病院を中心に深刻なものとなっている。
 このような中、国においては、「医師の需給に関する検討会」や「へき地保健医療対策検討会」等の場でへき地における医師確保対策の検討を進めており、現在、今後の医師需給について見直しを行っているが、昨年7月に公表された「医師の需給に関する検討会中間報告書」における「当面の医師確保対策」の内容では不十分であるため、下記の事項を最終報告書に盛り込み、直ちに最優先で過疎地域における医師確保対策に取り組むよう強く要望するものである。

(1)  医師不足地域の医学部の入学定員と地域枠の拡大を図ること。

(2)  自治医科大学の入学定員と医師不足地域への配分枠の拡大を図ること。

(3)  医学部教育において地域医療教育を必修化させるなど、へき地勤務等の地域医療を志向する医師を養成するための具体的方策について検討すること。

(4)  臨床研修終了後、一定期間へき地医療機関等に勤務させるなど、医師のへき地勤務を促進する具体的方策について検討すること。

(5)  不足が問題となっている小児科、産科等の診療科の医師確保を図るため、これらの領域の診療報酬を更に引き上げるなどの措置を講じること。

(6)  国において、全国的に適切な医師配置に係る調整等を行い、医師不足地域の医師確保対策を支援するシステムを構築すること。

(7)  臨床研修制度の導入による問題点を検証し、制度の改善を図ること。


4 高規格幹線道路網の整備促進等

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立の促進が図られていくために、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の整備が緊急の課題となっている。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路などの道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、次の事項の実現について強く要望するものである。

(1)  整備の不充分な国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の整備促進を図ること。

(2)  高規格幹線道路網の整備は、整備手法が決定された整備計画区間においては、事業の促進・早期着手を図り、整備計画区間以外においても早期に整備方針を決定する等、国の責任において着実に促進すること。
 また、高規格幹線道路へのアクセス道路の整備促進を図ること。

(3)  道路特定財源については、地方の道路整備状況を勘案して、道路整備のための財源として確保し、地方公共団体への配分割合を高めるなど、地方公共団体における道路整備財源の充実に努めること。


5 過疎対策事業債の確保及び過疎対策諸施策の充実強化

(1)過疎対策事業債の確保
 荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民や住民に最も身近な市町村が主体となって、過疎地域の自立・活性化のための取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。


(2)過疎対策諸施策の充実強化

〔産業の振興〕

 過疎地域における次の課税特例措置及び減収補てん措置については、平成19年度以降においても継続すること。

 製造業・ソフトウエア業・旅館業の用に供する設備を新増設した者の当該減価償却資産の特別償却
  (過疎地域自立促進特別措置法第30条関係)

 製造業・ソフトウエア業・旅館業の用に供する設備を新増設した者又は畜産業・水産業を行う個人に対する地方税の課税免除又は不均一課税にかかる減収補てん措置
 (過疎地域自立促進特別措置法第31条関係)

〔生活交通の確保〕

 過疎地域における住民の生活交通の確保を図るため、地域協議会の協議結果に基づく路線バスの維持、行政バスの運行、車両購入等のバスによる生活交通確保や第三セクター鉄道等の中小鉄道に対する助成措置を拡充強化すること。

 離島航路の維持改善を図るため、離島航路補助制度を拡充強化し、増便や大型化・高速化を促進するとともに、不採算の離島生活航路の存続について特別の配慮をすること。
 また、離島空路については、離島空路補助制度を拡充強化するとともに、離島空港の整備など離島空路に関する施策を積極的に推進すること。

〔情報通信インフラの整備〕

 過疎地域における高度情報通信ネットワーク社会形成のため、地域イントラネット・ケーブルテレビ等の地域公共ネットワーク、移動通信用鉄塔施設等の情報通信基盤の整備に対する助成措置を拡充強化し、情報通信格差の是正を 積極的に図ること。

 地上デジタルテレビ放送については平成18年末までに全国で実施され、平成23年には完全移行(アナログテレビ放送が終了)する計画であるが、地上デジタルテレビ放送への移行においては、新たに視聴できない地域が発生することのないよう国において適切な対策を講じること。


〔へき地教育の充実〕

 スクールバス・ボートの購入・運営、遠距離通学費、寄宿舎居住費等のへき地児童生徒援護費補助制度を充実するなど、へき地教育の充実を図ること。

〔交流居住の推進〕

 団塊の世代のふるさと回帰の動きなど交流居住を求める都市住民や国民の新たなライフスタイルに対応するとともに、地域の活性化を図るため、廃校や空き家など未利用資源の活用を含む多様なニーズに対応した交流居住条件の整備が必要であり、国において施設整備や体制づくりを支援すること。


要望活動については、
「過疎地域をめぐる動き」ページ中
18.6.30 平成19年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望





(18. 2. 17 理事会決定)


過疎対策関係政府施策に関する要望

目   次

1 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化
2 豪雪被害対策の強化
3 医師の確保対策の推進


1 地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化

 三位一体の改革を受け平成18年度の地方財政対策においては、概ね一般財源総額の所要額は確保されたが、地方交付税総額は削減されており、過疎地域においては厳しい財政運営を余儀なくされるものである。
過疎地域は、人、食料、水、エネルギーを都市に供給し、国の発展のために貢献してきたばかりか、二酸化炭素の吸収源としての森林を整備するなど、国土の保全や地球温暖化の防止にも寄与している。
 過疎地域は今、高齢化や産業の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、さらに医師不足など、まさに命に係る問題も深刻化している。また耕作放棄地が増加し、森林の荒廃が進み、多くの集落が消滅の危機にも瀕している状況にある。
 こうした中にあっても、過疎地域は、森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
 今後とも、このような過疎地域の努力と役割を重視し、過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。
 我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山村の荒廃が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっている。経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、過疎地域と都市との健全な交流循環を取りもどして、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、今後とも過疎地域における財源の確保、特に、財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税に依存している過疎地域においては、地方交付税の財源保障・財源調整機能の充実強化について強く要望するものである。


(1)  過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

(2)  国から地方への税源移譲により、税源の偏在があることから過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。




2 豪雪被害対策の強化


 昨年末から、北海道、東北、上信越、北陸、西日本の日本海側では断続的に雪が降り続き、地域によっては過去最大の積雪量を観測するなど、各地で記録的な豪雪となっている。
 この豪雪により、特に山間地の多い過疎地域では、孤立する集落もあり、家屋の倒壊などによる人的・物的被害が多発しており、道路の通行止めや鉄道などの公共交通の乱れが頻発するなど、住民生活や農林業など産業・経済活動に多大で深刻な影響を受けている。更に、今後の降雪や融雪期において、被害の一層の拡大が憂慮されるものである。
 各道府県と市町村は国と連携をとりながら、住民の日常生活の確保、災害の防止・復旧に尽力し、道路交通を確保するため除排雪を強化しているが、すでに除排雪経費は膨大なものとなり、今後も更に増加することが見込まれ、財政運営を極めて困難なものにしている。
 ついては、地方自らの努力とともに、国による強力な支援が不可欠であるので、下記の措置を早急に講じるよう強く要望するものである。


(1)  豪雪地域におけるライフラインや住民の生活必需品を確保するとともに、被災地・被災産業の復旧及び被害者の生活再建支援に万全を期すること。

(2)  市町村道を含む道路除排雪費に対する国庫補助金の増額、特別交付税の増額配分等、財政支援を強化すること。


3 医師の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等において地域医療に従事する医師不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、独立行政法人化、臨床研修義務化等の大学を取り巻く環境の変化により、小児科、産科等の特定診療科における医師不足も、地域の中核病院を中心に深刻なものとなっている。
 このような中、国においては、「医師の需給に関する検討会」や「へき地保健医療対策検討会」等の場でへき地における医師確保対策の検討を進めており、平成17年度中に今後の医師需給見通しを見直す予定となっているが、昨年7月に公表された「医師の需給に関する検討会中間報告書」における「当面の医師確保対策」の内容では不十分であるため、下記の事項を最終報告書に盛り込み、直ちに最優先で過疎地域における医師確保対策に取り組むよう強く要望するものである。

(1)  医師不足地域の医学部の入学定員と地域枠の拡大を図ること。

(2)  自治医科大学の入学定員と医師不足地域への配分枠の拡大を図ること。

(3)  臨床研修終了後、一定期間へき地医療機関等に勤務させるなど、医師のへき地勤務を促進する具体的方策を検討すること。

(4)  国において、全国的に適切な医師配置に係る調整等を行い、医師不足地域の医師確保対策を支援するシステムを構築すること。

(5)  臨床研修制度の導入による問題点を検証し、制度の改善を図ること。

 




(18. 1.13 豪雪被害対策に関する緊急要望)

豪雪被害対策に関する緊急要望

 昨年末から、北海道、東北、上信越、北陸、西日本の日本海側では断続的に雪が降り続き、地域によっては過去最大の積雪量を観測するなど、各地で記録的な豪雪となっております。
この豪雪により、特に山間地の多い過疎地域では、孤立する集落もあり、家屋の倒壊などによる人的・物的被害が多発しており、道路の通行止めや鉄道などの公共交通の乱れが頻発するなど、住民生活や農林業など産業・経済活動に多大で深刻な影響を受けております。
 各道県と市町村は国と連携をとりながら、道路交通を確保するため除排雪を強化しておりますが、すでに除排雪経費は膨大なものとなり、今後も更に増加することが見込まれ、財政運営を極めて困難なものにしています。
 つきましては、国において下記の措置を早急に講じるよう、格別のご高配をお願い申し上げます。

(1)  豪雪地域におけるライフラインや住民の生活必需品を確保するとともに、被災地の復旧及び被害者の生活再建支援に万全を期すること。
(2)  道路除排雪費に対する国庫補助金の増額、市町村道の除排雪に対する補助制度の適用、特別交付税の増額配分等、財政支援を強化すること。

 




(17. 12. 21 自由民主党過疎対策特別委員会における要望)

平成18年度過疎対策関係政府予算復活要求に関する要望

 全国過疎地域自立促進連盟会長の 福島県知事 佐藤栄佐久でございます。
 玉澤委員長をはじめ委員の先生方には、日ごろ格別の御尽力を賜っており、深く感謝を申し上げます。
 さて、皆様十分御承知のとおり、過疎地域は、人、食料、水、エネルギーを都市に供給し、国の発展に貢献してきたばかりか、二酸化炭素の吸収源としての森林を整備するなど、国土の保全や地球温暖化の防止にも寄与しております。
 例えば、「人」については、昨年の新潟県中越地震で孤立した山古志村から避難する方々がテレビで放映されましたが、その10人のうち9人が高齢者でした。震災前までは皆幸せに生活なさっておられましたが、息子さんや娘さんは一体どこにいるのでしょうか。過疎地域はこれまで、一生懸命育てた貴重な人材を都市に提供してきたのです。
 また、「水」については、農山村に居住する人々の努力によって川上の森林が守られて、水源がかん養され、都市へ水が安定的に供給されています。
 しかしながら、先日のNHKクローズアップ現代でも取り上げられておりましたが、過疎地域は今、過疎などという生やさしい状況ではなく、高齢化や産業の衰退で地域社会の活力が極端に低下しており、仕事はもとより、買い物、交通など日常生活そのものが成り立たず、全国で2,000もの集落が今まさに消滅の危機に瀕しております。また、耕作放棄地が増え、森林の荒廃も進み、例えば棚田の耕作放棄により地すべりが多発するなどの国土保全上放置できない事例も報告されております。
 さらに医師不足など、まさに命に関わる問題も深刻化しており、本連盟としての要望活動に加え、一昨年から3回にわたって、政府主催知事会などの機会をとらえ、小泉首相に直接意見を申し上げておりますが、残念ながらいまだに進展が見られません。
 地域の共同体が一つ、また一つと消えてゆくことは、多面的機能の喪失という物理的問題だけではなく、長い時間をかけて培ってきた「文化の断絶」をも意味しております。
 何とか過疎地域と都市との健全な交流循環を取りもどし、過疎地域の活力を高めていくことは、結果的には都市住民の皆様にも喜んでいただけるはずだと信じております。
 私ども連盟会員一同、「地域間の共生」こそ、我が国のグランドデザインの大きな柱とすべきであるとの考えの下、今後とも、地域の自立・活性化を促進し、過疎地域の重要な役割を担うべく、渾身の努力を続けてまいる所存でありますので、引き続き御指導と御支援を賜りますようお願い申し上げます。
 さて、このたびの税制改正につきましては、玉澤委員長をはじめ委員の先生方の御尽力に厚く御礼を申し上げるものであります。
 政府予算の当初内示でありますが、まず過疎対策事業債につきましては、投資的経費が大きく抑制されている中、格別の御配慮を賜っており、深く感謝を申し上げる次第であります。
 また、復活要求される予算につきましては、「緑の雇用担い手対策事業」をはじめ、すべての満額確保を要望するものであります。
 さらに、この機会に、三位一体の改革に関連して、特に申し上げます。
 このたびの地方財政対策におきましては、なにかとご配慮をいただいておりますが、今後とも、過疎地域において、地域社会や地域住民の生命・生活の維持に必要な財源が確実に確保されるよう、地方交付税の財源保障・財源調整機能を充実強化されるようお願い申し上げます。
 なお地方財政対策において、補助割合の特例に対する財政措置につきましては、重ねて厚く御礼を申し上げるものであります。
 最後になりますが、森林については、京都議定書における二酸化炭素6%削減を履行するため、3.9%程度の吸収量の確保が求められており、それには年間約2,200億円もの予算が新たに必要とされています。
 このように、当連盟がかねてから強く要望しております森林の整備等の国土保全施策や過疎地域が持つ潜在力を活かす上で必要不可欠な高規格幹線道路網の早期整備を強力に推進されるよう、あわせて要望する次第であります。
 何とぞ委員の先生方におかれましては、以上申し上げました私どもの要望を御理解いただきまして、より一層の御尽力を賜りますようお願い申し上げ、連盟としての要望とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。




(17. 12. 9 補助割合にかかる緊急要望)

過疎地域における補助割合の特例措置にかかる財政措置について
(緊急要望)

 国においては三位一体の改革を進めているところでありますが、国庫補助負担金の改革においては、過疎地域自立促進特別措置法により補助割合の特例措置がとられている補助金が対象となっています。
 三位一体の改革にかかる政府・与党の方針(平成16年11月26日「政府・与党合意」)においては、「歴史的、地理的、社会的事情等の特殊事情に鑑み、沖縄等特定地域において講じられている補助制度に係る特例措置については、その趣旨を踏まえ必要な措置を講ずる」ことが明記されているところであります。
 国におかれては、特例措置がとられている国庫補助負担金の改革において、過疎地域自立促進特別措置法の目的や上記政府・与党の方針を尊重し、改革後において実質的な特例措置が確保されるよう万全の財政措置を強く要望するものであります。

(参考)
 改革の対象である特例措置がとられている補助金
 平成17年度 過疎地域自立促進特別措置法第10条に定める消防施設(消防ポンプ自動車)
 平成18年度 過疎地域自立促進特別措置法第10条に定める児童福祉施設(公立の保育所)




(17. 11. 28 総会決定)



平成18年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議


1 過疎地域に光を当てる三位一体の改革

(1) 地方交付税による適切な財源保障を行うこと。
(2) 税源移譲が本格的に実施されると、税源の偏在が一層拡大するので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

2 過疎対策事業債の所要額の確保

3 国土保全施策の充実強化
(1) 地球の温暖化対策のための新税の導入を図り、二酸化炭素の吸収源である森林の整備を促進すること。
(2) 新たな「緑の雇用担い手育成対策事業」を創設し、森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進すること。

4 高規格幹線道路網の整備促進

5 過疎地域における医師の確保対策の推進

6 大規模災害の復旧・復興支援の強化と抜本的対策の推進

7 地域住民の立場に立った郵政民営化改革
  民営化後においても、郵政3事業のあまねく公平なサービスを確保すること。

 




平成18年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

目   次

1 過疎地域に光を当てる三位一体の改革
2 国の国土保全施策の充実強化
3 高規格幹線道路網の整備促進等
4 過疎地域における医師の確保対策の推
5 大規模災害の復旧・復興支援の強化と抜本的対策の推進
6 地域住民の立場に立った郵政民営化改革
7 過疎地域の自立促進に関するその他諸施策の充実強化
8 市町村・住民の自主的・主体的な判断による市町村合併


1 過疎地域に光を当てる三位一体の改革

 三位一体の改革においては、財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税や国庫補助金に依存している過疎地域に対して、地方交付税等による適切な財源措置を強く期待するものである。
過疎地域は、これまで、人、食料、水、電気などを都市地域に供給し、我が国の発展のために貢献してきている。また、二酸化炭素の吸収源である森林の管理を担うことにより、地球温暖化の防止にも寄与している。
 森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
 地方の自立を促し住民自治を確立するための三位一体の改革においては、このような過疎地域の努力と役割を重視し、今後とも過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。
 我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山村の荒廃と高齢化が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっているが、経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 ここに、成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、三位一体の改革に関して、次の事項の実現を強く要望するものである。

(1)  過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

(2)  税源移譲が本格的に実施されると、税源の偏在があることから過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

(3)  荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民や住民に最も身近な市町村が主体となって、過疎地域の自立・活性化のための取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。



2 国の国土保全施策の充実強化


 過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、公衆の保健、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮しており、これらの多面的機能は、その供給に対して支払いがなされることがない「公共財」としての性格を有するものである。
 しかしながら、過疎地域においては、依然として人口減少に歯止めがかからず、高齢化のさらなる進行、引き続く若年者の流出、農林業の衰退により、維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化しており、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 これらの多面的機能を向上させるとともに、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 また、過疎地域において森林や農地の適正な整備等を積極的に展開して、新たな雇用を生み出し、定住を促進していくことは、地域の活性化に大きく資するものであり、過疎地域自立促進特別措置法が目的とする美しく風格ある国土の形成に寄与するものである。
 このような国土保全の重要性に鑑み、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
 なお、政府が地球温暖化対策の財源として検討を進める環境税を導入する場合には、その多くを地方譲与税とし、二酸化炭素の吸収源である森林の整備等を推進するための財源とすること。

(2)  森林や農地の適正な整備の推進、農山漁村の未利用資源のバイオマスエネルギーへの利用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること。

(3)  UJIターン者など意欲のある若者等を対象とし、技術高度化研修を含む新たな「緑の雇用担い手育成対策事業」を創設し、森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進すること。


3 高規格幹線道路網の整備促進等

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立の促進が図られていくために、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の整備が緊急の課題となっている。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路などの道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、次の事項の実現について強く要望するものである 。

(1)  整備の不充分な国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の整備促進を図ること。

(2)  高規格幹線道路網の未整備区間については、新会社による有料道路方式と、新直轄方式をあわせ、国の責任で早期に整備促進を図ること。
 また、高規格幹線道路へのアクセス道路の整備促進を図ること。

(3)  道路財源については、地方の道路整備の重要性を強く認識され、揮発油税の一部を地方譲与税化するなど地方への配分比率を高め、地方道路財源の充実強化を図ること。

 

4 過疎地域における医師の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等において地域医療に従事する医師不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、独立行政法人化、臨床研修義務化等の大学を取り巻く環境の変化により、小児科、産科等の特定診療科における医師不足も、地域の中核病院を中心に深刻なものとなっている。
 このような中、国においては、「医師の需給に関する検討会」や「へき地保健医療対策検討会」等の場でへき地における医師確保対策の検討を進めており、平成17年度中に今後の医師需給見通しを見直す予定となっているが、7月に公表された「医師の需給に関する検討会中間報告書」における「当面の医師確保対策」の内容では不十分であるため、下記の事項を最終報告書に盛り込み、直ちに最優先で過疎地域における医師確保対策に取り組むよう強く要望するものである 。

(1)  医師不足地域の医学部の入学定員と地域枠の拡大を図ること。

(2)  自治医科大学の入学定員と医師不足地域への配分枠の拡大を図ること。

(3)  臨床研修終了後、一定期間へき地医療機関等に勤務させる方策について検討すること。

(4)  国において、全国的に適切な医師配置に係る調整等を行い、医師不足地域の医師確保対策を支援するシステムを構築すること。

(5)  臨床研修制度の導入による問題点を検証し、制度の改善を図ること。


5 大規模災害の復旧・復興支援の強化と抜本的対策の推進

 近年、新潟県中越地震などの大地震、数多く日本列島に上陸する台風や度重なる集中豪雨、三宅島などの火山活動等による大規模な災害は、過疎地域をはじめ各地域に、多数の死傷者と家屋の損壊・農産物等の被害をもたらすとともに、道路、水道・電気・ガス・通信等のライフラインなどに甚大な被害を与え、特に過疎地域においては、住民生活や経済活動は極めて多大で深刻な打撃を受けている。
 被災地では、日夜、復旧・復興に全力で取り組んでいるところであるが、被災過疎地域などは全般に財政基盤がぜい弱であり、高齢者も多く、避難生活を余儀なくされている住民もおり、その全てについて万全の措置を講じ、地域住民の 生命、生活の基盤を確保することは極めて困難である。
 よって国におかれては、災害復旧・復興のための政府予算措置、被災地の特別の財政需要に対する地方交付税、地方債等による財源措置を充分に行い、被災者への生活再建支援、ライフライン、農林漁業・観光業等の産業の復旧・復興に万全の措置を講じるよう強く要望するものである。
 また国は続発する大規模災害の深刻な事態に対し、国民を災害から守るため、抜本的対策を早急に講じることをあわせて強く要望するものである。


6 地域住民の立場に立った郵政民営化改革

 郵政事業は国営事業として、全国約24,700か所(うち過疎地域、離島等の過疎地約7,000か所)の郵便局のネットワークを通じて、郵便・郵便貯金・簡易保険の3事業のサービスを過疎地にまで広く公平に提供するとともに、高齢者への在宅福祉サービスや住民票の郵送受付など行政サービスの支援等により地域住民と深くかかわりを持ち、それぞれの地域において住民生活の安定・向上と福祉の増進、地域社会の発展に大きく貢献しているところである。
 このたび国会において、郵政事業を窓口ネットワーク・郵便事業・郵便貯金・簡易保険の4事業会社に分社して民営化する郵政民営化法が成立し、平成19年10月から民営化がスタートすることとなった。
 郵政事業が民営化する将来おいても、過疎地域にあっては、地域の物流・金融等の生活インフラとして、また住民福祉、地域社会の発展のために、郵政3事業のあまねく公平な基礎的サービスが必要不可欠のものである。
 よって郵政事業の民営化においては、郵政事業が過疎地域など地域において果たしている役割を充分踏まえ、郵便・郵便貯金・簡易保険の各サービスの維持など、郵政民営化が真に地域住民の立場に立った改革となるよう、強く要望するものである 。


7 過疎地域の自立促進に関するその他諸施策の充実強化

〔産業の振興〕

 過疎地域以外の地域にある事業用資産を譲渡して過疎地域内にある事業用資産を取得した場合における特定の事業用資産の買換えの場合の課税の特例の適用期間(個人については平成18年12月31日まで、法人については同年3月31日まで)を5年間延長すること。

〔生活交通の確保〕

(1)  過疎地域における住民の生活交通の確保を図るため、地域協議会の協議結果に基づく路線バスの維持、行政バスの運行、車両購入等のバスによる生活交通確保や第三セクター鉄道等の中小鉄道に対する助成措置を拡充強化すること。

(2)  離島航路の維持改善を図るため、離島航路補助制度を拡充強化し、増便や大型化・高速化を促進するとともに、不採算の離島生活航路の存続について特別の配慮をすること。
 また、離島空路については、離島空路補助制度を拡充強化するとともに、離島空港の整備など離島空路に関する施策を積極的に推進すること 。

〔情報通信インフラの整備〕

(1)  過疎地域における高度情報通信ネットワーク社会形成のため、地域イントラネット・新世代地域ケーブルテレビ等の地域公共ネットワーク、移動通信用鉄塔施設等の情報通信基盤の整備に対する助成措置を拡充強化し、情報通信格差の是正を積極的に図ること。

(2)  地上デジタルテレビ放送については平成18年末までに全国で実施され、平成23年には完全移行(アナログテレビ放送が終了)する計画であるが、地上デジタルテレビ放送への移行においては、新たに視聴できない地域が発生することのないよう国において適切な対策を講じること。

〔へき地教育の充実〕

 スクールバス・ボートの購入・運営、遠距離通学費、寄宿舎居住費等のへき地児童生徒援護費補助制度を充実するなど、へき地教育の充実を図ること。


〔定住・交流の促進等〕

 定住促進団地の整備等による定住の促進や地域間交流施設の整備等による地域間交流の促進を図るとともに、過疎地域における豊かな自然環境、優れた景観、地域文化財や歴史的遺産を維持・保全する対策を推進すること。
 また地域間交流の促進、特産品の開発、人材の育成等にかかるソフト事業に対する助成措置を充実すること。


8 市町村・住民の自主的・主体的な判断による市町村合併


 本年5月、市町村の合併の特例等に関する法律に基づいて「自主的な市町村の合併を推進するための基本的な指針」が告示されたところであるが、市町村合併は住民に一番近いところで意思決定されるべきであり、自分の運命は自らが責任を持って決めることが地方自治の原則であり、民主主義の基本であることから、市町村・住民の自主的・主体的な判断が尊重されるべきである。
 ついては、市町村合併に関して次のとおり強く要望するものである。

(1)  市町村合併の推進に関する構想において合併の対象となる市町村の組み合わせの対象として「おおむね人口1万人未満を目安とする小規模な市町村」が例示され、「地理的条件や人口密度、経済事情」等について考慮することとされたが、自主的・主体的な合併を推進する観点から、地域の実情を充分に尊重すること。

(2)  合併をしないとの選択をした小規模市町村に対して、合併を強制することはせず、合併をしないことを理由として不利益な取扱いをしないこと。



(17. 10. 27)

     平成18年度 税制改正に関する要望

過疎地域における事業用資産の買換えの場合の
課税の特例措置の延長

根拠法 過疎地域自立促進特別措置法第29条
租税特別措置法第37条及び第65条の7

 過疎地域外にある特定の事業用資産を譲渡した場合において、当該事業年度(個人の場合は、当該譲渡の日の属する年の12月31日まで)に過疎地域内にある事業用資産を取得し、かつ、その取得後1年以内に事業の用に供し、又は供する見込みである場合の当該譲渡による譲渡益の一部に対する所得税及び法人税の課税の繰延べを認める特例措置の期間を5年間延長すること。


(要望理由)
 過疎地域においては、地域資源や情報化等を活用して総合的な産業の振興等を図ることにより地域の自立促進のための積極的な取組みがなされているところであります。しかしながら、過疎地域では依然として高齢化の進行、若年者の流出がみられるところであり、引き続き過疎地域内に企業を誘致し、雇用の増大と所得水準の向上を図るとともに、総合的な産業振興による地域の活性化、さらには自立を促進していくことが必要であります。
 過疎地域は、企業の立地選択において不利な条件に置かれており、税制上の特例措置を講じることにより、過疎地域への企業の進出を促進するインセンティブが与えられることとなります。これにより、引き続き過疎地域への企業の進出が促進され、総合的な産業振興による地域の活性化、さらには自立を促進することが可能となります。また、自然に恵まれた生活空間の中での就業機会を拡大することにより、UJIターン等を通じて都市住民を含め国民一般にとっても多様な居住を選択することができる豊かな社会の実現にも資するものであります。
 これらのことから、過疎地域自立促進特別措置法において、特定の事業用資産の買換えの場合の課税の特例がある旨規定されているところであり、本特例措置の延長が不可欠であります。

 

三位一体の改革に関して過疎地域における財源の確保充実

 三位一体の改革においては、財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税や国庫補助金に依存している過疎地域に対して、地方交付税等による適切な財源措置を強く期待するものであります。
過疎地域は、人・食料・水・電気などを都市地域に供給し、我が国の発展のために貢献してきています。また、二酸化炭素の吸収源である森林の管理を担うことにより地球温暖化の防止に寄与しております。
 森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力しています。
 地方の自立を促し住民自治を確立するための三位一体の改革においては、このような過疎地域の努力と役割を重視し、市場原理や効率性の論理ばかりでなく、政治の論理で光をあて支援していただきたいと存じます。
 ここに次の過疎地域における財源の確保充実について、強く要望するものであります。

 過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

 税源移譲が本格的に実施されると、税源の偏在があることから過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

 荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民や住民に最も身近な市町村が主体となって、過疎地域の自立・活性化のための取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。

 過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
 なお、政府が地球温暖化対策の財源として検討を進める環境税を導入する場合には、その多くを地方譲与税とし、二酸化炭素の吸収源である森林の整備等を推進するための財源とすること。





(17. 6. 30 理事会決定)

平成18年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望


重点要望事項


1 過疎地域に光を当てる三位一体の改革
 (1)地方交付税による適切な財源保障を行うこと。
 (2)税源移譲が本格的に実施されると、税源の偏在が一層拡大するので、
    地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

2 過疎対策事業債の所要額の確保
3 国土保全施策の充実強化
   新税の導入等、地球温暖化の防止に寄与する森林の整備を促進すること。
4 高規格幹線道路網の整備促進
5 過疎地域における医師の確保対策の推進
6 大規模災害の復旧・復興支援の強化と抜本的対策の推進
7 地域住民の立場に立った郵政民営化改革
   地域の物流・金融等の生活インフラとして、郵政3事業のあまねく公平なサービスを
   確保すること。

目   次

1 過疎地域に光を当てる三位一体の改革
2 国の国土保全施策の充実強化
3 高規格幹線道路網の整備促進等
4 過疎地域における医師の確保対策の推
5 大規模災害の復旧・復興支援の強化と抜本的対策の推進
6 地域住民の立場に立った郵政民営化改革
7 過疎地域の自立促進に関するその他諸施策の充実強化
8 市町村・住民の自主的・主体的な判断による市町村合併


1 過疎地域に光を当てる三位一体の改革

三位一体の改革においては、財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税や国庫補助金に依存している過疎地域に対して、地方交付税等による適切な財源措置を強く期待するものである。
過疎地域は、これまで、人材、食料、水、電気などを都市地域に供給し、我が国の発展のために貢献してきている。また、二酸化炭素の吸収源である森林の管理を担うことにより、地球温暖化の防止にも寄与している。
森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
地方の自立を促し住民自治を確立するための三位一体の改革においては、このような過疎地域の努力と役割を重視し、今後とも過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。
我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山村の荒廃と高齢化が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっているが、経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 ここに、成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、三位一体の改革に関して、次の事項の実現を強く要望するものである。

(1)  過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

(2)  税源移譲が本格的に実施されると、税源の偏在があることから過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

(3)  荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民や住民に最も身近な市町村が主体となって、過疎地域の自立・活性化のための取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。


2 国の国土保全施策の充実強化


 過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、公衆の保健、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮しており、これらの多面的機能は、その供給に対して支払いがなされることがない「公共財」としての性格を有するものである。
 しかしながら、過疎地域においては、依然として人口減少に歯止めがかからず、高齢化のさらなる進行、引き続く若年者の流出、農林業の衰退により、維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化しており、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 これらの多面的機能を向上させるとともに、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 また、過疎地域において森林や農地の適正な整備等を積極的に展開して、新たな雇用を生み出し、定住を促進していくことは、地域の活性化に大きく資するものであり、過疎地域自立促進特別措置法が目的とする美しく風格ある国土の形成に寄与するものである。
 このような国土保全の重要性に鑑み、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである。

(1)  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
 なお、政府が地球温暖化対策の財源として検討を進める環境税を導入する場合には、その多くを地方譲与税とし、二酸化炭素の吸収源である森林の 整備等を推進するための財源とすること。

(2)  森林や農地の適正な整備の推進、農山漁村の未利用資源のバイオマスエネルギーへの利用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること。

(3)  森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進する「緑の雇用担い手育成対策」については、国の全額負担により恒久的な制度とするとともに、自立のための技術習得が可能となる研修期間の延長、新卒者を対象とするなど事業対象者の制限の緩和等の改善を図ること。


3 高規格幹線道路網の整備促進等

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立の促進が図られていくために、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の整備が緊急の課題となっている。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路などの道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、次の事項の実現について強く要望するものである。

(1)  整備の不充分な国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の整備促進を図ること。

(2)  高規格幹線道路網の未整備区間については、今後とも通行料収入を極力活用した有料道路方式と、新直轄方式をあわせ、国の責任で早期に整備促進を図ること。
 また、高規格幹線道路へのアクセス道路の整備促進を図ること。

(3)  道路財源については、地方の道路整備の重要性を強く認識され、揮発油税の一部を地方譲与税化するなど地方への配分比率を高め、地方道路財源の充実強化を図ること

 

4 過疎地域における医師の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等において地域医療に従事する医師不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、独立行政法人化、臨床研修義務化等の大学を取り巻く環境の変化により、専門医療における医師不足も、郡部の自治体病院を中心に深刻なものとなっている。
 国においては、このような医師不足地域の実情を十分に理解して、医師の確保対策に積極的に取り組まれるよう、次の事項の実現を強く要望するものである。

(1)  地域医療に関する関係省庁連絡会議において決定された医師の確保等の対策を早急に具体化すること。

(2)  医師不足地域の医学部の入学定員の拡大と地域枠の創設及び自治医科大学の入学定員と医師不足地域への配分枠の拡大を図ること。

(3)  国において、全国的に適切な医師配置に関する調整を実施する等、医師不足地域の医師確保対策を総合的に支援するシステムを構築すること。


5 大規模災害の復旧・復興支援の強化と抜本的対策の推進

 近年、新潟県中越地震などの大地震、数多く日本列島に上陸する台風や度重なる集中豪雨、三宅島などの火山活動等による大規模な災害は、過疎地域をはじめ各地域に、多数の死傷者と家屋の損壊・農産物等の被害をもたらすとともに、道路、水道・電気・ガス・通信等のライフラインなどに甚大な被害を与え、特に過疎地域においては、住民生活や経済活動は極めて多大で深刻な打撃を受けている。
 被災地では、日夜、復旧・復興に全力で取り組んでいるところであるが、被災過疎地域などは全般に財政基盤がぜい弱であり、高齢者も多く、避難生活を余儀なくされている住民もおり、その全てについて万全の措置を講じ、地域住民の生命、生活の基盤を確保することは極めて困難である。
 よって国におかれては、災害復旧・復興のための政府予算措置、被災地の特別の財政需要に対する地方交付税、地方債等による財源措置を充分に行い、被災者への生活再建支援、ライフライン、農林漁業・観光業等の産業の復旧・復興に万全の措置を講じるよう強く要望するものである。
 また国は続発する大規模災害の深刻な事態に対し、その対策を総点検し、災害発生の原因や防災計画、地震・活動火山対策等の検証を進め、国民を災害から守るため、抜本的対策を早急に講じることをあわせて強く要望するものである。


6 地域住民の立場に立った郵政民営化改革

 郵政事業は国営事業として、全国約24,700か所の郵便局のネットワークを通じて、郵便・郵便貯金・簡易保険の3事業のサービスを過疎地域や離島にまで広く公平に提供するとともに、高齢者への在宅福祉サービスや住民票の郵送受付など行政サービスの支援等により地域住民と深くかかわりを持ち、それぞれの地域において住民生活の安定・向上と福祉の増進、地域社会の発展に大きく貢献しているところである。
 このたび、かねてから郵政民営化改革を検討している政府は、窓口ネットワーク・郵便事業・郵便貯金・簡易保険の4事業会社に分社して民営化する法案を国会に提出し、審議が行われているところである。
 将来においても、過疎地域にあっては、地域の物流・金融等の生活インフラとして、また住民福祉、地域社会の発展のために、郵政3事業のあまねく公平な基礎的サービスが必要不可欠のものである。
 ついては、郵政事業が過疎地域など地域において果たしている役割を充分踏まえ、郵便・郵便貯金・簡易保険の各サービスの維持など、郵政民営化が真に地域住民の立場に立った改革となるよう、強く要望するものである。


7 過疎地域の自立促進に関するその他諸施策の充実強化

〔産業の振興〕

 過疎地域以外の地域にある事業用資産を譲渡して過疎地域内にある事業用資産を取得した場合における特定の事業用資産の買換えの場合の課税の特例の適用期間(個人については平成18年12月31日まで、法人については同年3月 31日まで)を、平成22年3月31日まで延長すること。

〔生活交通の確保〕

(1)  過疎地域における住民の生活交通の確保を図るため、地域協議会の協議結果に基づく路線バスの維持、行政バスの運行、車両購入等のバスによる生活交通確保や第三セクター鉄道等の中小鉄道に対する助成措置を拡充強化すること。

(2)  離島航路の維持改善を図るため、離島航路補助制度を拡充強化し、増便や大型化・高速化を促進するとともに、不採算の離島生活航路の存続について特別の配慮をすること。
 また、離島空路については、離島空路補助制度を拡充強化するとともに、離島空港の整備など離島空路に関する施策を積極的に推進すること。

〔情報通信インフラの整備〕

(1)  過疎地域における高度情報通信ネットワーク社会形成のため、地域イントラネット・新世代地域ケーブルテレビ等の地域公共ネットワーク、移動通信用鉄塔施設等の情報通信基盤の整備に対する助成措置を拡充強化し、情報通信格差の是正を積極的に図ること。

(2)  地上デジタルテレビ放送については平成18年末までに全国で実施され、平成23年には完全移行(アナログテレビ放送が終了)する計画であるが、地上デジタルテレビ放送への移行においては、新たに視聴できない地域が発生することのないよう国において適切な対策を講じること。

〔へき地教育の充実〕

 スクールバス・ボートの購入・運営、遠距離通学費、寄宿舎居住費等のへき地児童生徒援護費補助制度を充実するなど、へき地教育の充実を図ること。


〔定住・交流の促進等〕

定住促進団地の整備等による定住の促進や地域間交流施設の整備等による地域間交流の促進を図るとともに、過疎地域における豊かな自然環境、優れた景観、地域文化財や歴史的遺産を維持・保全する対策を推進すること。
また地域間交流の促進、特産品の開発、人材の育成等にかかるソフト事業に対する助成措置を充実すること。


8 市町村・住民の自主的・主体的な判断による市町村合併


このたび、市町村の合併の特例等に関する法律に基づいて「自主的な市町村の合併を推進するための基本的な指針」が告示されたところであるが、市町村合併は住民に一番近いところで意思決定されるべきであり、自分の運命は自らが責任を持って決めることが地方自治の原則であり、民主主義の基本であることから、市町村・住民の自主的・主体的な判断が尊重されるべきである。
ついては、市町村合併に関して次のとおり強く要望するものである。

(1)  市町村合併の推進に関する構想において合併の対象となる市町村の組み合わせの対象として「おおむね人口1万人未満を目安とする小規模な市町村」が例示され、「地理的条件や人口密度、経済事情」等について考慮することとされたが、自主的・主体的な合併を推進する観点から、地域の実情を充分に尊重すること。

(2)  合併をしないとの選択をした小規模市町村に対して、合併を強制することはせず、合併をしないことを理由として不利益な取扱いをしないこと。


 要望活動については、
  「過疎地域をめぐる動き」ページ中
  17.6.30 平成18年度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

 




(17. 2. 18 理事会決定)

三位一体の改革に関して

過疎地域における財源の確保充実に関する要望

 三位一体の改革においては、財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税や国庫補助金に依存している過疎地域に対して、地方交付税等による適切な財源措置を強く期待したところであるが、地方六団体の改革案の提示や国と地方の対等の立場での協議を踏まえ、平成17年度の地方交付税の総額は前年度並みの額が確保された。
 また、平成17年度の政府予算案においては、当連盟が強く要望した過疎対策事業債についても、ほぼ前年度並みの額が確保されるとともに、中山間地域等直接支払制度の継続など国土保全施策も充実したものとなり、関係者のご尽力に深く感謝するものである。
もとより過疎地域は、人材、食料、水、電気などを都市地域に供給し、我が国の発展のために貢献してきている。また、二酸化炭素の吸収源である森林の管理を担うことにより、地球温暖化の防止にも寄与している。
 森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
地方の自立を促し住民自治を確立するための三位一体の改革においては、このような過疎地域の努力と役割を重視し、今後とも過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。
 我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山村の荒廃と高齢化が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっているが、経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 ここに、成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、引き続き推進される三位一体の改革に関して、過疎地域における財源の確保充実について強く要望するものである。

(1)  過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

(2)  税源移譲が本格的に実施されると、税源の偏在があることから過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

(3)  荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民や住民に最も身近な市町村が主体となって、過疎地域の自立・活性化のための取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。

(4)  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
 なお、政府が検討を進める温暖化対策税を導入する場合には、その多くを地方譲与税とし、森林の整備等を推進するための財源とすること。


 要望活動については、
  「過疎地域をめぐる動き」ページ中
  地方交付税や過疎対策事業債などの財源の確保充実に関する要望について

 




(16. 11. 30 総会における決議・要望)

 11月30日、当連盟は総会を開催し、三位一体の改革の検討が進められ、平成17年度の政府予算の編成を前にして、三位一体の改革を含む政府予算・施策に対して連盟の総意として決議を行い、要望事項を採択しました。同時に、新潟県中越地震及び台風23号など相次いで日本列島に上陸した台風や集中豪雨で深刻な被害を受けた過疎地域等における被災者の救済と被災地の復旧について特別決議を行いました。
 総会終了後、佐藤栄佐久会長をはじめ役員により国会・政府関係者に対して、また、各都道府県理事は地元国会議員に対して、過疎対策事業債の確保や地方交付税による財源保障を中心に決議・要望事項の実現を期して実行運動を実施しました。

平成17年度過疎対策関係政府予算・施策に関する決議

1 過疎地域に光を当てる三位一体の改革
 (1)地方交付税による適切な財源保障を行うこと。
 (2)税源移譲が本格的に実施されると、税源の偏在が一層拡大するので、地方交付税等
    による財源調整の充実強化を図ること。

2 過疎対策事業債の所要額の確保

3 国土保全施策の充実強化
 (1)中山間地域等直接支払制度を平成17年度以降も継続すること。
 (2)地球の温暖化の防止に寄与する森林の整備を促進すること。
 (3)緑の雇用育成対策は、国の全額負担により恒久的な制度とすること。

4 高規格幹線道路網の整備促進

5 過疎地域における医師の確保対策の推進

6 自主的・主体的な市町村合併
 合併をしないとの選択をした小規模市町村に対して、合併を強制することはせず、
 合併をしないことを理由として不利益な取扱いをしないこと。

 

平成17度過疎対策関係政府予算・施策に関する要望

1 過疎地域に光を当てる三位一体の改革

 三位一体の改革においては、財政基盤が弱く、財源の多くを地方交付税や国庫補助金に依存している過疎地域に対して、地方交付税等による適切な財源措置を強く期待するものである。
 過疎地域は、これまで、人材、食料、水、電気などを都市地域に供給し、我が国の発展のために貢献してきている。また、二酸化炭素の吸収源である森林の管理を担うことにより、地球温暖化の防止にも寄与している。
 森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
 地方の自立を促し住民自治を確立するための三位一体の改革においては、このような過疎地域の努力と役割を重視し、今後とも過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。
 我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山村の荒廃と高齢化が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっているが、経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 ここに、成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、今後の三位一体の改革に関して、次の事項の実現を強く要望するものである。


(1)  過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

(2)   税源移譲が本格的に実施されると、税源の偏在があることから過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

(3)   荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民や住民に最も身近な市町村が主体となって、過疎地域の自立・活性化のための取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。

 
2 国の国土保全施策の充実強化

 過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、公衆の保健、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮しており、これらの多面的機能は、その供給に対して支払いがなされることがない「公共財」としての性格を有するものである。
 しかしながら、過疎地域においては、依然として人口減少に歯止めがかからず、高齢化のさらなる進行、引き続く若年者の流出、農林業の衰退により、維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化しており、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 これらの多面的機能を向上させるとともに、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 また、過疎地域において森林や農地の適正な整備等を積極的に展開して、新たな雇用を生み出し、定住を促進していくことは、地域の活性化に大きく資するものであり、過疎地域自立促進特別措置法が目的とする美しく風格ある国土の形成に寄与するものである。
 このような国土保全の重要性に鑑み、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである 。

(1)  過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
 なお、政府が検討を進める温暖化対策税を導入する場合には、その多くを地方譲与税とし、森林の整備等を推進するための財源とすること。

(2)  適切な農業生産活動の維持を通じて耕作放棄地の発生を防止し、多面的機能を確保するための中山間地域等直接支払制度については、平成17年度以降においても制度を継続すること。
また、森林や農地の適正な整備の推進、農山漁村の未利用資源のバイオマスエネルギーへの利用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること。

(3)  森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進する「緑の雇用担い手育成対策」については、国の全額負担により恒久的な制度とするとともに、自立のための技術習得が可能となる研修期間の延長、新卒者を対象とするなど事業対象者の制限の緩和等の改善を図ること。


3 高規格幹線道路網の整備促進等

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立の促進が図られていくために、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の整備が緊急の課題となっている。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路・国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路などの道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このため、次の事項の実現について強く要望するものである。

(1)  整備の不充分な国道等の幹線道路や住民に身近な生活道路の整備促進を図ること。

(2)  高規格幹線道路網の未整備区間については、今後とも通行料収入を極力活用し、新直轄方式とあわせ早期に整備促進を図ること。
 また、高規格幹線道路へのアクセス道路の整備促進を図ること。

(3)  道路財源については、地方の道路整備の重要性を強く認識され、揮発油税の一部を地方譲与税化するなど地方への配分比率を高め、地方道路財源の充実強化を図ること。


4 過疎地域における医師の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等において地域医療に従事する医師不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、独立行政法人化、臨床研修義務化等の大学を取り巻く環境の変化により、専門医療における医師不足も、郡部の自治体病院を中心に深刻なものとなっている。
 国においては、このような医師不足地域の実情を十分に理解して、医師の確保対策に積極的に取り組まれるよう、次の事項の実現を強く要望するものである。

(1)  地域医療に関する関係各省連絡会議において決定された医師の確保等の対策を早急に具体化すること。

(2)  医師不足地域の医学部の入学定員の拡大と地域枠の創設及び自治医科大学の入学定員と医師不足地域への配分枠の拡大を図ること。

(3)  国において、全国的に適切な医師配置に関する調整を実施する等、医師不足地域の医師確保対策を総合的に支援するシステムを構築すること。


5 過疎地域の自立促進に関するその他諸施策の充実強化

〔産業の振興〕
 本年度で期限切れとなる次の過疎地域における課税特例措置については、平成17年度以降においても継続すること。

  • 新増設された製造業・ソフトウエア業・旅館業の減価償却資産の特別償却

  • 新増設された製造業の工場用の建物の敷地又は新増築された宿泊施設・集会施設・スポーツ施設の家屋・構築物の敷地にかかる特別土地保有税の非課税

〔生活交通の確保〕

(1)  過疎地域における住民の生活交通の確保を図るため、地域協議会の協議結果に基づく路線バスの維持、行政バスの運行、車両購入等の生活交通確保対策にかかる生活交通路線維持費補助制度等の助成措置を拡充強化すること。

(2)  離島航路の維持改善を図るため、離島航路補助制度を拡充強化し、増便や大型化・高速化を促進するとともに、不採算の離島生活航路の存続について特別の配慮をすること。
 また、離島空路については、離島空路補助制度を拡充強化するとともに、離島空港の整備など離島空路に関する施策を積極的に推進すること。

〔情報通信インフラの整備〕

(1)  過疎地域における高度情報通信ネットワーク社会形成のため、地域イントラネット・新世代地域ケーブルテレビ等の地域公共ネットワーク、移動通信用鉄塔施設等の情報通信基盤の整備に対する助成措置を拡充強化し、情報通信格差の是正を積極的に図ること。

(2)  地上デジタルテレビ放送については平成18年末までに全国で実施され、平成23年には完全移行(アナログテレビ放送が終了)する計画であるが、地上デジタルテレビ放送への移行においては、新たに視聴できない地域が発生することのないよう国において適切な対策を講じること。

〔へき地教育の充実〕
 スクールバス・ボートの購入・運営、遠距離通学費、寄宿舎居住費等のへき地児童生徒援護費補助制度を充実するなど、へき地教育の充実を図ること。

〔定住・交流の促進等〕
 定住促進団地の整備等により定住を促進するとともに、地域間交流施設の整備等により地域間交流の促進を図ること。
 また地域間交流の促進、特産品の開発、人材の育成等にかかるソフト事業に対する助成措置を充実すること。


6 市町村・住民の自主的・主体的な判断による市町村合併

 全国の過疎地域市町村は、比較的人口が少なく、経済基盤が弱いこともあり、現在進められている市町村合併への対応を厳しく迫られている。
 本年5月には、都道府県の権限を強化した市町村の合併の特例等に関する法律など合併関係3法が成立、公布されたところであるが、市町村合併は住民に一番近いところで意思決定されるべきであり、自分の運命は自らが責任を持って決めることが地方自治の原則であり、民主主義の基本であるので、市町村・住民の自主的・主体的な判断が尊重されるべきである。
 また、地方固有の財源である地方交付税が合併推進のアメとムチとして使われると、過疎地域市町村は合併しないと成り立たなくなるということになる。これは強制的な合併にもつながるものであり、地方交付税の制度の趣旨にも沿わないものである。
 このような立場から、市町村合併に関して次の事項の実現について強く要望するものである。

(1)  合併をしないとの選択をした小規模市町村に対して、合併を強制することはせず、合併をしないことを理由として不利益な取扱いをしないこと。

(2)  合併をしない市町村や合併が困難である市町村のため、市町村連合など広域行政を推進する新たな制度を導入すること。

(3)  合併市町村における合併特例区等については、市町村の自主性を尊重し、地域において活用しやすい運用を目指すこと



平成16年新潟県中越地震及び台風災害に関する特別決議


 去る10月23日に発生した「平成16年新潟県中越地震」及び台風23号など本年相次いで日本列島に上陸した台風や度重なる集中豪雨は、過疎地域を含む各地域に、家屋の倒壊、土砂崩れ等により多数の死傷者をもたらしたばかりでなく、道路、新幹線等の交通機関、水道・電気・ガス・通信等のライフラインなどに甚大な被害をもたらし、住民生活や経済活動に極めて多大で深刻な打撃を与えたところであり、被災者の救済と被災地の復旧が急務となっている。
 被災地では、日夜、復旧に全力で取り組んでいるが、被災過疎地域などは全般に財政基盤がぜい弱であり、高齢者も多く、その全てについて万全の措置を講じ、地域住民の生命、生活の基盤を確保することは極めて困難である。
 これら災害の被災者の救済と被災地の復旧は、被災地住民のみならず、国民すべての願いである。
 よって、国におかれては、被災者の救済をすみやかに進めるとともに、災害復旧のための政府予算措置、被災地の特別の財政需要に対する地方交付税、地方債等による財源措置を充分に行い、復旧について万全の措置を講じるよう強く要望するものである。

 




(16. 10. 29 自由民主党税制調査会に税制改正要望)

 当連盟は来年度の政府予算・施策に関する要望活動を実施しておりますが、このたび自由民主党税制調査会に「平成17年度税制改正に関する要望」を提出し、本年度で期限切れとなる過疎地域における課税特例措置の延長、あわせて、三位一体の改革に関して過疎地域における財源の確保充実について要望いたしました。
 続いて、同税制調査会の審議・検討のために地方自治関係団体から税制改正及び関連政策に関して意見・要望を聴取する「総務部会、地方行政調査会、指定都市調査会、法務・自治関係団体委員会合同会議」が、10月29日同党本部で開催され、安田連盟専務理事が出席して意見を述べ、要望いたしました 。

平成17年度税制改正に関する要望

T.本年度で期限切れとなる過疎地域における課税特例措置の延長

 過疎地域における製造業、ソフトウエア業及び旅館業に係る特別償却の適用期間の延長
(過疎地域自立促進特別措置法第30条、租税特別措置法第12条・第45条)

 過疎地域において、個人又は法人が、製造の事業、ソフトウエア業及び旅館業の用に供する設備を新増設した場合において、当該新増設にかかる機械・装置、建物・その附属設備についての特別償却の適用期間を5年間延長すること。

  過疎地域における製造業の工場用の建物及び宿泊施設等の敷地に係る特別土地保有税の非課税措置の適用期間の延長
 (地方税法第586条)

 過疎地域における次に掲げる土地又はその取得に対する特別土地保有税の非課税措置の適用期間を5年間延長すること。
  • 製造の事業の用に供する設備を新増設した者で当該設備に係る工場用の建物の敷地
  • 宿泊施設・集会施設・スポーツ施設の用に供する家屋・構築物を新増築した者で当該家屋・構築物の敷地

(要望理由)
 過疎地域において上記の課税特例措置を継続することにより、引き続き製造業、ソフトウエア業、旅館業の誘致・育成、観光・レクリエーション事業の振興等による所得水準の向上と雇用の増大を図るとともに、地域資源を活用した総合的な産業の振興による地域の活性化、更には地域の自立促進を図ることが必要であります。
 また、自然豊かな生活環境の中で就業機会を拡大することにより、UIターン等を通じて都市住民を含め国民一般にとっても多様な居住を選択することができる豊かな社会を実現することが必要であります。
 (なお、特別土地保有税については、附則により平成15年から当分の間、課税停止となっていますが、本則の原則を維持するために要望するものです。)

 
U. 三位一体の改革に関して過疎地域における財源の確保充実

 本年度の三位一体の改革は国の財政再建を優先したものであり、とりわけ地方交付税の削減が突出して行われたことにより、過疎地域の行財政運営は極めて深刻な打撃を受けております。
過疎地域は、人材・食料・水・電気などを都市地域に供給するとともに、国土の保全や地球温暖化の防止に寄与しており、また、森を守り、水を守り、田畑を守り、美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと、必死の努力をしております。
 三位一体の改革においては、このような過疎地域の役割や努力に対して、市場原理や効率性の論理ばかりでなく、政治の論理で光をあて支援していただきたいと存じます。特に、次の過疎地域における財源の確保充実について強く要望するものであります。

 過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うこと。

 今後、本格的に税源移譲が実施されると、税源の偏在が一層拡大するので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

 過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債については、各市町村の自立促進計画による事業が支障なく推進できるよう所要額を確保すること。

 地球温暖化の防止に寄与する森林の整備を促進するため、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、森林の面積等で配分する地方譲与税として、過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備を担っていくための財源を確保すること。




(16. 8. 27 自由民主党過疎対策特別委員会における要望)

 8月27日、自由民主党政務調査会の過疎対策特別委員会が自由民主党本部において開催され、各省庁の平成17年度過疎対策関係政府予算の概算要求について、各省庁から説明を聴取し、意見交換が行われました。
(委員会は、武部勤委員長が他の公務のため出席できないので、太田豊秋委員長代理が座長を勤めました。)
 この説明聴取に先立って、当連盟が要望をする機会が与えられ、貫井清英理事(埼玉県神泉村長)が連盟を代表して要望をいたしました。

平成17年度過疎対策関係政府予算に関する要望

 全国過疎地域自立促進連盟の埼玉県神泉村長 貫井清英 でございます。
 平成17年度の政府予算の編成につきまして、連盟を代表して要望を申し上げます。
 太田豊秋先生をはじめ委員の先生方には、日ごろ過疎地域のために格別のご尽力を賜っており、深く感謝を申し上げる次第であります。
 はじめに、三位一体の改革に対する過疎地域の要望を申し上げます。
 本年度の三位一体の改革では、国の財政再建を優先したもので、とりわけ地方交付税の削減が突出して行われたことにより、過疎地域の行財政運営は極めて深刻な打撃を受けております。
 われわれ過疎地域は、人材・食料・水・電気などを都市地域に供給するとともに、国土の保全や地球温暖化の防止に寄与しており、また、森を守り、水を守り、田畑を守り、美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと、必死の努力をしております。
 どうか委員の先生方におかれましては、このような過疎地域の役割や努力に対して、市場原理や効率性の論理ばかりでなく、政治の論理で光をあて、支えていただくよう、切にお願いするものであります。
 とりわけ、過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行っていただきと存じます。
また、今後、基幹税による税源移譲が実施されますと、税源の偏在による財政力格差が一層拡大しますので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図るよう、あわせてお願い申し上げます。
 続きまして、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債についてでありますが、各市町村の後期自立促進計画による事業が支障なく推進できるよう、所要額の確保について格別のご配慮を特に要望するものであります。
また、本年度で期限切れとなる過疎地域における製造業等の減価償却の特例措置及び特別土地保有税の非課税措置については、平成17年度以降においても継続されるよう強く要望いたします。
 更に、当連盟が、かねてから強く要望しております森林の整備促進・中山間地域等直接支払制度の継続などの国土保全施策の充実や高規格幹線道路網の早期整備を強力に推進されるよう、あわせて要望するものであります。
 何とぞ委員の先生方におかれましては、以上申し上げました私どもの要望をご理解いただきまして、より一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げ、連盟としての要望とさせていただきます。
 有り難うございました。




(16. 6. .28 理事会決議)

過疎地域に光を当てる三位一体の改革

 「骨太の方針2004」においては、平成18年度までの三位一体の改革の全体像を地方の意見に充分耳を傾けて年内に決定することや具体的な税源移譲額が示されるとともに、地方歳出の見直し・抑制の一方、地域において必要な行政課題に対しては適切な財源措置を行うこと、財政力の弱い団体において税源移譲額が国庫補助負担金の廃止・縮減に伴い財源措置すべき額に満たない場合、地方交付税の算定等を通じて適切に対応することが明示されたところであり、過疎地域としては今後とも適切な財源措置を強く期待するものである。
 過疎地域は、これまで、人材、食料、水、電気などを都市地域に供給し、我が国の発展のために貢献してきている。また、二酸化炭素の吸収源である森林の管理を担うことにより、地球温暖化の防止にも寄与している。
 森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
 地方の自立を促し住民自治を確立するための三位一体の改革においては、このような過疎地域の努力と役割を重視し、今後とも過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。
 我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山村の荒廃と高齢化が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっているが、経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 ここに、成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、今後の三位一体の改革に関して、次の事項の実現を強く要望するものである 。

 過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

 税源移譲が本格的に実施されると、税源の偏在があることから過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

 荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民や住民に最も身近な市町村が主体となって、過疎地域の自立・活性化のための取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。

 




(16. 6. .28 理事会決議)

国の国土保全施策の充実強化

 過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、公衆の保健、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮しており、これらの多面的機能は、その供給に対して支払いがなされることがない「公共財」としての性格を有するものである。
 しかしながら、過疎地域においては、依然として人口減少に歯止めがかからず、高齢化のさらなる進行、引き続く若年者の流出、農林業の衰退により、維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化しており、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 これらの多面的機能を向上させるとともに、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 また、過疎地域において森林や農地の適正な整備等を積極的に展開して、新たな雇用を生み出し、定住を促進していくことは、地域の活性化に大きく資するものであり、過疎地域自立促進特別措置法が目的とする美しく風格ある国土の形成に寄与するものである。
 このような国土保全の重要性に鑑み、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである。

 過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
  なお、政府が検討を進める温暖化対策税を導入する場合には、その多くを地方譲与税とし、森林の整備等を推進するための財源とすること。

 適切な農業生産活動の維持を通じて耕作放棄地の発生を防止し、多面的機能を確保するための中山間地域等直接支払制度については、平成17年度以降においても制度を継続すること。
  また、森林整備地域活動支援交付金、農山漁村の未利用資源のバイオマスエネルギーへの利用促進、住宅や公共施設等への国産材の利用促進等による国土保全施策を充実強化すること。

 森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進する「緑の雇用担い手育成対策」については、国の全額負担により恒久的な制度とするとともに、自立のための技術習得が可能となる研修期間の延長、新卒者を対象とするなど事業対象者の制限の緩和等の改善を図ること。

 




(16. 6. .28 理事会決議)

高規格幹線道路網の整備促進及び地方道路特定財源の充実強化

 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立の促進が図られていくために、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の整備が緊急の課題となっている。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路等の幹線道路や住民に身近な生活道路などの道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このためには、高規格幹線道路網の整備促進及び地方道路特定財源の充実が極めて重要であることに鑑み、次の事項の実現について強く要望するものである。

 高規格幹線道路網の未整備区間については、今後とも通行料収入を極力活用し、新直轄方式とあわせ早期に整備促進を図ること。

 道路特定財源については、地方の道路整備の重要性を強く認識され、地方への配分比率を高めるなど、地方道路特定財源の充実強化を図ること。




(16. 6. .28 理事会決議)

過疎地域における医師の確保対策の推進

 過疎地域における医療の確保は、住民の健康・福祉、更には地域の活力全般にとって最重要課題であるが、今、病院・診療所等において地域医療に従事する医師不足が深刻化しており、また開業医の高齢化などもあり、地域における診療体制の維持が極めて困難な状況にある。
 加えて、地元大学医学部卒業医師の大都市圏への流出、独立行政法人化、臨床研修義務化等の大学を取り巻く環境の変化により、専門医療における医師不足も、郡部の自治体病院を中心に深刻なものとなっている。
 国においては、このような医師不足地域の実情を十分に理解して、医師の確保対策に積極的に取り組まれるよう、次の事項の実現を強く要望するものである。

 地域医療に関する関係各省連絡会議において決定された医師の確保等の対策を早急に具体化すること。

 医師不足地域の医学部の入学定員の拡大と地域枠の創設及び自治医科大学の入学定員と医師不足地域への配分枠の拡大を図ること。

 国において、全国的に適切な医師配置に関する調整を実施する等、医師不足地域の医師確保対策を総合的に支援するシステムを構築すること。

 




(16. 6. .28 理事会決議)

市町村・住民の自主的・主体的な判断による市町村合併

 全国の過疎地域市町村は、比較的人口が少なく、経済基盤が弱いこともあり、現在進められている市町村合併への対応を厳しく迫られている。
 このたび、国会において都道府県の権限を強化した市町村の合併の特例等に関する法律など合併関係3法が成立、公布されたところであるが、市町村合併は住民に一番近いところで意思決定されるべきであり、自分の運命は自らが責任を持って決めることが地方自治の原則であり、民主主義の基本であるので、市町村・住民の自主的・主体的な判断が尊重されるべきである。
 また、地方固有の財源である地方交付税が合併推進のアメとムチとして使われると、過疎地域市町村は合併しないと成り立たなくなるということになる。これは強制的な合併にもつながるものであり、地方交付税の制度の趣旨にも沿わないものである。
 このような立場から、市町村合併に関して次の事項の実現について強く要望するものである。

 合併をしないとの選択をした小規模市町村に対して、合併を強制することはせず、合併をしないことを理由として不利益な取扱いをしないこと。

 合併をしない市町村や合併が困難である市町村のため、市町村連合など広域行政を推進する新たな制度を導入すること。

合併市町村における合併特例区については、市町村の自主性を尊重し、地域において活用しやすい運用を目指すこと。

 




(16. 5. .26 緊急要望)

 当連盟は、5月26日、政府が6月上旬に決定することを予定している「骨太の方針2004」に向け、佐藤栄佐久会長をはじめ役員により、国会・政府関係者に対して、三位一体の改革について緊急要望による実行運動を実施しました。

(緊急要望の内容)

過疎地域に光を当てる三位一体の改革について

 平成16年度の三位一体の改革は、地方の自立を促し本来の住民自治を確立するために地方の自由度を拡大していくという本来の目的を見失い、地方の犠牲の上に立った、国の財政再建を優先したものとなっており、とりわけ地方交付税の削減が突出して行われたことは、過疎地域の地方公共団体の行財政運営に深刻な打撃を与えている。
 過疎地域は、これまで、人材、食料、水、電気などを都市地域に供給し、我が国の発展のために貢献してきている。また、二酸化炭素の吸収源である森林の管理を担うことにより、地球温暖化の防止にも寄与している。
 森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力している。
三位一体の改革においては、市場原理や効率性ばかりにとらわれて、このような過疎地域の努力と役割を軽視することなく、今後とも過疎地域に光を当て、自立できるよう支援していくことが、これからの日本の在り方にとって極めて重要である。
 我が国においては、今、東京への一極集中に象徴される大都市問題と農山村の荒廃と高齢化が進む過疎地域の問題が極めて深刻な状況となっているが、経済効率にまさる大都市のみが栄えるのではなく、森や水を守る農山村など全国各地に多様な地域が息づき、それぞれの自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生するような国づくりを目指すべきである。
 ここに、成熟社会を迎えた日本が真に豊かさを実感できる国となるため、それぞれの地域が多様性と個性をもって発展し、過疎地域の住民がその生活と文化を誇りを持って守り抜けるよう、三位一体の改革に関して、次の事項の実現を強く要望するものである。

 過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

 今後、基幹税による税源移譲が進められても、税源の偏在があることから過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することになるので、地方交付税等による財源調整の充実強化を図ること。

 荒廃が進み活力が低下している過疎地域において、住民や住民に最も身近な市町村が主体となって地域の再生への取組みが展開できるよう、過疎地域にとって特に重要な財源である過疎対策事業債について所要額の確保を図ること。
 あわせて、森林や農地等を再生するための国土保全施策など各種制度や施策の充実強化を図り、過疎地域の再生のための取組みを支援すること。

 




(16. 2. .20 理事会決議)

過疎地域を犠牲にしない三位一体の改革

 三位一体の改革は、国から地方へという大義のもとに平成16年度から具体化に踏み出すものであるが、基幹税による税源移譲に道筋をつけたものの、国庫補助負担金の見直しや税源移譲は極めて不十分なものであるにもかかわらず、地方交付税及びこれと一体の臨時財政対策債が前年度比12%も大幅に削減され、国の財政再建策を優先したものとなっており、誠に遺憾である。
 三位一体の改革の名において、このように地方交付税の削減のみが突出して行われることは、とりわけ過疎地域の地方公共団体の財政運営に致命的な打撃を与えるものであり、徹底した行財政改革に取り組んでも、財源不足によって平成16年度の予算編成は行き詰ってしまう状況にある。
 過疎地域は、日本の発展のために、人材、食料、水、電気などを都市地域に供給し、また、国土の保全等の多面的機能が発揮されるよう全国の6割にも及ぶ森林等の整備を行うなど、犠牲をいとわず貢献してきている。国が進める三位一体の改革においては、国の財政再建のために地方に負担を押しつけたり、市場原理や効率性ばかりを重んじるのではなく、森を守り、水を守り、未来の世代に美しい国土を美しいまま引き継いでいこうと必死に頑張っている過疎地域に対して、今後とも光をあて、自立していけるよう支えていくことを明確にすべきである。
 このような状況に鑑み、三位一体の改革に関し次の事項の実現について強く要望するものである。

 政府は、過疎地域の地方公共団体における厳しい危機的な財政状況を十分に認識し、平成16年度における財政運営に支障が生じないよう適切な対応を講じること。

 過疎地域における地域社会や地域住民の生命、生活の維持に必要な財源が確保されるよう、地方交付税による適切な財源保障を行うとともに、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

 今後において税源移譲が進められると、過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が一層拡大することとなるので、地方交付税による財源調整の充実強化とともに、地方税や地方譲与税による配分調整の見直し等により総合的に税源の偏在を是正し、適切な財源調整を図ること。

 




(16. 2. .20 理事会決議)

市町村・住民の自主的・主体的な判断による市町村合併

 全国の過疎地域市町村は、比較的人口が少なく、経済基盤が弱いこともあり、現在進められている市町村合併への対応を厳しく迫られている。
 市町村合併は住民に一番近いところで意思決定されるべきであり、自分の運命は自らが責任を持って決めることが地方自治の原則であり、民主主義の基本であるので、市町村・住民の自主的・主体的な判断が尊重されるべきである。
 政府は、昨年11月の第27次地方制度調査会答申に基づき、現行合併特例法期限後に更に市町村合併を進めるための法案を今国会に提出するとのことであるが、人口1万人未満の小規模市町村を対象とした都道府県の合併構想の策定やそれに基づく知事の勧告・あっせんなど、都道府県主導により強制的に合併させようという国の動きは、地方自治の原則や民主主義の基本に反するものであり、強く異を唱えるものである。
 また、地方固有の財源である地方交付税が合併推進のアメとムチとして使われると、過疎地域市町村は合併しないと成り立たなくなるということになる。これは強制的な合併にもつながるものであり、地方交付税の制度の趣旨にも沿わないものである。
 このような立場から、市町村合併をいかなる形であれ強制することのないよう、次の事項の実現について強く要望する。

 合併推進の対象となる小規模市町村の人口規模を法律等において明示しないこと。

 合併推進にあたっての都道府県の関与は必要な助言や情報の提供等にとどめること。

 合併が困難である市町村に対する特例的団体の制度による権限の制限・縮小を行わないこと。

 合併が困難である市町村や合併をしない市町村のため、市町村連合など広域行政を推進する新たな制度を導入すること。

 合併市町村における住民自治を強化し、行政と住民との協働を推進するための地域自治組織については、市町村の自主性を尊重し、地域において活用しやすい制度とすること。




(14. 12. .1 総会決議)

過疎地域を犠牲にしない三位一体の改革

 過疎地域は、農産物等の食料や水の供給を通じて、さらに今日では、心の豊かさを実現できる場として都市地域を支え続けている。また、過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全や水源のかん養等の多面的機能により、国民生活や国民経済の安定に重要な役割を果たしている。
 しかしながら、過疎地域においては、高齢化や若年者の流出、農林業の後退等によって、農地や森林の維持・保全活動が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化しており、わが国にとって深刻な問題となっている。
 こうしたことから、過疎地域を犠牲にした三位一体の改革が推し進められ、過疎地域が衰退し滅んでいけば、都市も滅んでいくのではないかと考えられる。
現在の三位一体改革の議論においては、今後、過疎地域などの特定地域をどのように支えていくかという視点がなく、過疎地域が三位一体の改革の犠牲になってしまうのではないかとの危惧を抱くものである。
 このため、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲に、過疎地域が自立できるような財源均てん化という視点を加えて取り組むことを提言し、次の事項の実現について強く要望するものである。

1 地方交付税改革の在り方

(1) 基幹税による税源移譲が行われても、税源の偏在が歴然としてある以上、過疎地域と都市地域など地方公共団体間の財政力格差が拡大することが予想されるので、これまで以上に地方交付税の財源調整機能の発揮を図ること。

(2) 都市地域に比べ立ち遅れている社会資本の整備を促進するために、過疎地域において必要とする地方債の元利償還金に対する地方交付税措置については、現行の仕組みを引き続き継続すること。

(3) 税源移譲後においても行政水準の維持に必要な財源が引き続き確保されるよう、地方交付税の財源保障・財源調整機能を一体として堅持し、充実強化を図ること。

2 国庫補助負担金改革の在り方

(1) 国庫補助負担金の廃止・縮減については、税源移譲と切り離すことなく一体的に行い、廃止・縮減後も地域において引き続き必要なものは、所要の全額について税源移譲を軸とした適切な財源措置を講じること。

(2) 過疎地域自立促進特別措置法等による国庫補助負担金等の特例措置を堅持すること。

 




(14. 12. .1 総会決議)

自主的・主体的な市町村合併


 全国の過疎地域市町村は、比較的人口が少なく、経済基盤が弱いこともあり、現在進められている市町村合併への対応を厳しく迫られている。
 ここに政府の地方制度調査会は現行の合併特例法期限後における合併推進方策を答申したところであるが、市町村合併は、住民自治の根幹に関わり、住民生活に重大なる影響を与えるものであるので、市町村の自主的・主体的な判断により行われることを基本とし、いかなる形であれ強制することのないよう次の事項について強く要望するものである。

 現行の合併特例法期限後における新法の制定にあたっては、法律上、合併の目標である人口規模を明示しないこと。

 小規模市町村に対する強制合併や事務配分特例方式による権限の制限・縮小を行わないこと。

 合併推進にあたっての都道府県の関与は必要な助言や情報の提供等にとどめること。

 合併ができない地域や合併しない地域のため、市町村連合など広域行政を推進する新たな制度を導入すること。

 合併市町村における住民自治を強化し、行政と住民との協働を推進するための地域自治組織については、市町村の自主性を尊重し、地域において活用しやすい制度とすること。




(14. 12. .1 総会決議)

高規格幹線道路網の整備促進及び地方道路特定財源の充実強化


 過疎地域が個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域として自立の促進が図られていくために、社会経済活動の基盤となり住民生活を支える道路の整備が緊急の課題となっている。
 特に、整備の不充分な高規格幹線道路等の幹線道路や住民に身近な生活道路などの道路ネットワークの整備を今後とも積極的に進める必要がある。
 このためには、高規格幹線道路網の整備促進及び地方道路特定財源の充実が極めて重要であることに鑑み、次の事項の実現について強く要望するものである。

 国においては、日本道路公団の民営化や高規格幹線道路建設の具体的な仕組みについて検討が進められているところであるが、高規格幹線道路網の未整備区間については、今後とも通行料収入を極力活用した整備の仕組みを導入し、直轄事業方式とあわせ早期に整備促進を図ること。

 道路特定財源については、地方の道路整備の重要性を強く認識され、地方への配分比率を高めるなど、地方道路特定財源の充実強化を図ること。

 




(14. 12. .1 総会決議)

国の国土保全施策の充実強化

 過疎地域の農山漁村や森林は、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、公衆の保健、地球温暖化の防止等の多面的機能を発揮しており、これらの多面的機能は、その供給に対して支払いがなされることがない「公共財」としての性格を有するものである。
 しかしながら、過疎地域においては、依然として人口減少に歯止めがかからず、高齢化のさらなる進行、引き続く若年者の流出、農林業の後退により、維持・保全活動の水準が低下しているため、これらの多面的機能が衰え弱体化しており、国民生活や国民経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されている。
 これらの多面的機能を向上させるとともに、人間が自然と共生して持続可能な国土の利用を図っていくことは、国民生活や国民経済の安定を実現していくための国の重要な役割である。
 また、過疎地域において森林や農地の適正な整備等を積極的に展開して、新たな雇用を生み出し、定住を促進していくことは、地域の活性化に大きく資するものであり、過疎地域自立促進特別措置法が目的とする美しく風格ある国土の形成に寄与するものである。
 このような国土保全の重要性に鑑み、国において次の施策が実現するよう強く要望するものである。

 過疎地域が将来にわたって主体的に森林の整備等の国土保全施策を担っていくために、国税として二酸化炭素排出源等を課税客体とする新税の導入を図り、その全てを森林の面積等で配分する地方譲与税とすること。
なお、政府が検討を進める温暖化対策税を導入する場合には、その多くを地方譲与税とし、森林の整備等を推進するための財源とすること。

 森林整備の担い手の本格就業と地域への定住を促進する「緑の雇用担い手育成対策」については、国の全額負担により恒久的な制度とすること。
また、森林や農地の適正な整備の推進、農山漁村の未利用資源のバイオマスエネルギーの利用促進、住宅や公共施設への国産材の利用促進等の国土保全施策に対して重点的な予算配分を行うこと。

 国民が過疎地域の農山漁村や森林が発揮する多面的機能の重要性を等しく認識し、過疎地域における国土保全のための取組みを理解して参加を得ていくために、国民の合意に向けたわかりやすい方法での啓発・PR等を一層推進すること。

 




(14. 12. .1 総会決議)

平成16年度過疎対策関係政府予算に関する決議

 過疎地域においては、過疎地域自立促進特別措置法のもと、総合的かつ計画的な対策を推進することができ、誠に感謝に堪えないところである。
 我々は、今後とも、個性ある魅力的な地域を創造し、活力ある地域としての自立促進を図り、美しく風格ある国土の形成に寄与するとともに、国土の保全など国民生活や国民経済のための過疎地域の重要な役割を担うべく、渾身の努力を続けてまいる所存である。
 平成16年度の政府予算の編成に当たって、このための諸施策の一層の充実強化を図ることが極めて重要と考えるものである。
 よって、下記諸施策の実現について強く要望するものである。

1 過疎対策事業債の所要額を確保すること。

2 次の諸施策を重点として過疎対策関係政府予算の充実強化を図ること。

 (1)農林漁業を始め多様な産業の振興、雇用の増大
 (2)各種道路の整備促進、バス等の生活交通の確保
 (3)高度情報通信ネットワークの形成
 (4)定住促進住宅・下水道等の生活環境の整備
 (5)介護保険制度の安定的な運営等の高齢者福祉の増進
 (6)少子化の進展に対応した子育て環境の改善
 (7)医師の確保等の医療体制の充実
 (8)過疎地域の実状に即した教育の振興
 (9)都市と農山漁村との共生・対流の促進等による個性ある魅力的な地域の創造



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